孤独ではなく“孤高”。自分1人で高いところに行く

大野将平

柔道

柔道男子73キロ級で東京オリンピックの代表に内定している大野将平。 2020年7月、新型コロナウイルスの影響で乱取りなど本格的な稽古の再開もままならない状況について率直な心境を明かした。

「正直、来年の東京オリンピックのこともまだまだ考えられないのが本音だ。きょう1日、まず何しよう、長くて1週間先の目標を立てている状況だ」

この数か月間は、毎日、ランニングや筋力トレーニング、1人での打ち込みなどを継続してきたという。

「この期間は、皆平等で、それをどう糧にしていくかで差が出る。1人の時間が多いので、孤独な時間が増えるが、孤独ではなく『孤高』だ。自分1人で高いところに行くという自己暗示をして、トレーニングを積んできた」

そして大野はみずからに言い聞かせるように話した。

「3カ月、半年、1年間で失うものは無い。この稽古をしている道場のどこかに無くなった技術、体力、精神的なものがすべて落ちているので、しっかりと拾い集めて、もう一度、強かったときの自分を、焦らずに取り戻していくことが、今、1番やるべきことだ」

見据える2021年の東京オリンピックへの思いを語った。

「もちろん金メダルがほしいが、今そういうことを言える状況でもない。柔道家としてやらなければならないのは、もう一度、畳の上に立って、何か伝わるような柔道を体現すること、これに尽きる」

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