WBC日本代表 韓国に9点差の大勝【詳しく】1次ラウンド2連勝

野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックは10日夜、3大会ぶりの世界一を目指す日本が、東京ドームで行われた1次ラウンドの第2戦で韓国に13対4で勝ちました。日本はヒット13本と打線がつながり、1次ラウンド2連勝としました。

※記事の後半に試合のイニングごとの経過を掲載しています。

先発のダルビッシュ有投手は0対0の3回にノーアウト二塁とピンチの場面でツーランホームランを打たれるなどして、この回3点を奪われました。

3点を追う打線は直後の3回ウラ、2者連続フォアボールでノーアウト一塁二塁とチャンスを作ると1番のヌートバー選手と2番の近藤健介選手の連続タイムリーで1点差に迫りました。
さらに1アウト満塁として5番の吉田正尚選手が2点タイムリーを打ってこの回、一気に逆転に成功しました。

その後も打線の勢いは止まらず、近藤選手のホームランや大谷翔平選手のタイムリーなどヒット13本をマークした日本が13対4で韓国に勝ち、1次ラウンド2連勝としました。日本は11日に1次ラウンドの第3戦でチェコと対戦します。

ヌートバー「最高の気分 代表の一員になれて誇りに思う」

1番センターで先発し、ヒット2本1打点、好守備も見せて勝利に貢献したラーズ・ヌートバー選手はヒーローインタビューで「最高の気分だ。日本代表の一員になれて誇りに思う。ヒットを打てたこともうれしいが、なにより勝てたことがうれしい。打線も1番から9番までまんべんなく打って、投手陣もすばらしいピッチングを見せてくれた」と喜びを語りました。
また、代表チームでヌートバー選手が始めた両手でこしょう引きを回す動きを模した「ペッパーミル・パフォーマンス」について「チームメートもファンも受け入れてくれてうれしい。一体感のあるセレブレーションになっていると思う。これからも続けたい」と笑顔で話していました。

そして最後は観客に向けて日本語で「日本大好き!みんなありがとう!」と叫び、会場は大歓声に包まれました。

近藤健介「打線が円滑に回るよう心がけている」

2番ライトで先発し、ソロホームランを含む2安打3打点の活躍だった近藤健介選手は「前のバッターが塁に出てチャンスやランナー一塁で回ってくることが多く、後ろには大谷選手などいいバッターが控えているので打線が円滑に回るように心がけている。つなぎという意味でいい仕事ができたと思う」と試合を振り返りました。
3回の1点差に迫るセンターオーバーのタイムリーツーベースヒットについては「最低犠牲フライと思って高めに反応しようと思っていたら長打になったのでよかった。先頭からいい流れで回ってきてその流れで打てた。いいつながりで来ているので、この調子であすも行きたい」と話していました。

ダルビッシュ「日本で10数年ぶり すごく特別に感じて投げた」

先発して3回3失点だったダルビッシュ有投手は試合後の記者会見で「日本で投げるのが10数年ぶりなので、すごく特別に感じて投げた。もうこういう機会はないかもしれないので、最後かもしれないと思って投げていた。ことし初めての試合だったが、球速もそこそこ出ていたし、細かいコントロールはまだまだだが最初の試合にしてはよかったと思う」と振り返っていました。
また3点を奪われた3回について「スライダーが甘く入ったところを打たれたので、そこはよくなかった。3点まとめて取られたので、いやな雰囲気になったと思うが、そのウラに一気に4点を取ってくれたので本当に頼もしく感じた」と打線への感謝を口にしました。その上で「日本の人が自分のプレーを見てくれる機会は今、大リーグにいるのでなかなかないので、ありがたかった。日本への感謝を持って投げられた」と話していました。

今永昇太「ダルビッシュ投手から情報共有」

1点リードの4回から登板し、3イニングを3安打1失点にまとめた“第2先発”の今永昇太投手は「中盤だったので、もう1回流れを持ってこられるように意識してマウンドに上がった。先発したダルビッシュ投手から『今永投手のストレートなら高めに投げるといい』などのアドバイスや、情報共有をしてもらったことがよかった」と振り返っていました。
また、自己最速の154キロをマークしたことについては「すべてがよかったわけではないが、何球かいいストレートを投げられた。自主トレーニングからこういう緊迫した場面で力むことを想定しながら練習を積み重ねてきたので、許容範囲以上の力が出たときになるべくコントロールすることができた」と話していました。一方で、失点をしたことについては、「僕が投げる場面では、ああいう1点を取られてはいけない。きょうは勝った上で反省できるので、野手に感謝したい」と話していました。

栗山監督「とにかく選手たちが集中してなんとかしようと」

栗山英樹監督は試合後の記者会見で「最終的には点差は開いたが、どっちに転ぶかわからない試合だったと思う。野球の試合の難しさを感じていたが、とにかく選手たちが集中してなんとかしようという思いでやっていた。いい面も出たが反省しないといけないところもある」と気を引き締めていました。
そして、3回3失点だった先発のダルビッシュ有投手について「いいピッチャーが点を取られることもある。ボールは思うところに投げ込んでいた。逆に言えばあのダルビッシュ投手でも点を取られるということで若い投手がもっと思い切っていけるようになったと思う」と話していました。

【記者の目】“攻め続ける姿勢” 流れ呼ぶ

栗山英樹監督は固い表情のまま「どっちに転ぶかわからないゲームだった」と振り返りました。序盤、苦しい展開となった韓国戦。勝負のポイントは試合が動いた3回でした。

3点を先制された直後の攻撃で見せた強気な姿勢がチームに流れを呼び込みます。3回表で3点を失ったのはチームの精神的支柱でもある先発のダルビッシュ有投手。嫌な流れになりそうな直後の攻撃で先頭の8番の源田壮亮選手と、9番の中村悠平選手がいずれも追い込まれながら2者連続でフォアボールを選びノーアウト一塁二塁とチャンスを作りました。

続く1番のヌートバー選手は初球、バントを失敗したあと、2球目からヒッティングに切り替えます。この強気な姿勢が追い込まれてからのタイムリーヒットにつながりました。
栗山監督は下位打線から作った流れに「なんとかしたいという気持ちが伝わったし、打ちたい気持ちの中でボールの見極めができていた」と評価しました。3点を先制されても選手たちが浮き足だたずにみずからの役割を果たして1点を返すと、日本は試合の流れをたぐり寄せていきます。

2番の近藤健介選手も「この回の先頭から始まったいい流れで自分も打てた」とセンターオーバーのタイムリーツーベースで1点差に迫り、その後の5番・吉田正尚選手の2点タイムリーでの逆転へとつなげました。
この3回の逆転劇はまだ序盤でしたが、送りバントでランナーを進めて1点ずつ返していく形から強気に攻める選択に踏み切ったことが功を奏したと言えます。日頃から「攻め続けなければ何も起こらない」と話す栗山監督の姿勢がチームに浸透していることがかいま見えたシーンでもありました。

《日本代表 成績》

打撃成績

1(中)ヌートバー 4打数2安打0点
  走中 牧原 0打数0安打0点
2(右)近藤 3打数2安打3点 1本塁打
3(指)大谷 3打数2安打1点
4(三)村上 4打数0安打1点
5(左)吉田 3打数3安打5点
  走左 周東 0打数0安打0点
6(一)岡本 5打数2安打1点
7(二)牧 5打数0安打0点
8(遊)源田 0打数0安打0点
  遊  中野 4打数2安打0点
9(捕)中村 2打数0安打0点
  打捕 大城 1打数0安打0点

投手成績

《投手》
日本=5人
○【11】ダルビッシュ有(36歳・右/右)3回 48球 自責2
 【21】今永 昇太(29歳・左/左)3回 48球 自責1
 【26】宇田川 優希(24歳・右/右)1回 11球 自責0
 【13】松井 裕樹(27歳・左/左)1回 23球 自責0
 【28】高橋宏斗(20歳・右/右)1回 12球 自責0
韓国=10人
●【29】キム・グァンヒョン(34歳・左/左)2回0/3 59球 自責4
 【46】ウォン・テイン(22歳・右/右)2回0/3 29球 自責1
 【61】クァク・ピン (23歳・右/右)2/3回 13球 自責1
 【65】チョン・チョルウォン(23歳・右/右)1/3回 15球 自責1
 【57】キム・ユンシク (22歳・左/左)0/3回 14球 自責3
 【34】キム・ウォンジュン(29歳・右/左)1/3回 6球 自責1
 【18】チョン・ウヨン(23歳・右/右)2/3回 7球 自責0
 【59】ク・チャンモ(26歳・左/左)1/3回 10球 自責2
 【48】イ・ウィリ (20歳・左/左)1/3回 22球 自責0
 【21】パク・セウン (27歳・右/右)1回1/3 11球 自責0

《試合経過》

18:00ごろ 先発メンバー発表

【日本】      投/打 打率 HR 打点 盗塁
1(中)ヌートバー 右/左.500 0本 0点 盗1
2(右)近藤健介  右/左.250 0本 0点
3(指)大谷翔平  右/左.500 0本 2点
4(三)村上宗隆  右/左.000 0本 1点
5(左)吉田正尚  右/左.000 0本 0点
6(一)岡本和真  右/右.000 0本 0点
7(二)牧 秀悟  右/右.333 1本 1点
8(遊)源田壮亮  右/左.250 0本 1点
9(捕)中村悠平  右/右 初出場
 (投)ダルビッシュ右/右
日本は上下が白のユニフォームです。
【韓国】               打率 HR 打点
1(二)トミー・エドマン 28歳 右/両 .250 0本 0点
2(遊)キム・ハソン   27歳 右/右 .000 0本 0点
3(中)イ・ジョンフ   24歳 右/左 .250 0本 0点
4(一)パク・ピョンホ  36歳 右/右 .333 0本 2点
5(左)キム・ヒョンス  35歳 右/左 .000 0本 1点
6(右)パク・コンウ   32歳 右/右 .333 0本 0点
7(指)カン・ペクホ   24歳 右/左 1.000 0本 0点
8(捕)ヤン・ウィジ   35歳 右/右 .667 1本 3点
9(三)チェ・ジョン   36歳 右/右 .000 0本 0点
 (投)キム・グァンヒョン34歳 左/左
韓国は上が紺色、下が白のユニフォームです。

日本代表 円陣の声出し役はヌートバー

19:00ごろ 岸田首相が始球式 ボールを受けたのは栗山監督

試合開始前には、岸田総理大臣が始球式を行いました。背番号101のユニフォームで登場した岸田総理大臣が投げたボールはストライクゾーンをそれましたが、キャッチャーを務めた栗山監督がボールを追いかけてキャッチしました。岸田総理大臣は第101代の総理大臣です。

19:08 試合開始 初球は136kmのスライダーでストライク

WBCでは14年ぶりとなる日本対韓国の試合が始まりました。先攻は韓国、日本は後攻です。先発ピッチャーはダルビッシュ投手。WBCでは2009年の第2回大会決勝、韓国戦以来となるマウンドに上がりました。韓国の1番、大リーガーのエドマン選手への初球は136キロのスライダーでストライクでした。

【1回表】韓国を三者凡退に抑える 最速154km 日本 0-0 韓国

日本は、先発ピッチャーのダルビッシュ投手が韓国の先頭バッターをストレートでセカンドゴロ。2番はスライダーでショートゴロ、3番は速球でレフトフライに打ち取って無失点に抑えました。速球の球速はすべて150キロを超えていて、最速は154キロ、球数は12球でした。

【1回ウラ】日本も三者凡退 韓国は大谷打席時には守備シフトも

日本は、先頭のヌートバー選手が変化球を打ち上げてセンターフライ、2番の近藤選手はアウトコースの速球にハーフスイングを取られて空振り三振、3番の大谷選手はフルカウントまで粘りましたが、最後はアウトコースのスライダーで空振り三振でした。
1ヌートバー センターフライ
2近藤 空振り三振
3大谷 空振り三振

【2回表】ダルビッシュ この回も3人で抑える 日本 0-0 韓国

ダルビッシュ投手は、この回先頭の4番バッターからスライダーで空振りの三振を奪いました。5番バッターはファーストゴロ、6番バッターもライトフライに打ち取り、1回に続いてこの回も3人で抑えました。球数はここまでで23球です。

【2回ウラ】初の得点圏のチャンス生かせず 日本 0-0 韓国

日本は初戦でヒットがなかった4番村上選手が、アウトコースの速球を見逃し三振。続く吉田選手はセカンドへの内野安打に相手のエラーも絡み、二塁まで進みました。しかし岡本選手と牧選手がともに空振り三振で、チャンスを生かせませんでした。

4村上 見逃し三振
5吉田 セカンド内野安打(敵失で二塁進塁)
6岡本 空振り三振
7牧  空振り三振

【3回表】ダルビッシュ 2ランHR含む3安打で3失点 日本 0-3 韓国

ダルビッシュ投手はこの回先頭の7番バッターにストレートを捉えられ、初ヒットとなる左中間へのツーベースヒットを許しました。そして続く8番ヤン・ウィジ選手への6球目、変化球が甘く入りレフトスタンドにツーランホームランを打たれました。
さらに、このあとエラーが絡むなどして1点を失いました。ダルビッシュ投手は3失点。球数は48球となりました。

【3回ウラ】日本この回一挙4点奪い逆転 日本 4-3 韓国

日本は、8番・源田選手と9番・中村選手がいずれもフォアボールを選び、ヌートバー選手がセンター前へタイムリーヒットを打って、1点を返しました。
さらに近藤選手がセンターオーバーのタイムリーツーベースを打って、日本が1点差とすると、ここで韓国は先発のキム・グァンヒョン投手を交代しました。

この後、大谷選手は申告敬遠で満塁となり、4番の村上選手はショートフライでしたが、5番・吉田選手が2点タイムリーヒットを打って4対3と勝ち越しに成功しました。
8源田 フォアボール
9中村 (源田二塁盗塁後)フォアボール
1ヌートバー センター前タイムリーヒット
2近藤 中越えタイムリーツーベースヒット
3大谷 申告敬遠
4村上 ショートフライ
5吉田 センター前2点タイムリーヒット
6岡本 ピッチャーライナー
7牧  ピッチャーゴロ

ヌートバー「うまくヒットにできてよかった」

タイムリーヒットを打ったヌートバ-選手は「ピッチャーがインコースとアウトコースをうまく突いていた中、カットボールにタイミングを合わせようと決めていた。うまくヒットにできてよかったです」とコメントしています。

【4回表】今永が登板 150km台の速球で押し三者凡退に

日本は4回表、先発のダルビッシュ投手に代わって2人目の今永投手がマウンドに上がりました。今永投手は先頭の6番バッターをピッチャーライナー、続く7番バッターを153キロのストレートで空振り三振としました。8番バッターもショートゴロに打ち取り、テンポよく3人で抑えてこの回を無失点としました。
この回からショートの守備が源田選手から中野選手に替わりました。源田選手は前の回の攻撃の際に右手を痛がるようなしぐさをみせ、いったんベンチに下がっていました。

【4回ウラ】日本も3人で攻撃終える

日本は、途中出場の中野選手がファーストゴロ、9番中村選手は空振り三振、1番ヌートバー選手はセンターフライで3人で攻撃を終えました。

8中野 ファーストゴロ
9中村 空振り三振
1ヌートバー センターフライ

【5回表】センターのヌートバーがファインプレー 日本は無失点

日本は5回表、2人目の今永投手は先頭の9番バッターにレフトへのヒットを許しますが、1番バッターはチェンジアップで空振り三振を奪いました。続く2番バッターにはフライを打たれ内野と外野の間に落ちるかと思われましたが、センターのヌートバー選手がダイビングキャッチでつかむファインプレーでツーアウトとしました。
3番のイ・ジョンフ選手にはレフトへのツーベースヒットを打たれましたが、4番パク・ピョンホ選手をライトフライに打ち取り、この回も無失点で切り抜けました。

【5回ウラ】近藤ソロHR 吉田犠牲フライで2点追加 日本6-3韓国

先頭の近藤選手がフルカウントから変化球を捉えてライトスタンドへ運ぶソロホームランで5対3としました。
さらに大谷選手が一塁線を破るツーベースヒット。このあとワンアウト三塁となり、ここまで2安打の吉田選手がライトへ犠牲フライを打って、さらに1点を追加しました。吉田選手は「みんながつないでくれたので、しっかり返せてよかった。まだ中盤なので気を引き締めていきます」とコメントしています。

2近藤 ライトスタンドへソロホームラン
3大谷 ライトへツーベースヒット
4村上 セカンドゴロ(大谷は三塁進塁)
5吉田 ライトへの犠牲フライ
6岡本 センター前ヒット
7牧  サードゴロ

《近藤 昨季オフにソフトバンクにFA移籍》
近藤選手は千葉県出身の29歳。広角に打ち分けることができる巧みなバットコントロールと選球眼の良さが持ち味で、2019年から2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得しています。昨シーズンのオフにはFA=フリーエージェントの権利を行使してソフトバンクに移籍しました。日本代表としてプレミア12に出場しているほか東京オリンピックで日本の金メダル獲得に貢献するなど国際試合の経験も豊富です。

【6回表】今永がソロホームラン打たれ1失点 日本6-4韓国

今永投手は3イニング目の6回表、先頭の4番バッターをレフトフライに打ち取りましたが、続く5番バッターを追い込んでからストレートをライトスタンドに運ばれました。今永投手は後続を抑えてこの回を1失点で終えました。今永投手の球数はここまでで48球となりました。

【6回ウラ】日本この回一挙5得点で11-4 7点差に広げる

日本は、先頭の中野選手が高めのボールをライトへ引っ張り俊足を生かしてスリーベースヒットとしました。このあと満塁となり、近藤選手が押し出しのフォアボールを選んだあと、大谷選手がライト前へタイムリーヒットを打ちました。さらに吉田選手や岡本選手にもタイムリーヒットが出るなどしてこの回、5点を追加しました。
8中野   ライトへスリーベースヒット
9中村   フォアボール
1ヌートバーデッドボール(満塁に)
2近藤   フォアボール(押し出し)
3大谷   ライト前タイムリーヒット
4村上   レフトへ犠牲フライ
5吉田   ライト前タイムリーヒット
6岡本   レフト前タイムリーヒット
7牧    サードゴロダブルプレー

【7回表】3人目宇田川 三振2つで無失点に抑える

日本は7回表、今永投手に代わって3人目の宇田川投手がマウンドに上がり、先頭の8番バッターから持ち味のフォークボールで見逃しの三振を奪いました。
次の9番バッターをファールフライ、1番バッターもフォークボールで空振り三振として危なげなく3人で抑えました。

【7回ウラ】日本が2点追加 韓国は10人目の投手 日本13-4韓国

この回、日本は、相手のワイルドピッチと押し出しのフォアボールで2点を追加しました。

8中野 レフト前ヒット
9中村 レフトフライ
1ヌートバーライト前ヒット
2近藤 フォアボール
3大谷(暴投で1点追加)フォアボール
4村上 見逃し三振
5吉田 フォアボール(押し出し)
6岡本 レフトフライ

【8回表】日本4人目の松井裕樹が3人で抑える

日本は8回表、宇田川投手に代わって4人目の松井投手がマウンドに上がりました。
松井投手は高めに抜けるボールもありましたが、先頭の3番バッターをセンターフライ、4番バッターをライトフライ、5番バッターをフォークボールで空振り三振として3人で抑えました。

【8回ウラ】日本は無得点 9点差のまま9回へ

この回日本は3人で攻撃を終え、リードは9点差のままです。

7牧  セカンドゴロ
8中野 セカンドゴロ
9大城(代打) 空振り三振

【9回表】最後はチーム最年少 高橋宏斗が三者凡退で締めて2連勝

日本は9回表、5人目の高橋宏斗投手がマウンドに上がりました。
先頭の6番バッターを空振り三振、7番バッターをセカンドゴロ、そして最後のバッターを156キロのストレートでショートゴロに打ち取って試合を締めくくりました。この結果、日本は韓国に13対4で勝って1次ラウンド2連勝です。

チーム最年長36歳ダルビッシュが「結束力」を生み出す

2009年の第2回大会。韓国との決勝で延長10回ウラに最後のバッターから三振を奪い胴上げ投手となったあの瞬間から14年。36歳となったダルビッシュ投手は今大会の日本代表メンバーの中で最年長となりました。
今回、ダルビッシュ投手は大リーグのチームに所属する選手が、試合に出場できるのは大会直前の強化試合からだったにもかかわらず、先月の強化合宿前日から代表メンバーと一緒に練習をこなしてきました。その際に必ず見られた光景が投手陣と変化球などについて、気軽に会話を交わす姿でした。
巨人の戸郷翔征投手とはスライダーやツーシームの握りなどについて、ロッテの佐々木朗希投手とはスライダー、オリックスの宮城大弥投手にはフォークと連日、行われました。合宿5日目にはヤクルトの高橋奎二投手に小さく曲がるスライダーの握りを伝える一方で、高橋投手のチェンジアップをダルビッシュ投手が教えてもらうシーンもありました。
こうした若手の選手たちとのやり取りが日を追うごとに深まっていったのにはダルビッシュ投手ならではのアプローチ術がありました。実はダルビッシュ投手は今回代表に選ばれた投手陣の投げる様子を動画で確認していました。例えば自主トレーニングの際にアドバイスを送った戸郷選手については意見を交わしたその夜に動画を確認し、翌日のブルペンの投球の様子も見た上でさらにアドバイスをしていました。

こうした一連のやりとりについてダルビッシュ投手は「何も情報がない状態では選手と接してない」と話しています。DeNAの今永昇太投手は「ダルビッシュさんの感覚だけではなく、しっかりとしたエビデンスやほかの投手の参考動画、データをみせてくれるので、説得力が上乗せがされている。それを教えるといったものではなく2人で一緒に築き上げていく感覚があるので、みんな聞きに行きやすいと思う」と話していました。
また、変化球の情報交換をしていたヤクルトの高橋奎二投手は「僕らをすでに知っていてもらえていた感じがうれしかったし、僕が言える立場ではないが、『同級生的』な感じで、同じ目線でわかりやすく伝えてくれた」と話していました。この高橋投手が感じた『同級生的』ということばこそ、今回の代表メンバーとのコミュニケーションでダルビッシュ投手が大事にしていた感覚でした。

「年齢を気にせず友達だと思って接すること。そして、自分が特別だと思っていないしそもそも同じ目線なので意識せず伝えている」

代表招集から限られた時間の中でダルビッシュ投手が作った年齢や立場などを気にせず意見を交わせる雰囲気が、若手の成長を促しチーム一丸となって戦う、日本の結束力を生み出す一因となっています。

日本と韓国のWBCでの過去の対戦成績は4勝4敗の「五分」

栗山監督は9日の試合後「ダルビッシュ投手の名前を先発メンバーに書きたいと話していた。ついにその日が来る。大事な試合なので勝ちきれるようにやっていく」と話していました。