選挙後はどうなる?

与党が単独過半数を確保

与党 保守党が議席の過半数を獲得した場合、イギリスは速やかにEUからの離脱を実現する見通しです。

ジョンソン首相は「過半数を確保したら、議会初日からEUとの合意に基づく国内法の審議に取りかかり、1月には離脱を終わらせる」としています。

野党が勝利・政権交代

野党が勝利し、最大野党の労働党を中心とした政権が発足した場合、いくつかの可能性が考えられます。

1・EUとの再交渉

労働党は現在の合意について改めてEUと交渉を行うとしています。ただし、EUが再交渉に応じるかどうかはわかりません。また仮に再交渉になった場合、今の離脱期限(2020年1月末)のさらなる延期は避けられなさそうです。

2・2度目の国民投票

野党の複数の政党は2度目の国民投票を公約に掲げています。このうち労働党は離脱条件についてEUと再交渉したのち、「具体的な離脱案」と「残留」の選択肢で国民投票を行うとしています。

3・離脱の撤回

スコットランド民族党と自由民主党はEU条約の第50条に基づく離脱プロセスの停止や撤回を主張しています。

ハング・パーラメント

どの政党も単独で過半数を獲得できなかった場合、とりわけ保守党が連立政権を組んだり、閣外協力を得たりしながら少数与党として政権運営にあたることになれば、今の状況と変わらないハング・パーラメント(宙ぶらりんの議会)の状態が続くおそれもあります。

また今回の選挙には「合意なき離脱」を主張する離脱党も候補を立てています。離脱党が連立政権に入るなど影響力を増した場合は「合意なき離脱」の可能性が再び高まる可能性もあります。