東京都の感染状況
年代や感染経路は?

2020年6月29日

東京都内で、6月22日から28日までの1週間で新型コロナウイルスに感染が確認された人は合わせて334人です。感染者の状況を整理しました。

感染経路不明(発表時点)が約53%

6月28日までの1週間で感染が確認された334人のうち、およそ47%にあたる157人が感染が確認されていた人の濃厚接触者で、およそ53%にあたる177人が、都の発表時点で感染経路がわかっていません。

年代別 20~30代が約71%

年代別では20代が最も多く165人、次いで30代が71人で、20代と30代で全体のおよそ71%を占めています。

夜の繁華街関係者 約40%

全体のおよそ40%にあたる135人は、夜の繁華街に関係する人で、ホストクラブやキャバクラ店の従業員や客などだということです。

陽性率 1.9%→2.7%

その日までの1週間に陽性と判明した人数の平均を、その日までの1週間に検査した人数の平均で割った「陽性率」は、6月22日は1.9%でしたが、27日は2.7%となっています。

都の担当者“市中感染が広がっているとは捉えていない”

最近の感染者が増加傾向にあることについて都の担当者は「決して低い数字ではないが、夜の繁華街での集団検査も進み感染者の年代や感染したと思われる場所もある程度限定されているので、市中で感染が広がっているとは捉えていない。いまは若い世代が目立つが、高齢者の感染につながると医療機関がひっ迫するおそれもあるので、引き続き感染拡大防止への協力をお願いしたい」としています。

専門家“夜の街から別の夜の街へ拡大か”

東京でここ数日、50人を超える感染者の確認が相次いでいることについて、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎教授は「数だけ見ると緊急事態宣言が出される前のことし3月下旬の状況に似ているが、多くの割合を20代から30代の若い世代で軽症の感染者が占めている点と、海外から戻ってくる人が少ないという点が大きく異なっている。東京では、複数の夜の街で感染が確認され始めていて、夜の街から別の夜の街へ、感染が広がっている状況があるのではないか」と指摘しています。

そのうえで「今後、7月、8月にかけて海外との行き来への制限などを解除する動きが広がってくると思われるので注意が必要だ。今は感染拡大の次の波に備えて医療や検査の体制を整える大切な時期なので、ここで感染が広がってしまうと必要な対策がとれなくなるおそれがあり懸念している」と話しています。

そして「東京など、感染の状況が思わしくない地域では、地域単位で、今よりも強い要請や対策を検討すると同時に一般の人たちも感染対策なしに夜の街に行かないことや、少しでも体調が悪ければ、特に繁華街などで出歩かないことを心がけてほしい」と注意を呼びかけています。