米軍 空母3隻による軍事演習を公開

北朝鮮を軍事的にけん制する狙いで異例の空母3隻を同時に日本海に展開させているアメリカ軍は13日、軍事演習をNHKなど一部のメディアに公開しました。
公開されたのはアメリカ軍の原子力空母、「ニミッツ」。「ニミッツ」は、別の原子力空母の「ロナルド・レーガン」、「セオドア・ルーズベルト」とこれらの空母を中核とする空母打撃群のミサイル駆逐艦などとともに11日から14日まで日本海で合同演習を続ける予定です。

ニミッツの艦上では、空母艦載機のFA18戦闘攻撃機が次々と発進や着艦などを繰り返していました。また近くには巡航ミサイル「トマホーク」を備えたイージス巡洋艦も確認できました。

空母3隻を同時に日本海に展開させる演習は異例で、アメリカとしては、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に対し、軍事力を示してけん制する狙いがあると見られます。

空母ニミッツの艦隊を指揮するハリス司令官は演習に同行したNHKのインタビューに対して「明らかにこの地域では緊張が以前より高まっているが、はっきりしているのは、大統領が言及しているように外交こそが望ましい解決策だということだ」と強調しました。

そのうえで、「われわれのこの地域での軍事力は、信頼に足るものであり、アメリカは、これまでも、そしてこれからもずっと同盟国や友好国とともに歩むのだというメッセージになったと思う。命令が下れば、いつでもこの困難な状況に対応する準備はできている」と述べました。

ニミッツ中心の空母打撃群 “圧倒的な軍事力”

空母ニミッツは、アメリカ西部ワシントン州のブレマートンを母港とし、アメリカ海軍が運用している11隻の空母では、最も古い原子力空母です。

全長が東京タワーと同じ333メートルあり、戦闘攻撃機のFA18スーパーホーネットや早期警戒機など、60機以上を搭載することができます。

そして、ニミッツを中心とする第11空母打撃群は、巡航ミサイル「トマホーク」などを搭載する5隻のイージス艦などで構成され、圧倒的な軍事力を誇っています。

ニミッツは、過去には、1980年にイランの首都テヘランで発生したアメリカ大使館人質事件の救出作戦や、1990年代の湾岸戦争にも参加し、最近では、過激派組織IS=イスラミックステートに対する軍事作戦や、イランへの警戒にあたっています。

アメリカ軍は、先月25日に空母ニミッツがインド洋周辺の第7艦隊の管轄区域に入ったと発表していて、11日からは、原子力空母「ロナルド・レーガン」や「セオドア・ルーズベルト」とともに日本海で演習を行っています。

空母3隻を投入した演習は、西太平洋では2007年以来10年ぶりで、アメリカ軍は「かなり異例だ」としています。