どうなる イギリス EU離脱

どうなる イギリス EU離脱

“ブレグジット”の動向と影響を総力取材 最新ニュースを伝えます

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      英 EU離脱 これまでの経緯は

      イギリスが国民投票でEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めたのは2016年6月。しかし、残留を求めるイギリス国内の声と離脱派の隔たりは大きいまま、現在に至っています。

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      2016年7月、残留を訴えたキャメロン首相の辞任を受けて就任したメイ首相は、「残留派」と「離脱派」で分断された与党・保守党内の融和を図ろうと、閣僚には、残留派とともに、ジョンソン外相など多くの離脱派を起用しました。すぐに離脱の手続きを始めず、まずは経済への混乱を最小限に抑えながら離脱する方法を模索しましたが、離脱派から、決断を先送りしていると批判を受けます。

      2017年1月、メイ首相は、EUの単一市場と関税同盟からの撤退を表明。単一市場へのアクセスを断念してでも、移民の規制を優先する「ハード・ブレグジット」、いわゆる強硬な離脱をめざす方針を明らかにしました。そしてその年の3月29日、EUに正式に離脱を通知し、2年を期限とする離脱交渉が始まりました。

      2017年6月、メイ首相は、突然、総選挙に踏み切ります。離脱交渉を進めるにあたって、政権基盤を強化するねらいでしたが、与党・保守党は過半数を割り込み、北アイルランドの地域政党の閣外協力を得て、かろうじて政権を維持する結果となりました。

      選挙後、本格化した離脱交渉で、最も難航したのが、陸続きのイギリスの北アイルランドと、EUに加盟するアイルランド共和国との国境管理の問題でした。イギリスもEUも、これまで通り人やモノの往来の自由を守ることでは一致したものの、具体的な方策について、意見の隔たりは埋まりませんでした。

      2018年7月、「ハード・ブレグジット」の方針を貫いてきたメイ首相は、行き詰まる交渉を打開しようとEUとの協調や経済的な結び付きを重視する「ソフト・ブレグジット」に転換する方針を示しました。しかし、外相だった離脱強硬派のジョンソン氏らが猛反発し、主要な閣僚の辞任が相次ぎます。

      2018年11月、メイ首相は様々な反発にあいながらも、離脱の条件を定めた「離脱協定案」を何とか取りまとめ、EUとの間で合意しますが、北アイルランドとアイルランドの国境管理の条項に反発する閣僚のさらなる辞任を招くことになりました。一方、EU残留を望む議員も事態の打開には2度目の国民投票の実施しかないと政権への圧力を強めました。

      2019年1月、離脱期日が3月29日に迫る中、イギリス議会では、「離脱協定案」の採決が行われましたが、歴史的な大差で否決されます。メイ首相は、「協定案」の修正を求めてEUと話し合い、新たな合意にこぎつけましたが、議会はこれを認めず、「協定案」は3月に行われた2回目の採決でも大差で否決されました。

      その後、メイ首相は、EUに対して、離脱の期日を6月末まで延期するよう要請。これに対し、EU側は「協定案」が可決される場合には5月22日まで離脱を延期するが、「協定案」が否決された場合には、離脱の期日を4月12日とするとして、イギリスに対し今後の具体的な方針を示すよう求めました。メイ首相はこれを受け入れ、議会に対して、「協定案」が承認されれば辞任する、といういわば最後のカードまで切って、支持を迫りました。

      3月29日、当初離脱が予定されていた日に3回目の採決が行われましたが、「協定案」はみたび否決され、事態は行き詰まります。このままだと、EUと何の取り決めもないまま離脱する「合意なき離脱」となり、経済や社会に大きな影響が出るという懸念が高まる中、メイ首相は、与党・保守党内の離脱強硬派の説得をいったんあきらめ、対立してきた野党・労働党に協力を呼びかけます。協議は続いていますが、双方の意見の隔たりは大きいのが実情です。

      4月10日、EUの臨時の首脳会議が開かれ、メイ首相は6月末まで離脱の期限を延期するようEUに再度求めました。その結果、10月31日までの延期で合意しました。ただ、このままEUに残っている場合、イギリスは5月に行われるヨーロッパ議会選挙に参加することになり、メイ首相は、できるだけ早く離脱をすることが重要だと訴えています。「合意なき離脱」はひとまず避けられたものの、先行きが不透明な状態が続いています。

      日本企業 生産計画見直しの動き相次ぐ

      イギリスのEU離脱が問題となる中、現地に拠点を置く日本のメーカー各社では、生産の計画を見直すなどの動きが広がっています。

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      このうち日産自動車は、イギリスの工場で生産している高級車ブランドの現地での販売が低迷しているとして生産をことし半ばで終了します。この工場ではすでに別の車種の新型モデルも生産の計画を撤回しています。

      ホンダも世界的な生産体制の見直しの一環として、2年後の2021年中にイギリスの工場での生産を終了する方針です。

      トヨタ自動車は、イギリスがEU=ヨーロッパ連合との合意がないまま離脱した場合、イギリスで生産した車の輸出に関税がかかるのは打撃になるとして、将来的には撤退も選択肢になりうるという認識を示しています。

      このほかソニーは来月、イギリスにあるEUへの輸出手続きを行う拠点の登記をオランダに変えます。

      パナソニックも去年10月にイギリスにあるヨーロッパの本社機能の一部をオランダの拠点に移しました。

      金融業界 リスク回避の動き

      イギリスに拠点を置く日本の大手金融グループの中にはEU離脱によるリスクを減らそうと、ドイツやオランダに新たに拠点を設けてすでに営業を開始したところもあります。

      EUには1つの加盟国で当局から認可を得れば、ほかの国でも事業を行える「単一パスポート」と呼ばれる制度がありますが、イギリスで認可を受けた金融機関は、離脱後、EU域内での事業が制限される可能性があります。

      このため証券大手の大和証券グループ本社はドイツのフランクフルトに新たな拠点を設けて、法人向けの業務などを段階的に始めているほか、みずほ証券も今月からフランクフルトで業務を開始しました。

      このほか野村ホールディングスやSMBCグループもフランクフルトに、三菱UFJ証券ホールディングスはオランダ アムステルダムに新たな拠点を設けて、EU域内での営業に必要な免許をすでに取得しています。

      各社はイギリスとEUとの交渉状況などを見ながら、新たな拠点の開業時期を検討していて、離脱の影響を最小限に抑えたいとしています。

      特 集 features

      • 早く自由になりたいのに…

        3年前の国民投票でEUからの離脱を求めた人たちは、今、どんな思いでいるのか。離脱支持が76%と最も高かった街を訪ねた。

      • 教えてイギリス人の本音! EU離脱したいの?したくないの?

        戦後イギリス政治史上最悪の危機、EU離脱問題。推進派と残留派などが入り乱れて収拾がつかない状態。イギリス国民の本音は?

      • メーカーに見捨てられる!イギリスの恐怖

        EU離脱をめぐる混迷が続いています。

      • ヨーロッパは「ガラパゴス化」したのか? 正念場を迎えるEU

        統合を維持できるのか。「正念場」を迎えるEUの2019年を展望します。

      • 民主主義がイギリスを苦しめる

        EUからの離脱の期限まで3か月。イギリスは、国民投票という最も民主的な方法で決めた結論に苦しめられ、疲弊しています。

      • 英EU離脱 いまどうなってる?これからどうなる?

        離脱後の人・モノ・カネの行き来のルールをめぐる、イギリスとEUの交渉が難航しています。“合意なき離脱”も現実味を帯びてきました。現地に進出している日本企業は対応に頭を悩ませています。