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アメリカ中間選挙

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  • 11月6日に行われるアメリカ中間選挙。トランプ大統領の実績などを問う「国民からの審判」とも言える選挙です。現地の表情や動きなどをNHKの取材班が伝えます。
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飯田香織 神津全孝 油井秀樹 栗原岳史 西河篤俊 特集

11月10日 18時00分

分断深まるアメリカ、伝え続けます

油井秀樹

中間選挙の結果は、議会上院で与党・共和党、議会下院で野党・民主党が多数派となりました。
選挙の主役であるトランプ大統領の評価は全米で二分されていて、その分断を象徴するかのような結果でした。
NHKの取材班は、8月下旬以降、このライブブログで、街を歩いて発見した出来事や有権者の生の声を短く紹介してきました。放送にはしなかったものの、現地の雰囲気を少しでも感じていただければという思いで、選挙戦の一面を綴ってきたつもりです。
中間選挙のライブブログは、これで終了しますが、われわれ取材班は、分断深まるアメリカがどう変わっていくのか、引き続きテレビやラジオ、それにニュースWEBでその行方を発信していきたいと思っています。
(ワシントン支局長 油井秀樹)

11月07日 15時58分

大統領選挙並みの盛り上がり?!

ニューヨークを代表する観光地タイムズスクエア。

私は2年前、この場所で移動するのが難しいくらいに大勢の人が詰めかける中、トランプ当選を目撃しました。(悲鳴と歓声が上がり、小競り合いが起きたのを覚えています)

今回も同じような光景を期待して、取材に行きました。ところが…、中間選挙の開票速報が大画面で放送されてはいたのですが、そんなに大勢の人はおらず、普段より少し多いかなあというくらいでした。

今回の中間選挙、少なくともタイムズスクエアでは、さすがに大統領選挙並みの盛り上がりではなかった印象です。インタビューした人たち、それに外国人観光客も中間選挙への関心は高かったのですが。
(アメリカ総局 籔内潤也)

11月07日 15時52分

フロリダの熱気

フロリダ州は、共和党、民主党の勢力がきっ抗していて、選挙のたびに有権者の動向が揺れる、いわゆる「スイング・ステート」。開票開始からまもなく5時間。
日付が変わろうとしていますが、民主党の現職の上院、ネルソン候補の会場には、50台を超すカメラと大勢の報道陣であふれています。

相手候補との得票数は、わずか。接戦州フロリダの有権者の判断に注目が集まっています。
(アメリカ総局 及川利文)

11月07日 13時00分

ラストベルトでも選挙特番

ラストベルトの一角、ペンシルベニア東部の都市ベスレヘム。20年ほど前に巨大な製鉄所が閉鎖されて以降、地域の活性化が課題となってきました。(※写真のように、閉鎖された工場が今も残っています。)

地元の公共テレビ局ではなんと25年ぶりに選挙の特番を生放送。スタジオにお邪魔させてもらうと、スタジオと候補者陣営などを中継でつなぎ、次々に入ってくる新しい情報を伝えていました。

ラストベルトでも選挙特番2

「今回の選挙への視聴者の関心は、今までにないほど高く、3時間の生放送を決めたんだよ」と話すのは、テレビ局代表のティモシーさん。アメリカのメディアは上院で共和党が多数派を維持、下院では民主党が多数派を奪還する見通しを伝えています。2016年の大統領選挙ではトランプ氏が僅差で勝利したペンシルベニア州。今回の結果をラストベルトの人々はどう受け止めるのでしょうか。

11月07日 11時44分

開票作業は佳境に

油井秀樹

ワシントン支局のスタジオで孤独な戦いを続ける油井支局長です。開票作業は佳境にさしかかってきました。ここまでのところ、上院議員選挙ではインディアナ州で共和党の新人が民主党の現職を破ったのがポイントです。インディアナ州にはトランプ大統領や、ペンス副大統領が入っててこ入れを図っていました。

午前11時45分現在、上院では共和党が45議席、民主党が38議席を確保する見通しです。

一方で、一部の州では投票時間が延長され、開票作業が遅れる見通しも出ていて、予断を許さない状況です。

11月07日 9時19分

青と赤に染まる街 まもなく審判明らかに

注目の中間選挙、まもなく開票が始まるのを前に、ニューヨーク マンハッタン中心部を歩くと…。
ロックフェラーセンターは、星条旗が舞う中、ビルの下から上まで青と赤でキレイに分けられていました。

青と赤に染まる街1

ここでは、テレビの三大ネットワークNBCの選挙特番がまもなく始まる予定で、ライトアップされたビルの映像も特番の演出にも使われるようです。

そして、アメリカの象徴、エンパイアステートビルも、星条旗の青・白・赤にライトアップ。
きょうのニューヨークは、一日中、雨でしたが、開票を直後に控え、クリアになってきました。

青と赤に染まる街2

審判の結果、アメリカの未来はクリアに見通せるものになるでしょうか?
それともいまの混乱、見通しがつかない状況は続くのでしょうか?

11月07日 8時21分

メディアも行列 準備進む

ミズーリ州の上院、マカスキル候補の選挙事務所には、メディアの長い列。少しでもいい撮影場所を求めて、会場がオープンする前から大勢のメディアが集まっています。(ワシントン支局記者 太田佑介)

11月07日 6時12分

投票始まる!現れた“異例”の列

朝7時。中間選挙の投票が始まりました。ここは南部テキサス州の投票所のひとつとなっている図書館です。建物の外には、途切れることなくやってくる人々が列を作っています。
州法によって、メディアは、投票所から一定の距離以上、離れた場所からしか撮影できないため、写真はここからしか撮れません。中に入ると、図書館のワンフロアをぐるりと囲むように長い長い列ができていました。
大統領選などに比べると、どうしても投票率が低くなってしまう傾向にある中間選挙。しかし、今回は様子が違うそう。「こんなに投票に来るなんて」という声も聞こえてきました。

②投票始まる!現れた“異例”の列

ちなみに、この投票所に掲げられた看板に書かれた“AQUI”の文字。スペイン語で「ここ」という意味です。ヒスパニック系が多いテキサスならではです。
一票を投じる人々の選択の行方はいかに。
(おはよう日本 山下佳乃)

11月07日 3時36分

古今東西、決め手は投票率

飯田香織

パタゴニアの店舗は6日、終日お休みです。「従業員が投票できるように」の貼り紙がこちら。今回、多くの企業が従業員に投票を促す取り組みをしています。

②古今東西、決め手は投票率

ロサンゼルス支局もアメリカ人スタッフに投票を促し、「撮れる範囲で投票所の写真を撮ってね」と依頼。長ーい列を想像していたのに、何だかこじんまりアットホームな雰囲気。近所のおうちの一角だそうです!テレビに登場する大きな投票所はごく一部で、こっちが一般的みたいです。
4年前の中間選挙は関心が低く投票率は40%を下回りましたが、今回は記録的な高さになるとみられています。
(ロサンゼルス支局長 飯田香織)

11月06日 20時49分

ミズーリを制すものが上院を制す?~その2~

「世論調査によると数週間前まで負けていたが、ついに追いついた。やるべきことはまだ残っている」
投票日前日の5日、中西部ミズーリ州セントルイスのレストランに集まった有権者を前に、民主党上院の現職・マカスキル候補が声を絞り出すように話しました。
マカスキル候補に共和党の新人ホーリー候補が挑む今回の選挙は、激しい接戦になっています。危機感に駆られたマカスキル候補が選挙戦終盤で取った戦略が、保守層へのアプローチです。
選挙戦終盤、ミズーリ州内の有権者の間で不法移民対策への問題意識が高まると、トランプ大統領の強硬な姿勢を支持すると表明。さらに、自らについて選挙広告で「クレイジーな民主党員とは違う」と民主党から距離を置くとも取れる戦略も打ち出しました。
地元の有権者からは「民主党の議員でありながら、トランプ大統領の政策をそこまで支持するのはどうかと思う」と冷めた見方も。
審判はまもなく、下されます。
(ワシントン支局記者 太田佑介)

11月06日 17時45分

危険な大見得

栗原岳史

決めぜりふの「フェイクニュース!」に合わせてメディア席を指さし、会場を沸かせる。「トランプ劇場」の定番です。

②危険な大見得

演説の序盤で大統領がこの大見得を切ると、観衆からは、「(トランプ大統領に批判的な)CNNをつぶせ」など、「大向こう」のかけ声が自然とかかります。毎度のこととはいえ、メディア席で大統領に直接、指さされると、ドキッとします。そして最近気になるのは、大統領がメディアを敵視したときの聴衆の盛り上がり方が以前にも増して激しくなっていること。
敵と味方を明確にするトランプ大統領の言動が社会の不寛容さを助長しているとも言われていますが、こうした場でも、実感せざるを得ません。
(ワシントン支局記者 栗原岳史)

11月06日 17時20分

いよいよ投票!舞台は静かに整った

南部ケンタッキー州・リッチモンド市。車通りの多い道路に面したイースタン・ケンタッキー大学に一台のトラックが入ってきました。そこから次々と下ろされる箱、箱、箱。

ここは投票所になります。有権者が投票用紙に記入するための台や投票用紙を読み取るための専用の電子機器などが次々と運び込まれていきました。アメリカではこういった学校以外にも、町中のスーパーやコインランドリー、理髪店などなど有権者が集まりやすい場所に投票所が設置されます。生活の流れのなかで投票ができるスタイル、日本とはちょっと違う印象です。

いよいよ投票!舞台は静かに整った

この場所で作業に要した時間はおよそ1時間。あっという間に終わった準備に、“嵐の前の静けさ”を感じました。

作業の様子と幕開けを待つ投票所。360度動画で、静かに投票日を迎えるアメリカの今をのぞき見ることができます。詳しくはこちら。https://www.nhk.or.jp/vr/news/2018usmidterm01/
(おはよう日本 山下佳乃)

11月06日 9時43分

数え切れないほどの星条旗、その行方は?

圧巻の光景でした。
アメリカを象徴する場所の1つ、マンハッタン中心部のロックフェラーセンター。ふだんは世界各国の国旗が飾られている広場の旗が、すべて星条旗に変わっていました。数えてみると150以上!!(1つ1つ数えてみました)アメリカでは星条旗を見る機会は多いですが、ここまでまとまってあるのは滅多にないことです。
実は、ロックフェラーセンターは、アメリカのテレビ3大ネットワークの1つ、NBCの本部でもあります。中間選挙当日には、屋外から開票速報を放送するそうで、外に置かれた画面にはテストデータが送られ、スタッフがチェックをしていました。(テストデータによると、上院議員選挙のバーモント州ではバーニー・サンダース候補が当確だそうです。)

②数え切れないほどの星条旗、その行方は?

NBC傘下のMSNBCはリベラル派として知られていますが、実は保守派のFOXニュースからは歩いて3分ほどしか離れていません。この距離が、いま、政治的には途方も無い距離になっていますが、選挙当日、星条旗はどちらになびくのでしょうか?
(アメリカ総局記者  籔内潤也)

11月05日 14時33分

「アメリカが1つになるなんてありえない!分断は良いことだ!」

今回の選挙を前に、耳にタコができるくらい耳にしてきたキーワード「分断」。だいだいネガティブなニュアンスで受け止められています。
ところが「良いことだ!」と言い切る人がいました。
「ボーリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」などの映画で知られる映画監督、マイケル・ムーア監督です。中間選挙を前に新作映画「華氏119」(「119」、すなわち2016年11月9日は、トランプ大統領が誕生した日です)が公開されたのを受け、インタビューしました。

「分断が良いこと」、その心は、「『女性の権利を認めない、地球温暖化はウソだ、銃は規制しなくていい、メキシコ人やヒスパニックの人はレイプ犯だ』こんなことを言う極端な人たちとどうやって一緒になれると言うんだ!私は喜んで反対の側になるよ!分断は仕方ないことだ」ということでした。
「でも、ほとんどのアメリカ人は本当はこんな極端な人たちではなく、選挙でもそれが反映される結果を望む」と話していました。

「ムーア節」炸裂のインタビューは、中間選挙前日、11月5日の「ニュースウオッチ9」で放送される予定です。
(アメリカ総局記者 籔内潤也)

11月05日 14時30分

共和党と民主党の懸け橋になりたい

南部ケンタッキー州の下院選挙は、接戦です。4期目を目指す共和党現職に対して、民主党新人のエーミー・マクグラス候補が追い上げているのです。
マクグラスさんは、海兵隊出身の女性で、今回、初めて政界入りを目指しています。訴えているのは、医療保障制度の充実。トランプ大統領が、医療保障制度、いわゆる「オバマケア」の撤廃を掲げているため、それに対する不安の声がマクグラスさんの追い風となっています。

ところで、マクグラスさんがいつも口にする鉄板ネタがあります。
「私は民主党。夫は共和党。それでもうまくいっているわ、たまにはけんかするけどね」。会場は笑いに包まれます。
マクグラスさんの方針は、共和党と民主党との壁をなくすこと。彼女は、トランプ大統領が、反対の意見を敵対視する姿勢を強く批判します。どちら側にもいい意見があり、お互いの意見を尊重することこそアメリカのためになると言います。

②共和党と民主党の懸け橋になりたい

集会後、マクグラスさんを直撃したら、こう力強く答えてくれました。
「今、アメリカは大きく2つに分断されている。私はその懸け橋になりたい。共和党であるとか民主党であるとか関係なく、アメリカにとってよいことをしたい。ここまで接戦に持ち込めたのは、チームと支援者のおかげ。きっと大丈夫だと信じているわ」と。

マクグラスさんは、日本の岩国基地で勤務した経験があるそうで、私たちが日本から来たことを伝えると、思い出話もしてくれました。
果たして、結果はどうなるのか?ぜひ、注目してみてください。
(国際部記者 岡野杏有子)

11月05日 11時38分

赤いアメリカの選挙本部?!

選挙戦最後の日曜日、摩天楼が建ち並ぶマンハッタン中心部の通りを歩いていると、やぐらのようなスタジオに出くわしました。トランプ大統領寄りの報道で知られるFOXニュースの屋外スタジオです。
トランプ大統領が誕生した2年前の大統領選挙のときは、もっと控えめなスタジオだったのを覚えていますが(トランプ氏の当選が決まったあとは、共和党の赤に染められたパーティが開かれていました)、今回の中間選挙のスタジオの名は、AMERICA’S ELECTION HQ「アメリカの選挙本部」。大きく出たなあという感じで、なんだか派手になっています。
トランプ大統領誕生以降の2年間のアメリカの流れを象徴しているように感じました。
(アメリカ総局記者 籔内潤也)

11月05日 11時04分

ミズーリを制すものが上院を制す?

選挙戦最終盤の週末、接戦州ミズーリ州を訪れました。
共和党の新人ホーリー候補が不法移民の取り締まり強化や銃規制反対について力を込めて演説していました。そして、「3日後のみなさんの投票がアメリカの行方を決めるのです」と訴えていました。その傍らには、満面の笑みを浮かべるトランプ大統領の等身大パネルが見守っています。会場となった小さな選挙事務所には、収まりきらないほどの支持者が集まり、熱のこもった声援がとんでいました。
上院で共和党が多数派を維持できるかどうかは、接戦州ミズーリ州の選挙結果にかかっているとも見られています。トランプ大統領も、選挙戦最後の集会をミズーリに設定する力の入れようです。

②ミズーリを制すものが上院を制す?

ホーリー候補は集会が終わると、自らの顔が大きくプリントされた選挙カーに颯爽と乗り込み会場をあとにしました。選挙当日まで、熱い戦いが続きます。
(ワシントン支局記者 太田佑介)

11月04日 10時31分

事務総長の訴え

国連トップの本音をかいま見ました。
先月27日、アメリカのユダヤ教礼拝所で起きた銃乱射事件。その4日後、11人の犠牲者の追悼式典が、全米最大のユダヤ社会、ニューヨークで行われました。
私はふだん、国連取材を担当しています。グテーレス事務総長が招待されているというので、会場のユダヤ教礼拝施設を訪ねました。

②事務総長の訴え

ユダヤ教徒のキッパという帽子をかぶって登壇した事務総長。強調したのは、事件の根っこは何かということでした。
「社会の分断の芽が見える。不安と恐れにさいなまれ、多様性のよさを理解していない」。アメリカ社会へのストレートな指摘です。そして、世界のリーダーに向けて、「教育と地域の多様性を尊重するために投資しよう」と呼びかけました。
はたしていま、アメリカは事務総長が呼びかける方向に進んでいるでしょうか。事務総長の発言は、口では団結と言いながら分断を深めていると指摘されるトランプ大統領に向けられているように思えます。中間選挙の結果は、国連にとっても大きな関心事なのです。
(アメリカ総局記者 佐藤文隆)

11月03日 17時30分

「オバマ大統領の再来」と呼ばれた男の素顔

神津全孝

テキサス州・民主党候補のオルーク氏。選挙集会を終えてのこと。オルーク氏への取材設定がなく、会場から出てきたところでインタビューを試みるも、広報担当にすげなくマイクを払われ、その背中を見送っていたときです。

「歩きながらでもいいなら大丈夫だよ。こっちに来れる?」。
広報を制して、NHKだけのインタビューに応じてくれました。

1ヶ月の密着取材中に何度か直接、話を聞く機会がありましたが、いつも最後の言葉は「取材してくれて、ありがとう」。行く先々で「フェイクニュース」と罵倒される中、分け隔てなく時間を取ってくれるオルーク氏に魅了されました。
私たちが取材したテキサス州の激戦の様子は、11月6日 午後10時からの「クローズアップ現代+」をご覧下さい。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

11月03日 17時21分

教師の決起、その先にあるものは 

ことし全米各地で教師たちが、教育予算の充実を求めるストライキを起こした。それにとどまらず、いま、1500人近くの教師たちが中間選挙に立候補している。これまで現場を歩いて、教師、親、そして子どもたちの思いを伝えてきた。では候補者たちの司令塔はどう見ているのか。首都ワシントンにある全米教員協会を訪ねた。私を迎えてくれた全米の教師のボス、リリー・エスケルセン会長。ユタ州の小学教師出身で、連邦議会選挙で敗れた経験もある。

単刀直入に聞いた。「選挙最終盤の情勢をどう見ますか?」。
「有権者は私たちの声に耳を傾けています」と自信をのぞかせたが、意外にもこう続けた。「勝っても負けても、候補者たちはすでに政治の世界の活動家になったのです。子どものために戦うという彼らのメッセージは社会に刻み込まれました。今回、選挙という手法を知ったことで、必要があれば、再登場できるのです。」
異例のストライキという強硬手段に世間が驚き、教師の声が地域社会に届くようになってきた。その教師たちは、司令塔の全米教員協会から、資金集め、戸別訪問、電話のかけ方など、選挙のスキルも学んでいる。今回の動きは、1つの社会運動にも見える。教師が地域社会でネットワーク化され、物言う存在に転化するきっかけになるかもしれない。そんな可能性をはらんでいる。
(アメリカ総局記者 佐藤文隆)

11月03日 10時50分

ヤードサインって何?

日本の選挙は、街なかを走る街宣車や街頭演説、顔写真入りポスターなどで、候補者を知ることができます。一方、アメリカでは、中間選挙の投票日が迫っていますが、街はとても静かです。初めて、アメリカの選挙を取材する私は、有権者は候補者のことをどうやって知るのか、疑問に思っていました。

答えのひとつは「ヤードサイン」でした。
候補者の名前や所属政党などが書かれた看板が、住宅の玄関先や庭先に立てられているほか、幹線道路の脇に並んでいるのをよく見かけます。

ヤードサインって何?

写真や訴えがないため、候補者は、少しでも印象に残るよう工夫を凝らします。目立つ色の看板にしたり、民主党による大きな波を意味するブルーウェーブをデザインに取り入れたりして、候補者をアピールしています。その上で、選挙期間中に討論会や集会を開いて、みずからの主張を有権者に直接、訴え、投票を促すのです。
今月6日に迫った中間選挙に向け、全米各地でヤードサインは、ますます増えてきています。
(国際部記者 山元康司)

11月02日 18時20分

銃乱射事件が投票行動に影響?!

先月27日に、アメリカにあるユダヤ教の礼拝所で起きた銃の乱射事件。トランプ大統領は現場を訪問し、犠牲者を悼みましたが、トランプ大統領の攻撃的な言動が社会の分断を助長し、事件を誘発したとの批判も広がっています。

実は、中間選挙の取材でペンシルベニア州ピッツバーグの空港に到着したわずか10分後、事件発生の連絡を受け、現場に向かいました。
犠牲者を追悼しに訪れた人たちに話を聞くと、みな一様に、「この悲劇を許してはならず、必要なのは『団結』だ」と話していました。さらに聞いていくと、「中間選挙では、銃規制を強化してくれる政治家を選ぼう」とか、「トランプ政権の反移民政策が国民の分断を招いた」など、事件には政治的背景があると捉えているようで、中間選挙をアメリカ社会の分断を解決するひとつのきっかけにしたいとの思いを感じました。

中間選挙まであと4日。あとを絶たない銃撃事件が、有権者の投票行動に何らかの影響を与えるのでしょうか。
(国際部記者 山元康司)

11月02日 17時28分

候補者とマイクの関係

神津全孝

わたしたちは、およそ1か月にわたってテキサス州の民主党候補で「オバマの再来」と呼ばれるベト・オルーク氏に密着取材をしました。候補者は、選挙運動中にメディアからの質問に答えることもあります。いわゆる「囲み取材」と呼ばれます。この写真は、その時の様子を写したものです。
少し違和感がありませんか?そう、襟元はマイクだらけなんです。

候補者とマイクの関係

通常は、記者がマイクを束ねて持つなどします。しかし、オルーク氏が怒らないのを知っているメディアは、オルーク氏に殺到。好き勝手、やりたい放題です。それでも、オルーク氏は笑いながら、「ほか、大丈夫?つけるマイクはもうない?」と問いかけてくれます。そもそも、もう付ける場所もないですよ(笑)。暖かい人間性を感じた一幕でした。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

11月02日 9時45分

戦うシングルマザー

悔し涙です。
南部テキサス州で民主党から下院議員をめざすリンジー・フェイガンさん。
シングルマザーとして子育てをしながらの選挙戦です。
共和党の地盤ですので、戸別訪問してもドアを開けてもらえず、散々な日もあります。
疲れも溜まって、弱気になった時に見せたのがこの涙でした。

でもビールを口にすると元気を取り戻し、選挙スタッフにげきを飛ばしていました。
投票はいよいよ来週です。
ハッピーな涙に変えられるでしょうか。
人間味たっぷり、戦うシングルマザーの選挙戦については、「選挙コラム」をご覧ください。
(アメリカ総局長 河野憲治)

11月01日 20時00分

ラストベルトの女社長

男性従業員だらけの工場で、カメラを前にガッツポーズを決めてくれたのは、メアリー・アイズビスターさん(53歳)。自動車部品工場の社長です。大都市ニューヨークで生まれ育ちましたが、20年前、夫とともに、中西部ウィスコンシン州で閉鎖寸前だったこの工場の経営権を買いました。
そんなメアリーさんの工場を襲った、米中貿易戦争。トランプ政権が中国製の鉄鋼やアルミに高い関税を課したことで、自動車部品の原料の価格が高騰し、製品をこれまで通りの価格で販売することが困難になりました。

②13歳のトランプファン

「長年つきあいのあるお客さんたちのためにも、できれば値上げはしたくない」。原料の価格とにらめっこをする毎日です。
そんなメアリーさんのいちばんの自慢は、大学を卒業したばかりの1人息子。「スペイン語を勉強して、南米に留学もして、きっと遠くの大都市か外国で仕事をするものだと思ったら、『母さん、僕は故郷のために働きたい。ウィスコンシンに残って就職するよ』って言ってきたの。びっくりしたけど、うれしかったわ」。
ラストベルト=さびついた工業地帯で、社長としても、母親としても、メアリーさんにとって地域の活性化は喫緊の課題です。
(国際部記者 青木緑)

11月01日 9時00分

若者の関心は本物か

今回の選挙に若者がどれだけ関心を持っているのか。若者の政治意識を長年分析している大学の研究所を訪ねた。

アメリカ東部マサチューセッツ州にあるタフツ大学のカワシマ・ギンスバーグ所長。ことし実施した調査では18歳から24歳で「必ず投票に行く」と答えた人は34%。中間選挙では毎回、この世代の投票率は20%ほどなので、「この数字は記録的だ」と驚く。さらに若者の有権者登録数は、2年前の大統領選挙に近い水準に達していると話す。
「都市部の選挙区では、数百、数千票の差でひっくり返るので、若者の投票行動は選挙結果を左右するかもしれない」と予想する。

②若者の関心は本物か

取材を終えてキャンパスを歩くと、至る所に「VOTE」(投票を)の看板。この大学では投票日にバスを出して、一日中、学生を投票所にピストン輸送するという。
若者の投票率は上がるかもしれない。そんな印象を深めた。
(アメリカ総局記者 佐藤文隆)

10月31日 18時50分

「なんでこんなに人気なのか、自分の目で確かめたくて」

「ねぇ、私にインタビューしてくれない?実は民主党支持者なの」。
中西部ウィスコンシン州で行われた、トランプ大統領の演説の会場で、トランプ支持者にインタビューする私たちに近づいてきた女性がいました。
23歳のパート従業員で民主党支持者の彼女は、「トランプ氏の集会を探りにきた」そうです。赤い帽子は、トランプ支持者に紛れ込むためにわざわざ買ったんだとか。

「お父さんは共和党支持だけど、私はトランプにはまったく賛成できない。特に女性にとってはふさわしくない大統領だと思う。人種差別的だしね。そんな大統領が、なんでこんなに人気なのか、自分の目で見て確かめたくて、今日来ることにしたの。支持する・しないに関わらず、有権者として、そしてアメリカ国民として、自分の国の大統領がどんな人なのか、知ることは大事だと思うわ」。

トランプ大統領は支持できない。だからこそ政治に関心を持つようになり、投票にも行く。そんな若者が増えているのかもしれないと感じました。
(国際部記者 青木緑)

10月31日 18時42分

愛しているからこそ

「今の共和党は僕が知っている共和党じゃない。トランプ大統領にハイジャックされたようなものだ。」そう話すのは、ケンタッキー州のチャック・エディーさん。
長年、共和党を支持してきましたが、トランプ大統領が就任してからの共和党には失望しているといいます。トランプ大統領が進める大企業優先の経済政策や極端な移民政策などは、これまでの共和党とは違うからだそうです。
そんなエディーさん、今回の中間選挙では少し大胆な行動に出ました。

②「アーク・エンカウンター」の正体は

まず、「自分が共和党を元通りにしよう」と考え、候補者を選ぶ予備選挙に立候補。落選したいまは、仕事終わりに週に6回、なんと、民主党候補のボランティアに入るそうです。
民主党候補の名前の入ったシールを胸元に貼り、戸別訪問の際に配るパンフレットの準備をしたり投票を呼びかける電話をかけたりします。集会にもできるだけ顔を出すようにしています。
なぜここまで民主党を応援しているのかを尋ねると、「共和党のために、今回の選挙には変化が必要。愛しているからこその行動なんだ」と笑って答えていました。
愛しているからこそー。愛のむちというかたちの投票のようです。
ちなみにエディーさんは45年以上前に、国際関係を学ぶため、日本の大学に留学していたそうです!
(国際部記者 岡野杏有子)

10月31日 10時56分

「アーク・エンカウンター」の正体は

西河篤俊

この建物の名前を日本語にすると「箱舟との遭遇」。聖書に出てくる「ノアの箱舟」を再現した博物館です。全長155メートルという長さも聖書の記述から計算され、木でできています。中に入ると、船内に見立てた館内には木製のオリが所狭しと並んでいました。その中には、熊やキリンなど「ノアの箱舟」に乗っていたとされる様々な動物の模型が。100億円を超える総工費は、寄付などでまかなったそうです。

②「アーク・エンカウンター」の正体は

取材に訪れたのは平日の午前中。入館料は大人は5000円余りにもかかわらず、博物館には子どもからお年寄りまで、多くの人が詰めかけていました。そのほとんどが白人で、1日数千人が訪れるそうです。話を聞くと、みなさん、口をそろえて「すばらしい。やはりノアの箱舟の話が実話だったと実感できた」「ここに来れば、進化論がウソだとわかる。生命は神が創ったのよ」と感激した様子で話してくれました。
聖書に書かれていることを忠実に信じるこうした人々が「福音派」で、トランプ大統領誕生を後押ししたと言われています。「福音派」は、アメリカ国民の4分の1にのぼり、最大の宗教勢力とも言われています。

この福音派については、10月31日、午後9時からの「ニュースウオッチ9」で、詳しくお伝えする予定です。
(ワシントン支局記者 西河篤俊)

10月31日 10時42分

「俺たちのことばを話してくれる大統領だから」

中西部ウィスコンシン州で開かれたトランプ大統領の演説集会。ブラッド・エリクセンさん(55歳)は、仕事先から車で12時間かけて、会場に駆けつけました。
工場などに電気設備を販売する仕事を始めて10年。トランプ政権になってから、自動車工場や建設現場などから注文が相次ぎ、うれしい悲鳴をあげているそう。アメリカの経済は目に見えて活性化していると、ブラッドさんは言います。

「今日のためにこの赤い帽子も買ったんだ。もし今日、誰かにNFLの試合のチケットをもらったとしても、俺は絶対にこっちの集会に来ていたね。政治活動に関わったことなんて、これまで一度もなかった、トランプ大統領が現れるまではね。2年前の選挙の時、感動したんだ。俺たち中間層のことばを話してくれる大統領が、ついに現れたんだって。メディアはトランプ大統領のことを馬鹿にするけど、彼は賢い男だよ。本当に馬鹿だったら、億万長者になんてなれるわけないじゃないか。トランプ大統領は嘘をつかない。あのパワフルな言葉どおり、アメリカを、世界を、もっと住みやすい場所にしてくれるはずだ」。
(国際部記者 青木緑)

10月30日 18時15分

「ラストベルト」から「バイブルベルト」へ 

西河篤俊

ラストベルトの次に、私が向かったのはバイブルベルト。南部から中西部にかけて広がるキリスト教保守派が多く住む地域です。

写真は、南部ケンタッキー州北部、人口わずか4000ほどの小さな町の広大な敷地に突然あらわれました。建物の名前は英語で「アーク・エンカウンター」。日本でもよく知られた、昔の、ある話をもとに建設されました。
建物の中に入ると、さらに驚きが・・・・。

2年前の大統領選挙で、トランプ大統領の勝利を後押しした人たちに福音派の存在があります。福音派は、今回の中間選挙にどう臨もうとしているのか。
この建物の詳しい紹介とともに、次回以降、伝えていきます。

また、テレビでは10月31日(水)、午後9時からの「ニュースウオッチ9」で詳しくお伝えする予定です。
(ワシントン支局記者 西河篤俊)

10月30日 9時10分

民主党と「お別れ」

「民主党は、われわれを利用して、社会を分断させただけだ!」
首都ワシントンで開催された、民主党からの「Walk away」=「お別れ」と題したイベント。かつて民主党員だった主催者の男性が壇上で声を上げると、会場からは大きな拍手があがっていました。

参加者の多くは「オバマ前大統領に期待して投票したが失望した」「ヒラリー・クリントン元国務長官に投票したが間違いだった」と感じている人たち。民主党は、移民や人種、性的指向などをめぐり平等な社会の実現を訴えるふりをして、実際には何も達成できず、マイノリティーを政治の道具に使っただけだというのが彼らの主張です。分断をあおっているという意見も聞かれました。そして、これからはトランプ大統領、共和党を支持するというのです。
300人ほどが参加していましたが(明らかにトランプ支持者とみられる人もいました)、こうした動きも、アメリカ社会の深まる分断を象徴するひとつといえそうです。
(ワシントン支局記者 太田佑介)

10月30日 9時00分

繰り返される悲劇

ペンシルベニア州ピッツバーグでの銃乱射事件から一夜明けた28日。首都ワシントンのホワイトハウスの前で出会ったトム・ハーベーさん(75歳)。銃規制の強化を訴え、6年前から毎週、ホワイトハウスの前に立ち続けているそうです。
プラカードに大きく書かれているのは「子どもたちを守ってください」の文字。
私はアメリカでの取材中、ある取材相手が当然のように銃を身につけていた姿が忘れられず、それ以来、抱いていた疑問をトムさんにぶつけてみました。

②繰り返される悲劇

-日本では警察官が持つ拳銃しか見たことがありません。アメリカの人たちは、何のために銃を持つのですか?
「銃を持つことで、『自分は安全をコントロールしている』ということを周りに見せたいんだ。でも、そんなことできていないんだよ。私がここに立つようになったのは2012年。20人の子どもたちが命を失った小学校での銃乱射事件がきっかけだ。私には同世代の孫がいる。自分の孫がもし銃で殺されていたら…そう考えると、いても立ってもいられなくなって、ここに来ることにしたんだ。昨日もまた悲劇が繰り返されてしまったね。
今の政権は、銃の危険から国民を守ることについて何も考えてくれていない。自分のことばかり考えている大統領にしか見えないね。銃の危険のないアメリカを作ることは、簡単じゃない。でも、チェンジはきっと、起きるはずだ。私はこれからもここに立ち続けるよ。」
(国際部記者 青木緑)

10月29日 22時00分

トランプ大統領はサウジアラビアと特別な関係?

油井秀樹

ホワイトハウス前で、サウジアラビア人のジャーナリストが殺害された事件に対して抗議の声を上げる人たち。
サウジアラビアに武器の売却を続けるトランプ大統領を批判していました。
野党・民主党は「トランプ大統領がサウジアラビアと特別な関係があるのではないか」と主張。
政権に対する議会の監視機能を強化するためにも、中間選挙で民主党が勝利する必要性があると訴えています。
(ワシントン支局長 油井秀樹)

10月29日 22時00分

13歳のトランプファン

中西部ウィスコンシン州で行われたトランプ大統領の演説集会。大人たちに混ざって、大統領に熱い視線を送る、小さなトランプファンに遭遇しました。
地元に住むジョセフ君(13歳)、お父さんと一緒に参加しました。

②13歳のトランプファン

「トランプ大統領に会うために、日本から来てくれたの?どうもありがとう!ぼくはトランプ大統領が大好きだ。大統領の言っていることは全部正しいよねって、いつもパパと話しているんだ。特に賛成するのは、国境に壁を作る政策。・・・え?メキシコ国境はウィスコンシンから遠いって?たしかに遠いけど、違法にアメリカに入ってこようとする移民は、ぼくたちにとって脅威だから、止めないといけないよ。」
「それともうひとつ、トランプ大統領の好きなところは、“ファミリーマン”だっていうことかなぁ。家族思いの大統領だと思うよ。ほら、一番下の息子さんは、僕と同世代でしょう?親近感を感じるよ。」
「将来の夢は、建築家。大きな建物をたくさん作ってみたいんだ。だから勉強も頑張るよ。」
(国際部記者 青木緑)

10月29日 9時30分

移民集団の正体

神津全孝

メキシコを北上する移民集団の取材に出会ったホンジュラス出身の少女リディアさん(9)。
「アメリカに行って、英語を学んで、偉い人になって、貧しい人を救うの」

食事もままならず、1か月以上も劣悪な環境の中を歩き続ける絶望的な状況でも、誰かのためになりたいと訴える本当に強い女性です。

②移民集団の正体

実は、リディアさんと5歳の妹を取材したあと、別れ際に、写真を撮って欲しいと頼まれました。しかし、彼女はもちろん、両親も、使えなくなった携帯しか持っていませんでした。
送ることのできなかった写真。リディアさんのことを詳しく書きましたので、ご覧頂ければ幸いです。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月29日 7時15分

モスクでタウン・ミーティング

飯田香織

タウン・ミーティングにくつを脱いで裸足で登場したのはケーティ・ポーター候補(民主党)。会場はロサンゼルスから南に車で1時間ほどのアーバインにあるモスクです。
民主党王国として知られるカリフォルニア州にあって、ここは共和党の牙城。人口4000万のカリフォルニア州は、全米最多の53の下院の議席のうち、14が共和党です。その6つ前後が今回の中間選挙で民主党にひっくり返る可能性があると言われていて、ここもその1つです。

②モスクでタウンホール

アメリカでモスクに入ったのは初めて!私もくつを脱いで入館しました。さまざまな人種の老若男女が200人くらい出席。年齢を問わず、多くの質問がトランプ政権の移民政策やイスラム教徒への接し方についてでした。ポーター候補は「誰もが平等に扱われる社会のために戦う」と強調していました。

アーバインは、日本ともご縁が深いんですよ。マツダ、森永製菓、江崎グリコなどたくさんの日本企業が進出していて、おいしい日本食店もいっぱいあります!
(ロサンゼルス支局長 飯田香織)

10月29日 7時10分

国際社会も中間選挙の行方を注視

油井秀樹

ワシントンで行われた台湾の出先機関によるレセプション。
アメリカ議会の「台湾コーカス」に所属する下院議員たちも参加していました。
コーカスは議員連盟。アメリカ議会には、「日本(ジャパン)・コーカス」「メキシコ・コーカス」「アフガニスタン・コーカス」など多数のコーカスがあります。
中間選挙でどの国や地域に関心のある候補者が当選するのか。外交にも影響を与えかねないだけに、ワシントンに駐在する外交官や関係者は、中間選挙の行方を注視しています。
(ワシントン支局長 油井秀樹)

10月29日 7時00分

大統領、空から登場!

「トランプ大統領がやってくる!」
演説会場となったのは、中西部ウィスコンシン州の農業地帯にある、小さな町の空港の格納庫。そろいの赤い帽子をかぶった数千人ものトランプファンたちが詰めかけました。
会場入りして待つこと3時間。
すっかり日も暮れ、気温1桁台の寒さに誰もが疲れの表情を見せ始めていたその時…。大音量の音楽とともに、急に大きな歓声が上がりました。

「トランプ!トランプ!トランプ!」
数千人がいっせいにスマホを向ける先に見えたのは、大統領専用機「エアフォース・ワン」の翼。

②大統領、空から登場!

私も背伸びをしながら目を凝らすと、豆粒大ですが、たしかに見えました。トランプ大統領本人です。
なんと大統領、演説会場に飛行機を横付けして登場しました!
演説すること1時間。大統領は、ふたたび大音量の音楽とともに、飛行機で去って行きました。
残ったのは、いつもの静かな空港。

今の1時間は、夢だったのかしら!?
会場の人たちは、まるで超人気ロック歌手のコンサートが終わったあとのような恍惚感に包まれていました。
(国際部記者 青木緑)

10月28日 11時22分

「トランプ」と良心のはざまに

神津全孝

アメリカを目指してメキシコ南部を北上中の「キャラバン」。
トランプ大統領は「何としてもアメリカにたどり着く前に止めろ!」とメキシコ政府に発破をかけました。それに応じて、移民たちが泳いで渡るグアテマラ国境に軍隊を派遣して必死に防ごうとしています。

しかし、それは、建前のようです。
取材中、いくら移民が来ても微動だにしない兵士たち。
聞いてみると「立ってろとは言われたが、捕まえろとは指示されてない」。

歴史的に、メキシコは移民に寛容だと言われ、キャラバンも各地で温かく迎えられています。
トランプ大統領へのせめてもの抵抗なのかもしれません。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月28日 7時15分

破れた教材と生徒の思い

中西部オクラホマ州。共和党主導の政府で、減税のしわ寄せを受け、削られてきた教育予算を取り戻せと、民主党から大勢の教職員が立候補する異例の事態になっています。その候補者たちを支えているのが生徒やその親たちです。北部の町、クレアモアにある公立高校で、彼らの動機の一端を見ました。

②破れた教材と生徒の思い

高校生が英語の(日本では国語)の授業で使っている副教材です。ぼろぼろで、表紙とページが外れていました。予算不足で、公立の小中高校のほとんどで、生徒の教科書は何年も更新できていません。高校生からは、「数が足りない教科書の奪い合いになる」「計算機の電池とか備品もないのは悲しい」などといった声が聞かれました。
そして、教師の立候補には、「教育の何が問題なのか一番よく知っている」と期待する声が上がっていました。まともに勉強したいという子どもたちの願いを政治はどう受け止めるのか。
子を持つ親の1人として見届けたいと思います。
(アメリカ総局記者 佐藤文隆)

10月28日 7時05分

歩き続ける幼い子どもたち

神津全孝

トランプ大統領が主張する「アメリカ入国を企てる犯罪者たち」。
「キャラバン」と呼ばれる移民たちの集団を取材するためにメキシコ南部に来ました。
ホンジュラスなどからアメリカへの移住を目指して6000人が北上を続けています。

1歳半の女の子を連れた25歳の女性は、「私たちは犯罪者なんかじゃない。ただ暴力と貧困から逃れたかっただけ」。そして、「本当はもう歩きたくない…」と。

多くの子どもたちがいました。
なにもわからないまま、時にはベビーカーに乗せられ、時には家族に手を引かれて、途方もない道のりを歩きます。
子どもたちの未来を守ることこそ、「政治」の仕事ではないでしょうか。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月28日 6時57分

ブルーウエーブは消えた?

油井秀樹

「ブルーウエーブは起きる。しかし、大波か小波かはわからない。」
そう話すのは、野党・民主党陣営で世論調査担当のフレッド・ヤン氏です。

民主党が中間選挙で躍進するという予想が夏の間は一般的でした。民主党のシンボルカラーの「青」を取って、「ブルーウエーブが発生する」と言われてきました。しかし、この1か月あまり、トランプ政権の与党・共和党が激しく巻き返しています。

「眠れる共和党員たちが起きてしまった。民主党が議会上院で多数派を奪還するのは非常に厳しい」とヤン氏。
一方で、「議会下院では、民主党が多数派を奪還するのはほぼ間違いない。」と明言。ただ、「まだ10日あまりある。予断を許さない」と、慎重な物言いでした。
(ワシントン支局長 油井秀樹)

10月27日 7時00分

かつてない中間選挙 ABCテレビも

油井秀樹

アメリカABCテレビのクライン政治部長を、NHKワシントン支局に招いて中間選挙の情勢について意見交換しました。
「前回2014年の中間選挙は、戦後、過去最低の投票率だった。今回は全く違う。民主党は『打倒、トランプ!』共和党は『トランプと共に勝利』と盛り上がっている」とクライン部長。
中間選挙取材としてはかつてない200人以上の体制で投票日に臨む方針とのこと。予想外の結果だった2年前の大統領選挙の教訓から「わかっていないことに備えろ!」と部下に発破をかけているということです。
(ワシントン支局長 油井秀樹)

10月27日 6時50分

激戦区テネシー州へ

投票まで、あと2週間!南部テネシー州にやってきました。上院議員選は注目選挙区のひとつ。構図は、民主党が共和党を倒せるか。

最初に訪れた「期日前投票」の図書館は、何人もの列が!?
「こんなの初めて。見たことないわ」とは、いつも期日前投票するというお年寄りの女性。激戦州テネシーで、起きたニュースのひとつが、「テイラー・スウィフト」効果。若い世代に絶大な人気があるポップスターが突如表明した「民主党支持」と期日前投票の呼びかけ。彼女の地元では、目に見える形で効果があらわれていました。

②激戦区テネシー州へ

その“追い風”を当選につなげられるか、というのが民主党候補の元テネシー州知事、フィル・ブレッドセン氏。
この日は、クラークスビルにある大学で、まさに「テイラー支持層」の若者たちとミニ集会。元知事らしく、温和な語り口で、ひとつひとつの質問に答え、「やぁ、待たせて悪かったね」と言いながら、私たちのインタビューにも答えてくれました。

⓷激戦区テネシー州へ

激戦州テネシーには、実は、「日本企業の存在感の大きさ」があります。現在、活動する日本企業は192社!実に5万人以上が日本企業で働いています。海外からテネシーへの投資の「半分以上が日本から」という存在感です。共和党支持者が多いと言われていますが、トランプ政権の「通商政策」に文句はないのか。投票行動に変化はないのか。これから、取材してこようと思います。詳しくは、11月2日に放送します。
(アメリカ総局記者 野口修司)

10月26日 22時59分

トランプ大統領の女性支持者も、盛り上がっています!!

「トランプ大統領が女性に不人気なんて、デマです」
そう言い切って支援者の輪を広げようとしているミネソタ州の女性を取材しました。
トランプと書かれたマントを身につけているメアリーさんが運営しているのは、フェイスブック上のグループ“Trump Women 2020”。
中間選挙だけではなく、2年後に予定されている大統領選挙を視野に入れて、女性支持者の輪を広げ、今から機運を盛り上げようというものです。
わずか20日あまりで2800人以上のメンバーが全米から加わっています。
取材を続けるため、私は、このグループに入れてもらっているのですが、投稿数は、毎日数十件は下りません。
最近話題になっているのは、トランプ支持を表明する女性と一目でわかるような服装や装飾品について。
真珠はどうかとか、もっと派手で面白いものがいい、などと結論には至っていませんが、
中間選挙はひとまず、共和党のシンボルカラーの赤を着て、投票しようとメンバーの一人は呼びかけています。

(国際部記者 濱本こずえ)

10月26日 7時10分

カギは地元の人との交流にあり

「あなたたち、フェイクニュースメディア?」
アメリカ各地で行われている候補者の集会の取材に行き、参加者に話を聞こうと話しかけると、半数以上の人から言われます。半分冗談の人もいれば、本気ではなかろうかと思う人も少なくありません。
「日本のメディアです」と答えると、「そうか、それなら応じよう」とやっと話を聞いてもらえます。しかし、「トランプ大統領の政策を支持していますか?」と聞いてみると、返事の多くは「ノーコメント」。

どうしたら、有権者たちの本音を聞くことができるのか…。
ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外に地元の人が政治談義に花を咲かせるバーがあると聞いて、店を訪ねました。時間は午後6時。すでに10人あまりの地元の人が集まり、中間選挙について話をしていました。お酒の勢いもあってか、集会とは全く異なる雰囲気です。
「トランプ大統領は、大統領としてふさわしくない」
「いや、それなりに政策を前に進めているのでは」
「共和党も民主党も、本当にアメリカをよくする気があるのか?」など賛否両論、さまざまな意見が飛び交います。

そこで、一番聞いてみたかった質問を投げかけました。
「2年前にトランプ大統領に投票したけど、中間選挙では民主党に投票する人はいるの?」
すると、「たくさんいると思うけど、正直に話してくれる人なんていない。自分の行動が失敗したと公言することになるから」という思ってもみなかった答えが返ってきました。
集会で「ノーコメント」と答えた人の中には、2年前の大統領選挙でトランプ大統領に期待したものの、いまでは失望して、投票先を変えようと考えている人も少なからず含まれているのだろうなと、その時、感じました。
記者として駆け出しのころ、先輩から耳にたこができるほど言われた「情報収集のカギは地元の人との交流にあり」ということばの意味を、アメリカでかみしめた夜でした。
(国際部記者 山元康司)

10月26日 7時00分

トランプ減税への審判は?

「減税のツケで、この子たちに借金を背負わせてしまうのがつらい」
モンタナ州で、子どもたちを対象にしたアート教室を運営するカーペンターさんの言葉です。

トランプ大統領が歴史的な減税と訴える法人税率の大幅引き下げを柱とした税制改革。あしもとのアメリカ経済の成長を加速させていることは間違いないでしょう。しかし、「財政赤字を拡大させる!」「大企業や富裕層の優遇だ!」こうした反発の声が大きくなっています。

このためトランプ大統領は選挙戦最終盤で、「中間所得層向けに10%の減税」を表明しました。
あまりに露骨な、なりふり構わぬ戦略は、有権者の目にどう映るでしょうか。
(ワシントン支局記者 田中健太郎)

10月25日 11時52分

ワシントンのホテルに設置されているのは…

政治の街・ワシントンにあるホテル。その建物の前に置かれている「ゾウ」と「ロバ」の置物。共和党と民主党のマスコットです。中間選挙に向けて、雰囲気を盛り上げる?!

10月25日 8時40分

分断、ついにこんなことまで

パニック映画のような展開でした。
「オバマ前大統領の自宅に爆発物が届いた」というニュースを伝えるCNNニュースをオフィスで見ていたら、画面からは避難を呼びかける音が鳴り、CNNの関係者が避難していきました。ニューヨーク中心部で、観光名所にもなっているビルに入るCNNに爆発物が届いたのです。
われわれも駆けつけました。

②分断、ついにこんなことまで

数え切れないほどの報道陣でごった返す中、規制線の奥には、NYPD(ニューヨーク市警察)の見たこともない特殊な車(道路のやや左側にある黒くて丸い穴がある車両)がありました。爆発物を処理するための車のようです。
迅速な対応で、けが人は出ませんでした。

同じ不審物は、オバマ前大統領、ヒラリー・クリントン元国務長官、世界的投資家ジョージ・ソロス氏、そしてCNNに。
いずれも、トランプ大統領に批判的で、激しいことばで攻撃されてきた人やメディアです。まだ背景はわかりませんが、このような事態に至り、アメリカの分断を象徴する事件として、今後も語られるように感じました。
(アメリカ総局記者 籔内潤也)

10月25日 7時20分

大人って、怖い

神津全孝

「すげー嘘つき。あいつの父ちゃんが有名な殺し屋と会ってたってニュース見た?やばいんじゃない?」
「あいつこそ、いつも嘘ばっかり。病気なんじゃない?」

最初の発言者がトランプ大統領。次のが、テキサス州の上院議員候補、テッド・クルーズ氏の言葉です。2016年の大統領選挙で交わされた応酬で、互いに向けられたことばです。

2年の時を経て、この因縁の2人が握手し(ぎこちなく)、抱擁を交わしました。
クルーズ氏の苦戦が伝えられる中、急きょ、トランプ大統領が応援に駆けつけた集会での一幕です。

アメリカの、あるリポーターのコメントが心に残りました。
「まぁ、選挙は『チームスポーツ』ですから」
大人の世界を垣間見ました。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月25日 7時10分

混じり合うのか、赤と青

分断されたアメリカ社会。異なる意見の人たちの間では、会話が成り立たない…。
トランプ大統領を見ていてもそうですが、自分の意見を声高に述べるだけで、相手の意見に聞く耳を持たない人が多くなっていると言われます。
そんな中、南部バージニア州で行われたある集会を取材しました。参加したのは民主・共和両党の支持者たち。集会が始まったころは、相容れない存在だとしてお互いを警戒。
曰く「民主党のヤツらは誤ったメディアの情報に騙されてる!」「共和党支持者は周りにいないから、話すのが怖い」。

アイスクリーム政治

この集会を企画したのはNPO「Better Angels」。キャッチフレーズは、「Let’s Depolarize America!」(アメリカの分断をなくそう!)です。
丸1日、みっちりとお互いの主張や違いについて話し合ったあと、参加者たちから聞こえたことばは…。
「自分たちが社会の犠牲者のように感じてたけど、民主党支持者もそう感じていると分かった」
「共和党支持者もトランプ大統領の過激な発言を恐れてると知った」
考えは違うけど、みんな自分たちと同じように国の行く末を心配しているんだと気づく様子は、なかなか感動的でした。
ただ、政治のレベルでも分断を超えていくための対話が進めば良いですが、トランプ大統領の様子を見ると無理なのかなあ、とも思います。
(アメリカ総局記者 籔内潤也)

10月25日 7時00分

夢を与えるおもちゃ

このおもちゃ、アメリカではとても有名だそうです。細長い部品と、歯車状の部品を、さまざまな角度でつなげていくと、車やお城、複雑なジェットコースターまで、何でも作れるというもの。大学の機械工学の授業で使われることもあるんだとか。大人でも飽きません。

アイスクリーム政治

1990年代に、このおもちゃを開発したジョエル・グリックマンさん(77)。
ペンシルベニア州にあるジョエルさんの工場では、原料からすべてMade in USAにこだわって、おもちゃの部品や文房具など、アメリカ製のプラスチック製品を作っています。

トランプ大統領が中国のプラスチック製品に高い関税を課し、中国からの輸入が困難になったことで、輸入に頼らないジョエルさんの工場は有利な状況に。今後、受注が増える見込みです。
「でもね、全然うれしくないよ」
穏やかなジョエルさんがきっぱりと言いました。
「一部の企業が儲かっても、それ以上に、関税で打撃を受けている企業がたくさんある。貿易戦争は、アメリカ全体の経済にとって、間違いなくマイナスだよ」

実はこのおもちゃ、2年前に中国への輸出も始まり、中国の子どもたちの間で人気が広がり始めたところだったとか。報復関税の影響で、輸出はこれから難しくなるかもしれないそうです。子どもたちに夢を与えるおもちゃまで、貿易戦争に巻き込まれる事態になっています。
(国際部記者 青木緑)

10月24日 8時00分

立ち上がった教師の戦いは

中西部のオクラホマ州、共和党の強固な地盤だ。そこで、地元の教師や元教師たちが民主党から立候補している。
州都オクラホマシティーから近いノーマンにある民主党の選挙事務所。
中間選挙で選ばれる連邦議会の議員、州知事だけではなく、あわせて行われる州議会議員の候補にも教師出身が50人以上が立候補している。選挙運動のボランティアにも教師出身者や生徒の親が多い。 

立ち上がった教師の戦いは

ボランティアの1人、元教師のキャスリン・ヒューイットさん(70歳)は語る。
「オクラホマは石油産業を税金面で優遇する代わりに、教育予算を減らしてきた。今こそ教師の声を政治に届けなければなりません」
これには伏線がある。ことし4月、公立学校の教師の多くが、教育予算の拡充を求めて、9日間に及ぶ異例のストライキを行った。オクラホマ州は、生徒1人あたりの教育予算と公立学校の教師の賃金が全米で最低レベル。予算が足りないので、3年前から公立学校の一部は週4日制に移行した。大企業減税で経済成長をと主張する共和党と、教育や医療を取り戻せと主張する民主党。教師の戦いが共和党の地盤を草の根から揺さぶるのか注目だ。
(アメリカ総局記者 佐藤文隆)

10月24日 7時00分

トランプ支持者は本当に…

絵に描いたようなトランプ支持者でした。
ニューヨークではなかなか見つからず苦労するのですが、南部や中西部に行くと、トランプ大統領を熱く支持している人に、ふつうに出会います。
ディープサウスと呼ばれる南部ミシシッピ州で会った、トランプ支持者のジム・ヘンドリックスさん(伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスではありません。念のため)。
家の前には大きな星条旗が掲げてあり、居心地のいい居間のテレビで見るのは…、もちろん、FOXニュース!

トランプ支持者は本当に…

私から見ると、保守の側にとても偏った放送だと感じますが、ヘンドリックスさんに言わせると「きちんと事実を伝えている」とのことでした。そして、FOXニュースを見ながら、「トランプ大統領はこれまでの大統領で最も実績を挙げている」と、これまた、絵に描いたような一言も。
ヘンドリックスさんは、出会ったばかりの私たちを自宅のあちこちに案内してくれました。ホスピタリティにあふれてオープンな感じと、移民などに厳しいトランプ大統領を支持することがどうして両立するのか、いまも腑に落ちないままです。
(アメリカ総局記者 籔内潤也)

10月24日 7時00分

アイスクリーム政治

飯田香織

日本にもお店があるアイスクリームのBen & Jerry’sの創業者のベン・コーエンさんです。中西部オハイオ州の下院候補を応援するために、はるばる東部バーモント州から駆けつけました!

今回、民主党の下院奪還に向けて大事だという全米の7人の候補のために特別なアイスクリームを作っています。ここオハイオ州ではCompassion and Passion(思いやりと熱い思い)。

アイスクリーム政治

「民主党を応援すると共和党支持者による客離れが起きるのでは?」と質問したら「確かにボイコットすると言われたこともある。ただ、市民の平等のために戦うという価値観(value)が評価され、むしろ売り上げが伸びている」とベンさん。

今回の選挙では姿勢を明確にする企業や経営者が増えています。多くは若者を対象にした企業で、環境重視や銃規制など民主党系の政策を支持。専門家は「今の時代、政治的な姿勢を明確にしないことこそリスク」と指摘しています。最後は、若者が本当に投票するか!?
(ロサンゼルス支局長 飯田香織)

10月23日 9時00分

ニューヨークの地下鉄も“分断“!?

地下鉄に乗って驚きました。
シートから窓枠まで、赤と青に分けられています。
共和党の赤と、民主党の青。

ニューヨークの地下鉄も“分断“!?

実は、テレビの三大ネットワークの1つ、CBSの選挙特番の宣伝でした。
赤と青、どちら側につくのか問われているような居心地の悪さを感じ迷いましたが、結局、真ん中あたりの席に座ることにしました。(どちら側かは言わないことにいたします)
(アメリカ総局記者 籔内潤也)

10月23日 7時00分

ワシントンのロシア人カップル

“Ты меня любишь?(ねぇ、私のこと愛してる?)”
ワシントンのハンバーガー屋で、隣のテーブルから聞こえてきたのは、愛をささやき合うカップルの会話。ロシア語でした。

「あの~ 私、ロシア語できます。日本から来ました」。
邪魔してはいけないと思いつつ、話しかけてしまいました。

モスクワ出身のセルダールさん(33)=右は、アメリカ留学を経て、ワシントンのIT企業に就職。ロシアから呼び寄せた恋人のザリーナさん(26)=中央と一緒に暮らしています。
トランプ大統領は、ロシアとのINF=中距離核ミサイル全廃条約を破棄すると明言したばかり。米ロ関係の悪化は、アメリカで暮らす2人に影響はないのでしょうか?

「誰も私たちがロシア人だってことを気にしていないし、影響なんてないわよ」と話すザリーナさん。
ロシアの家族や友達は心配していないの?
「みんな応援してくれてる。こっちのほうが給料が高いし、自分の能力を生かせるチャンスがたくさんあるからね」。
セルダールさんが目を輝かせて話してくれました。

仕事の契約が切れるため、来年にはロシアに帰るという2人。大好きになったワシントンにまた戻って来たいけれど、今後、ロシア人のビザ取得が難しくなるなど、影響が出ることがあるかもしれないと心配していました。夢は、いつか2人で日本に旅行に行くことなんだそうです。
(国際部記者 青木緑)

10月23日 3時30分

嵐の前の静けさ

神津全孝

現地時間22日午後6時30分から(日本時間23日午前8時30分から)、テキサス州にあるこの会場で、トランプ大統領の選挙演説が始まります。
われわれメディアは、半日ほど前の午前7時に会場に集められ、撮影機材のチェックを受けます。カメラに見立てた爆発物が混ざっていないか、時間をかけて、入念に調べられます。

あまりのトランプ大統領人気に、会場は、急きょ、倍以上の聴衆を収容できるNBAバスケットコートに変更。数時間後には、18000人のトランプサポーターが埋め尽くします。
いまは、まさに嵐の前の静けさです。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月22日 11時00分

Welcomeトランプ大統領!

神津全孝

道路を埋め尽くす赤い帽子をかぶった人たち。帽子に書かれている文字は「Make America Great Again」。テキサス州で行われるトランプ大統領の選挙集会を待っている人たちです。
演説開始は、現地時間の22日午後6時30分から(日本時間23日午前8時30分から)。そのおよそ1日前には、すでに徹夜組100人以上が列を作っていました。それが、この写真です。

トランプ大統領は、2016年の大統領選挙の共和党指名争いで死闘を繰り広げた「仇敵」テッド・クルーズ氏を応援するために演説します。就任から2年を迎え、いまだに熱狂的な人気を保っていることを肌で感じます。

演説の様子は、またあす、お伝えします!
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月22日 8時30分

若者よ、投票に行こう

飯田香織

州によって投票するために有権者として登録できるデッドラインが違うのですが、カリフォルニア州ではきょう10月22日が期限。前日にサンディエゴで若者に投票を呼びかけるイベント=ROCK THE VOTEがありました。フェス的な内容で、その場で選挙人登録もできます。

若者よ、投票に行こう

若者の政治に関する関心が低く、投票率は低いのが常です。ただし、世論調査を見ると、今回は必ず投票に行くという若者が大きく増えています。実際、サンディエゴでも「投票します!今回は周囲も投票すると言っている」という若者が多かったです。環境、多様性、銃規制といった民主党よりの政策を重視する若者が多いため、若者の投票率が高いと民主党に有利と言われています。
さて、本当に投票するか!?
(ロサンゼルス支局長 飯田香織)

10月22日 7時00分

街宣車?

バージニア州で開かれた秋祭りのパレードで見かけた「選挙カー」。いかにもアメリカンな雰囲気の車に候補の名前や政党名が書かれたポスターが貼られていました。

街宣車?

投票を呼び掛ける名前の連呼はありませんでした。
(ワシントン支局記者 石井勇作)

10月21日 17時30分

万国共通?

バージニア州の小さな町で開かれた秋祭り。大勢の人たちでにぎわう中、現れたのは下院選にバージニア10区から立候補している共和党のバーバラ・コムストック候補。民主党候補との接戦が伝えられています。自己紹介をして一人一人と握手。どこかで見た気がする地べたを這うような選挙運動…。

万国共通?

かつて日本の政治家に「直接、会って握手するって皆さんが思う以上に実際の投票につながるんですよ」と言われたことを思い出しました。
(ワシントン支局記者 石井勇作)

10月21日 12時56分

これも大事な仕事です。

神津全孝

我々、テキサス州取材班の悩みが一つ。「テキサスっぽさって、何を撮影すればいい?」
たとえば、ニューヨークなら「自由の女神」、ロサンゼルスなら「ハリウッドサイン」。そして、取材班が行き着いた答えが「テキサスと言えば、カウボーイでしょ」。

これも大事な仕事です。

週末の夜に、フォートワース市内にあるロデオ会場を探し当てました。観客席はカウボーイハットをかぶった人たちで賑わい、まさに開拓時代にタイムスリップしたかのようです。
この映像が使われるかどうか、11月6日放送の「クローズアップ現代+」を乞うご期待です。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月21日 7時00分

「やる気のある男」

澄み渡った秋空の下、オハイオ州の大豆畑は、収穫シーズン真っ只中。
この地で、40年近く大豆農家として生計を立ててきたクリストファー・ギブスさん(60歳)。若い頃からずっと共和党を支持してきました。

「やる気のある男」

2年前の大統領選挙でトランプ氏を支持した理由は、「彼は”can-do man”(=やる気のある男)だと感じたから」。

ですが、その「やる気のある男」が中国と繰り広げる貿易戦争が、ギブスさんの経営に影を落とし始めています。中国がアメリカ産の大豆に報復関税を課したことで、中国向けの輸出が困難になり、大豆の価格が下落。このままでは収入が減ってしまうと危機感をつのらせるギブスさん。

「大統領の言うように、We’ll see!(=様子を見よう)としか言いようがないね」。
そう話すギブスさん。共和党支持は揺るがないものの、トランプ政権と自分との間に生じた溝を感じているようでした。

「やる気のある男」

ところで、アメリカに出張に来てから、食べ物の大きさに驚いていますが、ギブスさんに乗せてもらったコンバインも、大人2人が乗って余裕があるほどのアメリカン・サイズでした!
(国際部記者 青木緑)

10月20日 22時46分

“チェンジ”は起きたけど

西河篤俊

「チェンジを期待したんですがね」。

ペンシルベニア州東部ヘイズルトンの近郊で理髪店を営むピーター・サルトリオさん(64)はこう話します。

2年前にトランプ大統領に票を投じたのは、政治家たちが内向きの駆け引きを繰り返しているのに嫌気がさし、政治家出身ではないトランプ氏なら、「何かを変えてくれるのでは」と期待したからだと言います。

親の代から60年以上、地元の人々に親しまれてきた店。
店にはお年寄りから幼い子どもまで幅広い世代の人たちが次々と訪れ、髪を切るためではなく、ピーターさんと世間話をするためだけに来ている客もいました。

客の話には口をはさまず、じっくり耳を傾けるピーターさん。
この2年、一番盛り上がるのがトランプ大統領の話題だそうです。
客の間では、「景気は良くなっている」と経済政策を評価する声が多いそうです。

一方で、ピーターさんはこう言います。
「反対の意見を聞こうともせず、相手側を否定する。人々の間に怒りや憎しみが増している。たしかに“チェンジ”は起きましたが、私が期待したものではないです」と。

中間選挙、どうするのか聞くとこんな答えが返ってきました。

「わかりません。決めかねています。共和党、民主党、いずれが勝っても、いがみあっている状況は変わらないでしょうし」。

「トランプ」と「反トランプ」で分断が深まっているアメリカ社会。そのどちらにも共感できず、戸惑うピーターさんのような人は実は少なくないと今回のラストベルトでの取材で感じました。

10月20日 3時25分

ベビー・トランプ風船@LA

飯田香織

ロサンゼルスにオムツ姿の“ベビー・トランプ”の巨大風船がやってきました!
ぺったんこの状態から1時間以上かけてヘリウムを入れていくと、むくむくと起き上がり、怒りの表情とスマホを握りしめた手がパンパンに。高さ6メートルの風船は、近くの高速道路からもよく見える位置に設置されました。

コミコン(コミック・コンベンション)ならぬ、ポリティコン(政治コンペンション)のアトラクション。共和党系と民主党系の有名な政治評論家が一堂に会して意見を戦わせるお祭りが週末開かれます。

「風船は大統領や支持者に失礼では?」と主催者に聞いたら、「単なる風船だよ。中間選挙の前に政治に関する議論が活発になればいいではないか」ですって。
(ロサンゼルス支局長 飯田香織)

10月20日 0時20分

映画になった2人

神津全孝

テキサス州の映画館では、ある映画が上映されました。
タイトルは「Run like the devil」(悪魔のように駆け抜けろ)。
主人公は、共和党候補テッド・クルーズ氏と民主党候補ベト・オルーク氏。

そう、私たちが密着取材しているテキサス州上院議員選挙の選挙戦を描いたドキュメンタリー映画なんです。この映画、アメリカ政治の中心地、首都ワシントンでも上映されました。地方選挙が映画にまでなるのは極めて異例で、選挙戦は、全米からの高い関心を集めていることの証しです。

ちなみにまじめな選挙映画でも、会場はポップコーンにたっぷりかかったバターのにおいでいっぱいでした。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月19日 7時15分

「白人だけでは生き残れない」

西河篤俊

「もうトランプ大統領には投票しない。」
ペンシルベニア州ヘイズルトンで車の販売店を経営する、ジェイ・キルヒーニーさん(54歳)は言います。

今年初めと比べ、売り上げは60%増。取材中も客足は途絶えることなく、キルヒーニーさんの携帯はひっきりなしに鳴っていて、商売繁盛といった感じでした。
かつて炭鉱で栄えたこの町は、白人の人口流出が進み、衰退しました。代わってヒスパニック系住民が多く流入したことで消費が増え、町はにぎわいを取り戻しつつあるのです。ヒスパニックの客は、今や全体の4分の1。それに対応するため、スペイン語を話す移民の従業員を増やしました。働きぶりも勤勉で、満足していると話します。

白人だけでは生き残れない

共和党を支持し、おととしの大統領選挙ではトランプ大統領に票を投じたキルヒーニーさん。しかし、移民に厳しい政策にはついていけないと失望していました。
「もはや少数派になってしまった白人だけを相手にしていたのでは、私のようなビジネスをしている者は生き残れない。もうトランプ大統領には投票しない」。

白人とヒスパニックの分断ばかりが注目されるヘイズルトンですが、違った一面を見た感じがしました。
(ワシントン支局記者 西河篤俊)

10月19日 4時15分

ドナルド支持者どうしでデート?!

栗原岳史

ドナルド・トランプ大統領の支持者のためのデートアプリが登場!
その名も、ドナルドとデートをかけて「DONALDATERS(ドナルデーターズ)」。

同性パートナーや、特別な趣味がある人どうしをつなげるものなど、ニーズに応じて様々なサービスがありますが、トランプ大統領支持者をつなげるアプリまで登場するとは…。
そしてタグラインは「Make America Date Again(またアメリカでデートをしよう)」。

こういう専用アプリが登場するほどトランプ支持者は肩身が狭い思いをしているのでしょうか。
(ワシントン支局記者 栗原岳史)

10月18日 9時30分

アプリで友達の輪を

民主党候補の陣営や大学生の間で、投票を呼びかけるスマートフォンのあるアプリが駆使されていると聞き、東部マサチューセッツ州ボストンにいるアプリの開発者を訪ねた。
ハーバード大学出身のITエンジニア、ナシーム・マキヤさん。

開発したのは「OUTVOTE」というアプリ。ダウンロードすると、「友達にテキスト」「友達のフェイスブックにメッセージする」「選挙のお知らせをする」の3通りの選択肢が表示される。いずれかをクリックすると、友人の連絡先リストが出てきて、そのうち1人をクリックすると、なんと過去の選挙の投票履歴がずらりと出てくる。これをもとに、投票していない知人には、有権者登録を呼びかけ、投票している知人には、このアプリを使って協力して、とテキストメッセージでお願いする仕組みだ。有権者登録している人の情報は公開されているため、それを利用したというマキヤさん。「トランプ政権の誕生で政治への関心が高まったが、若者の投票率は低い。技術が選挙に貢献できないか考えた」とアプリ開発の動機を語る。アメリカの選挙にITがどんどん入り込む一端をかいま見た気がした。
(アメリカ総局記者 佐藤文隆)

10月18日 8時30分

第2のオカシオコルテス?

真ん中で犬を抱えているのが、北西部ワシントン州シアトルで下院議員をめざす女性候補サラ・スミス氏です。ミレニアル世代の30歳。
政治経験はまったくありませんが、「国民皆保険」「教育無償化」などを訴えて予備選挙を勝ち抜き、いまベテラン現職議員に挑んでいます。
ニューヨークで有力議員を打ち破って全米の注目を浴びた女性候補になぞらえて、「第2のオカシオコルテスになるか」と関心を集めています。

詳しくは、特派員コラム「河野憲治がトランプのアメリカを行く」をご覧ください。
(アメリカ総局長 河野憲治)

10月18日 8時23分

「あなたはなぜ、ここに?」

神津全孝

テキサス州の地元テレビ局で開催された共和党候補と民主党候補の公開討論会。写真は、記者たちが待機するメディアルームの様子です。討論会が終わったら、候補者たちに話を聞こうと、待ち構えています。

実は、会場に到着してすぐ、討論会を主催したテレビ局の女性記者に取材を受けました。
「日本メディアが取材に来るって聞いて到着を待ってたの!なぜ、外国メディアが注目するのかニュースにしたいの!どうして日本のメディアが、この討論会取材するの?トランプは日本でも関心高いの?」
確かに、日本の地方選挙で外国メディアが密着取材していたら目立ちますよね。と思いながら、取材に応じました。

ちなみに私は話を聞かれただけで、カメラでのインタビューを受けたのは別の国(おそらくスウェーデン?)のメディアでした。
私は”落選”、答えがいまいちだったようです。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月18日 7時00分

喫茶店でも選挙運動

東部マサチューセッツ州の州都ボストン。ハーバード大学など有名大学が集まり、ニューヨークと並ぶ民主党の地盤です。大学地区の一角で立ち寄ったカフェ。
レジの横には机が置かれ、アルバイトの店員が座っています。机には「Free Voter Registration」と書かれたポスターが。
実は、ここで客が中間選挙の有権者登録するのを手伝っているのです。登録を済ませると、コーヒーの無料券がもらえます! 

喫茶店でも選挙運動

店によりますと、選挙が近づくと店内で投票を促すことは珍しくないそうで、このカフェでは、5日間で、100人あまりが登録手続きをしたそうです。
でも民主党が強い地域で、そこまで必要なの?という疑問が。有権者登録をしていた店員に聞くと、「アメリカは、いま変化の時にあり、今回の選挙は特に重要です。1人でも多く政治に関わってほしいのです」という答えが返ってきました。

主義主張はどうあれ、アメリカの人々の選挙への関わりのすそ野は広いなあ…と、店で買ったコーヒーを飲みながら、あらためて感じました。
(アメリカ総局記者 佐藤文隆)

10月17日 8時20分

移民強硬派の上院候補に直撃!

西河篤俊

共和党のルー・バレッタ氏。いまはペンシルベニア州選出の下院議員ですが、上院にくら替えし、民主党の現職の議席を狙っています。
実はこのバレッタ氏、白人の人口比率が大幅に減った町ヘイズルトンで市長を10年つとめていたことがあります。市長時代、不法移民に家を貸した家主に罰金を科す条例の制定を目指し、その強硬な姿勢は全米で物議を醸しました。

選挙集会の会場に入るバレッタ氏に話を聞こうと、会場の外で待っていると、周りにいた支持者からは「わざと人がいないところを撮影して候補者に人気がないとフェイクニュースを流すつもりじゃないだろうな」という声も。メディア不信の高さにアウェー感も漂います。そこに選挙キャンペーン用の大型バスからバレッタ氏が姿を見せました。

マイクを向け、移民政策について質問をぶつけると、「不法移民は安全保障上も問題だし、アメリカ国民の雇用の機会を奪っている」というトランプ大統領と同じ主張を展開。周りでインタビューを聞いていた支持者からは歓声があがっていました。
トランプ大統領や、「ミニトランプ」と呼ばれる候補は、こうして白人の不満や危機感に訴えているのだと感じました。
(ワシントン支局記者 西河篤俊)

10月16日 1時00分

移民の子

テキサス州の共和党候補 テッド・クルーズ氏。
選挙戦では、トランプ大統領同様に国境の壁の建設を訴え、不法移民の強制送還を支持します。
そんなクルーズ氏は、父親がキューバから渡ってきた移民2世。
選挙集会では、父親がアメリカにたどり着いたときには英語も一切話せず、
皿洗いとして懸命に働いたというエピソードを披露します。
クルーズ氏の話を聞くと、国境の街で取材した不法移民の子どもの話を思い出します。
「クルーズだって移民の子。おれたちと同じじゃないか」。
彼らの声を、クルーズ氏はどう受け止めるのでしょうか。

(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月15日 7時00分

銃のない幸せ

神津全孝

テキサス州民主党候補の選挙集会で出会った、サラさんと夫のルークさん。
熱く語っていた争点の一つは、銃規制問題。
テキサス州は銃賛成派が多く、一方で、乱射事件が相次いでいます。
「子どもが学校に行ってる間も心配しないといけないなんてもううんざり」。
そう話していたサラさんから尋ねられたのが、
「日本って、銃を持っている人がいないって本当?」
「警察官以外に見たことがない」というと、
「本当に素敵な国。夫とは、いつか日本に移住したいと話しているんです」。

銃がないことが当たり前の社会に住むことは、幸せなことだと改めて感じました。
ちなみに夫のルークさんは、大の相撲好きで白鵬ファン。
それも移住したい理由だとのことです。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月14日 7時00分

怒れる教師たち

神津全孝

テキサス州から上院議員を目指し、注目を集める民主党のベト・オルーク候補が選挙集会で必ず披露する話があります。
「レストランに行った時、従業員の女性は学校の教師だった。女性は、『給料が安すぎて、アルバイトをしないと自分の家族を養えない』と言った。子どもを支える教師という職業がないがしろにされている」
アメリカでは、教師の低賃金が社会問題となっていて、各地で大規模な抗議デモが起きています。今回の中間選挙では、この「怒れる教師たち」の動向も注目されています。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月13日 18時30分

「貿易戦争」反対だが

ペンシルベニアで開かれた集会に集まった企業経営者や農業団体の代表たち。トランプ政権の貿易政策で影響を受けていると口々に訴えました。ただ、高関税をかけあう「貿易戦争」には反対でも、不公正な貿易を正すために自分たちも痛みに耐える、などとトランプ政権の政策に理解を示す意見も。トランプ大統領の根強い支持の背景を垣間見た気がします。
(ワシントン支局記者 石井勇作)

10月13日 14時14分

ミニトランプの素顔

上院選にバージニア州から立候補している共和党のコーリー・スチュワート候補。不法移民の排斥や国境の壁の建設など主張がトランプ大統領そっくり。いわゆる「ミニトランプ」候補の1人で「差別主義者」などと批判もされています。
話してみると普通の良いおじさんという印象。実は日本で語学学校の講師をしていたこともある日本びいき。奥さんとの出会いも東京だったそうです。
(ワシントン支局記者 石井勇作)

10月13日 14時13分

「ミニ」トランプ支持者たち

ミニトランプとも言われるスチュワート候補の集会に集まった支持者たち。この日の参加者は、ほぼ白人でした。トランプ氏の支持者もそうですが、こうした「トランプ的なもの」を支持する人たち、極端な主義主張を持つ人たちというよりは、素朴な良い人たちが多いという印象をいつも持ちます。
(ワシントン支局記者 石井勇作)

10月13日 8時20分

学生パワーは民主党を救うか?!

全米各地の大学でも、中間選挙に向けた動きが活発だ。
18~29歳の若い世代の投票率が極端に低い中間選挙。若者はリベラル志向が多いと言われるが、投票に行ってもらわないと始まらないと、民主党があてにするのが大学生だ。接戦を見込む全米20の選挙区で、中核となる大学に「民主党支部」を設置。その1つが、共和党が強い中西部ネブラスカ州のネブラスカ大学だ。
リーダーの大学生がキャンパス内にブースを設けて有権者登録を呼びかけていたが、驚いたのはブースに立ち寄る学生の多いこと。話を聞くと、政治と自分たちの将来に対する不安の声が返ってきた。彼らは、選挙活動に加わるボランティア学生を集めたり、候補者陣営と共同で電話作戦や戸別訪問に加わっている。
この選挙区では、教育や医療の充実を目指す民主党のイーストマン候補が、共和党で2期目を目指すベーコン候補を追い上げている。
大学生の力がどこまで選挙戦を左右するのか、各地で目を凝らしてみたい。
(アメリカ総局記者 佐藤文隆)

10月13日 8時15分

くさったトマト

西河篤俊

リカルド・サントスさん、47歳。
ペンシルベニア州で、「メキシコ料理はサイコーですよ」とトランプ大統領を皮肉る看板を掲げているフードトラックの店主です。メキシコからアメリカに来たのは30年前。当時、17歳で、英語は全くしゃべれなかったそうです。

ニューヨークのハーレムに住みながら昼夜を問わず必死に働きました。学校には通わず、今では流ちょうな英語は「生きるために」独学で勉強したと言います。そして、家賃や物価の高さ、都会の息苦しさから抜け出したいと、200キロ離れたこの町にやってきたそうです。

トランプ政権の移民政策についてどう思うか聞くと、こんなたとえ話をしてくれました。
「俺はスーパーでサルサ用のトマトを箱ごと買う。その中に1つだけくさったトマトがあっても、その箱を買うのをやめることはない。くさったトマトだけ捨てればいいんだ。ほとんどはいいトマトなんだから。」
犯罪などを起こす一部の不法移民がいるからといって、移民全体を排斥する風潮はやめてほしいという思いからだそうです。

リカルドさん自家製のサルサは少し辛めですが、どんな料理にも合う絶品でした。
(ワシントン支局記者 西河篤俊)

10月12日 11時30分

「トランプ人間?」

飯田香織

接戦が続いているアイオワ州の下院・第3区で行われたテレビ討論会。
現職の男性(共和党)に挑むのは、中小企業を経営する女性(民主党)。今週、トランプ大統領も応援に駆けつけたのですが、討論会で現職が困った顔をしたのは、Are you a Trump person?=あなたはトランプ人間か?という質問。「アイオワ第3区の人間だ」と切り抜けました。

「トランプ人間?」

会場の内外でいろんな女性と話しました。「トランプ大統領の女性への接し方にはあまりにひどい!」とみんな怒っていました。。そして、民主党支持者は「それに医療保険も不十分」とたたみかけてきます。一方、共和党支持者は「でも景気がよい。それが重要」と切り返してきます。
さて、株価の急落はどう影響するかしら。
(ロサンゼルス支局長 飯田香織)

10月12日 8時58分

トランプに反旗翻す元軍人

背中のタトゥーを見せているのは、ウェストバージニア州で下院選挙に立候補している元軍人のリチャード・オジェダ氏です。
自分が派遣されたイラクやアフガニスタンの地図の上に、戦死した仲間の名前を彫り込んでいます。
「彼らの犠牲に報いるアメリカにしたい」というのが決まり文句です。

オジェダ氏は、大統領選挙では、地元の石炭産業の復活を約束したトランプ氏を支持しました。しかし「たいした成果をあげていない。同盟国をないがしろにする外交はおかしい」と、トランプ大統領に反旗を翻して、民主党から立候補しました。

あだ名は「タトゥーをいれたジョン・F・ケネディ」

さて、その戦いぶりは?詳しくは、特派員コラム「河野憲治がトランプのアメリカを行く」をご覧ください。
(アメリカ総局長 河野憲治)

10月11日 6時00分

「壁」には「穴」を

神津全孝

アメリカとメキシコの間に横たわる”壁”。
国境の街では日常の風景です。

壁の撮影のために、街を歩いていたときのこと。公園にいたサッカー・メキシコ代表のユニフォームを着ていた男性から、「壁の撮影だろ?あっちに行けばあるよ」と教えられました。「ありがとう」と応えたところ、「どんな高い壁を作っても、今度は穴を掘るだけだからな」と笑顔で返されました。

男性が不法移民かはわかりません。
しかし、多くの予算と犠牲を払ってまでトランプ大統領が成し遂げたい壁の建設は、実は、思ったよりも効果はないのかもしれません。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月11日 5時25分

「トランプさん、メキシコ料理はサイコーですよ!」

西河篤俊

「メキシコ料理はサイコーですよ。トランプさん、それでも壁を作りたいんですか」と書かれた看板。
ヒスパニック系の移民が多く流入し、白人の割合を上回った町、ペンシルベニア州ヘイズルトンで見かけました。看板の前にはメキシコ料理のフードトラックがあり、アメリカ国旗とメキシコ国旗が並んでいます。1か月前にオープンしたばかりで、タコスやケサディヤといった定番料理をリーズブルな値段で提供しています。

古くからこの町に住む白人とヒスパニック系移民との間であつれきも伝えられるこの町ですが、次々と訪れる客の人種はさまざまです。
メキシコ出身の店主の男性に、看板の理由を聞くと、「移民も、人々の食欲も、止めることはできないというトランプ大統領への皮肉さ」と話していました。

食に国境はないようです。
(ワシントン支局記者 西河篤俊)

10月10日 5時10分

忘れていた1票の力

神津全孝

ベロニカさんと夫と息子。
住民の8割をヒスパニック系住民が占める国境のまち・テキサス州エルパソで暮らしています。
偶然、取材で出会った仲むつまじい家族です。

ベロニカさんの夫はアメリカ国籍がなく、犯罪を犯せば強制送還の恐れがあるとのこと。
トランプ大統領の政策に危機感を抱き、今回の中間選挙で、人生で初めて投票に行くと話していました。

「家族を守るために、投票に行く」。

日本で、私はそこまで強い思いを抱いて投票をしたことはありません。
投票し、政治に参加することの意義をあらためて考えさせられました。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月10日 3時35分

ナディアさんのISとの“戦い”

西河篤俊

ホワイトハウスの近くで行われた記者会見場に姿を見せた女性。ことしのノーベル平和賞の受賞が決まったナディア・ムラドさんです。
イラクの少数派のヤジディ教徒で過激派組織ISに母親や兄弟を殺害され、みずからも繰り返し性的暴力を受けたというナディアさん。紛争下の性暴力を根絶したいという目標は、「1つの賞や1人の人間ではその目標は達成できない」と淡々と話しました。そして、今もヤジディ教徒の多くの女性や子どもなどがISに拘束されていると静かに訴え、国際社会に協力を求めました。会見中、一度も笑顔を見せることのなかったナディアさんですが、小柄な体格とはうらはらに、ことばに力強さを感じました。

トランプ大統領は今月、声明で「イラクとシリアでISを滅ぼした」と強調。2年前、ISの掃討を政権の最優先課題の1つとして掲げ、中間選挙を前に成果をアピールしたかったのだと思います。ワシントンで当局者、メディア関係者、専門家に話を聞いていると、「ISとの戦いは終わった」という受け止めが広がっているように感じます。
それとは異なる現実があることを、ナディアさんのひと言ひと言は私たちに突きつけていました。
(ワシントン支局記者 西河篤俊)

10月10日 2時10分

共和党は多くの成果を収めた!

油井秀樹

中間選挙まで1か月を切り、議会下院で与党・共和党トップのライアン議長が記者会見。
下院の選挙では、野党・民主党に多数派を奪われる可能性が伝えられていますが、「共和党は多くの成果を収めた」とアピール。失業率の低下、減税の実施、軍の増強などをあげ、自賛しました。
今回の選挙には立候補しないとすでに表明しているライアン議長。
この日も「引退して家族と過ごしたい」と説明する一方、政治の表舞台に復帰する可能性は否定しませんでした。一部の専門家からは「負け戦の責任を取りたくないのでは」「次の大統領の座を狙うのでは」という憶測も。
(ワシントン支局長 油井秀樹)

10月09日 10時25分

「英雄」か「悪魔」か

神津全孝

アメリカでは、10月8日はコロンブスデー。
探検家コロンブスがアメリカ大陸を発見した日とされ、祝日になっています。

テキサス州にある選挙事務所でのこと。
8日は誰も事務所に来ないかも知れないと思い、選挙スタッフの男性に尋ねたところ、
「俺は休みじゃないよ。あんなやつ、レイプ犯で虐殺者じゃないか」。
聞いてみると、男性の先祖は先住民とのこと。
アメリカでは、コロンブスの「発見」を再評価し、
「コロンブスデー」を「先住民の日」などと名称を変える動きが広がっています。
祝日ひとつ取っても、アメリカの多様性を感じます。

10月08日 7時35分

移民社会に広がる『分断』

神津全孝

共和党の選挙集会で、ひときわ大きなサインを掲げていた女性がいました。
「Latinos(ラティーノ)for Trump」
ラティーノ(ラテン系住民) = 民主党支持者 だと思っていた私にとっては不思議なサインでした。

ビアンカさん。主張はまっすぐで「ラティーノの失業率は過去最低レベル。好調な経済はトランプ大統領のおかげ」とのこと。
私にはひとつ、気になる点がありました。
「じゃあ、壁はいいの?」
「大賛成。私たちは合法移民で、非合法の移民たちはずるをしている」。
彼女が組織する「Latinos For Trump」は参加者が増え、各地で支部が立ち上がっているとのことでした。
(ロサンゼルス支局記者 神津全孝)

10月08日 6時00分

トランプホテルに潜入!

首都ワシントンにある「トランプホテル」。
トランプ政権がメディアと対立する中、このホテルでの取材も容易ではありませんが、今回潜入してきました!きらびやかな大広間で行われていたのはトランプ政権を支持する女性たちの集い。サンダース報道官や共和党の幹部が相次いで講演し、中間選挙に向けて結束を強めていました。
過去最多の女性が立候補し、「ピンクウェーブ」と呼ばれるうねりが巻き起こっている今回の選挙。共和党の女性たちも決戦モードです。
(ワシントン支局チーフプロデューサー 新井雅樹)

10月07日 7時43分

左手に注目

神津全孝

ドナルド・トランプ・Jr.氏
トランプ大統領の長男で、候補者の応援のため、共和党の選挙集会に参加しました。

演説は、まさに独壇場。オバマ前大統領をこきおろし、民主党候補を一刀両断。
もちろん決めぜりふは、「Make America Great Again!(アメリカを再び偉大に)」。
舌鋒鋭い口調は、目をつぶれば、トランプ大統領が目の前にいるかのようでした。

そして目に付いたが、演説中の彼の指。
親指と人差し指で丸を作る「OKサイン」の仕草も、まさにトランプ大統領そっくりです。
わざと父親をまねているのか、それともトランプ家のDNAがそうさせるのか、真相は不明です。

10月07日 3時10分

アメリカの近未来の姿?!

西河篤俊

スペイン語の看板の数々や人口のマジョリティを占めるヒスパニック系住民。
まるでメキシコにいるような感覚になるこの町はペンシルベニア州ヘイズルトンです。
メキシコとの国境からは、実に2500キロ以上離れています。この町では白人の割合が2000年の95%から44%に激減。
地方の安価な住宅などを求めて、都市部からヒスパニック系の移民が大量に流入したのがその理由です。

2045年には白人は全米で過半数を下回り、マイノリティーになるという予測もあります。
不法移民への厳しい取り締まりをアピールするトランプ大統領。
白人の危機感に訴えながら、中間選挙に向けた支持を取り込もうとしているのだと思います。

10月06日 6時10分

「お前も偽物?」

神津全孝

共和党の選挙集会に参加した日。カメラマンと候補者を待っていたところ、突然、近くにいた白人男性から、「お前もフェイクニュースか?」と言葉をかけられました。
思わず聞き返し、さらに同じことを言われたので「日本のメディアだ」と返すと、「ならいいか」と興味を失ったかのようでした。
実は、その後、地元記者たちといるときにも、別の男性が「よ、フェイクニュースたちよ」と吐き捨てて、立ち去りました。あまりの言われように戸惑いましたが、隣にいたABCテレビの男性記者は何もなかったかのよう。
「いまの聞いた?こういうのはよくあるの?」と尋ねると
「まぁ、たまにね。仕方ない。トランプが大統領になるまでは一度もなかったんだけどね」と寂しそうでした。

トランプ政権 vs メディア…

トランプ大統領が唱える「フェイクニュース」は、幅広い人々にまで浸透しています。
この悲しい対立はいつ終わるのか、アメリカに駐在する記者として、大きな不安を感じました。

10月05日 12時20分

女性の告発で揺れるアメリカ

油井秀樹

ワシントンの連邦最高裁判所の前で行われた抗議集会。最高裁判所の判事にトランプ大統領が指名した保守派のカバノー氏への抗議です。
カバノー氏から過去に性的暴行を受けたと告発する女性が議会で証言してから、アメリカのニュースはこの話題ほぼ一色。指名を承認するかどうか、与野党の対立が深まっています。
「共和党が承認すれば、11月の中間選挙で共和党にノーを突きつける!」
集会では女性たちがそう訴えていました。
(ワシントン支局 油井秀樹支局長)

10月05日 8時05分

世論調査よりも当たる!?

栗原岳史

ホワイトハウス近くにある老舗の土産物店では、政権発足から2年目になっても、ベストセラー商品はやはりこの帽子だそうです。
何代にもわたって大統領を見てきたという店主は、グッズの売れ行きで、次の大統領選挙の結果を予測できるのだとか。「世論調査よりも当たる!」と豪語していました。

ズバリ、2020年の大統領選挙の店主の予想は?
「トランプ大統領は再選される」ということですが、果たしてどうなることやら。。。
(ワシントン支局 栗原岳史記者)

10月05日 8時00分

大統領からのメッセージ

栗原岳史

昼下がりに突然、鳴り響く警報音。音源は、みんなのポケットに入っているスマートフォンでした。
「大統領警報(Presidential Alert)」という新たなシステムのテスト配信が行われ、当局からのプッシュ通知が全米の携帯電話に一斉に送られました。

「ツイッター好きのトランプ大統領が新たなおもちゃを手に入れた」とも揶揄されていますが、メッセージを配信している当局は、「気象災害などの緊急事態のときに利用するシステム」だと説明しています。
ちなみに、通知が来ないように「オフ」には設定できません。

ニューヨーク州では「政府が、所有者の同意なく私有物(=携帯電話)を操る行為は憲法違反だ」として、トランプ大統領を相手取り、裁判が起こされました。
(ワシントン支局 栗原岳史記者)

10月05日 7時50分

オバマからトランプに心変わりした女性

西河篤俊

車でペンシルベニア州内を走っているとトランプ大統領を支持する看板を庭先に掲げている家がいくつもある地区がありました。
その地区に住む、リチャードさん(73)とアイリーンさん(71)夫妻。仕事を退職し、農業などで生計を立てている2人。近所に捨てられていた猫たちと一緒に暮らしています。

アイリーンさんは、以前はオバマ前大統領の選挙キャンペーンにボランティアとして参加していたほどの熱心な民主党支持者でした。
しかし、2年前の大統領選挙では、ヒラリー・クリントン氏がお高くとまっていると感じて気に入らず、トランプ氏に投票したと言います。

2年経ち、トランプ大統領の移民に対する厳しい姿勢や好調な経済を見ていると、自分の選択は結果的に正しかったという思いを強めているそうです。

トランプ大統領の不倫疑惑など女性スキャンダルについてどう思うか尋ねたところ、「自分の旦那ならともかく、大統領としてやるべき仕事をちゃんとやってくれれば、関係ないわよ」と話していました。

トランプ支持者に話を聞いていると、こういう考え方の女性、結構多い印象です。
(ワシントン支局 西河篤俊記者)

10月05日 7時45分

トランプ氏を最も苦しめた男が待つ「15秒」

神津全孝

テッド・クルーズ氏の選挙集会がテキサス州で開かれました。
クルーズ氏は、2016年の大統領選挙・共和党の指名争いの初戦でトランプ氏を下して勝利。次々と有力候補が脱落していく中、最終盤までトランプ氏と戦い続け、その名を全米にとどろかせました。今回の中間選挙では、上院議員の席を巡って「オバマの再来」と呼ばれる民主党ベト・オルーク氏と激しい戦いを演じています。

地元の大学の専門家が「討論会チャンピオン」と表現するクルーズ氏の特徴は「演説のうまさ」。支援者に優しく話しかけ、時にものまねで笑いを誘ったかと思うと、突然、叫び、怒りへの共感を求める。クルーズ氏は、決めぜりふのあと、支持者たちが立ち上がって歓声を上げると、笑顔で静まるのを待ちます。

その時間、「15秒」。
この絶妙の間が、支援者のエネルギーを気持ちよく発散させ、心を引きつける秘訣かも知れません。
(ロサンゼルス支局 神津全孝記者)

10月04日 11時50分

ローラー作戦はアプリで

飯田香織

わたくし、10年ぶりにアメリカで選挙の取材をしていますが、技術革新にびっくり。
戸別訪問のローラー作戦と言えば、ボランティアが公園に集まって、資料を紙で渡され、班ごとに分かれてピンポンを押すものと思っていたら、今はアプリを活用しています。

カリフォルニアでは候補者がPDIという会社から個人データを購入します。ボランティアは、そのアプリをダウンロードし、事務所から地区を割り振られます。
何回か取材に行った事務所では、スタッフが紙芝居のようにして毎回、ボランティアに説明していました。地図にある家の絵をポチッと押すと住人の名前と年齢、どの政党を支持しているかなどの情報が画面に表示されます。それを確認してポンポン。
便利ですが、有権者としてはちょっと複雑です。

10月04日 10時50分

電話作戦

有権者の名簿を手に、電話をかけて投票を呼びかける…。アメリカの選挙でよく行われる「フォンバンク」と呼ばれる電話作戦です。

取材したフロリダ州下院18選挙区の民主党候補の事務所を訪れると、トランプ政権に危機感を抱くLGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちがボランティアで電話をしていました。
話を聞いてくれる有権者は6~7人に1人ほどで、冷たく電話を切られてしまうこともあるそうです。それでもLGBTの人たちは「私たちの声を届けてくれる候補を応援できるなら、こんな嬉しいことはない」と満面の笑み。
今回の選挙にかける人々の熱意を感じました。
(ワシントン支局・太田佑介記者)

10月04日 5時00分

ハロウィーン仮装にトランプ人気?

トランプ大統領をイメージしたマスクやかつら。
ニューヨーク・マンハッタンにあるハロウィーン専門店では、仮装用にトランプ大統領にちなんだグッズが売られています。2年前の大統領選挙前にも売られていましたが、この店では、中間選挙を前にした今の方が売れているそうです。
店主は「トランプ氏が大統領になって、良くも悪くも話題になることが多くなったため、政治的立場に関係なく、話題作りに買うお客さんが多いのではないか」と分析していました。
(アメリカ総局・依田武揚カメラマン)

10月03日 10時25分

「赤い巣」にいる「青い鳥」

神津全孝

「共和党の牙城」と呼ばれるテキサス州で、民主党が勢いを増しています。民主党のカラー「青」にちなんで、Blue Wave(青い波)として、全米から注目されています。

写真は、テキサス州の民主党地域事務所の責任者、シンシアさん。彼女は自分たちのことを「赤い巣」にいる「青い鳥」と表現していました。つまり、強固な共和党(カラーが赤)の地域で奮闘する小さな存在にすぎないということ。しかし、最近は「紫の巣」に変わってきていると、手応えを感じているとのことでした。

さらに印象的だったのが、「『Blue Wave』という言葉は好きじゃない。『Blue Work』と呼んで欲しい」とのこと。真意を尋ねると、「波のように自然発生している勢いじゃない。われわれが、社会を変えるために一生懸命働いて青く染めているのよ」。

元校長先生のシンシアさんは、事務所の責任者ながら、無給。こういう熱意を持った人が選挙運動を支えています。

10月03日 9時43分

四丁目酒場の店主

西河篤俊

「4th STREET PUB」という店。日本語で言うと、「四丁目酒場」でしょうか。

酒場があるのは、ペンシルベニア州東部ヘイズルトン。人口2万5千のこの町で迎えた最初の夜、情報収集と腹ごしらえを兼ねて、中心部から離れた地元のパブに向かいました。新宿の思い出横丁や京成立石周辺の飲み屋をこよなく愛する私としては、なんだか懐かしい感じがして吸い寄せられます。

「ハナキン」ということもあって店内はほぼ満席。ドアを開けると、白人の労働者風の少しこわもてのお客さん方の視線が一斉に私たちに向けられます。
明らかに浮いているいちげんさんを店主のマーティーさんは温かく招き入れてくれました。

27年前からこの町に住み、15年前にこの店をオープンさせたというマーティーさん。好調な景気に支えられ、店の経営は順調で、特にここ1年半で売り上げが30%も伸びたといいます。2年前の大統領選挙で、誰に投票したか聞くと、トランプ氏とあっさり教えてくれました。
「弁護士や議員はイヤだった。ビジネスを知っている人に大統領になってほしかった。実際にトランプが減税をやってくれたおかげで従業員の時給を2ドルほど増やしてやれた。トランプさまさまだ」と笑みがこぼれていました。

四丁目酒場の店主

「中間選挙は共和党の候補者。2年後の大統領選は間違いなくトランプに投票する」と即答したマーティーさん。

ロシア疑惑や最高裁判事に指名されたカバナー氏の性的暴行の疑惑についてどう思うか尋ねましたが、「民主党やメディアがトランプの邪魔をしようと騒いでいるだけなので気にしない」と言います。
店内のテレビでは、保守系の「FOXニュース」がずっと流れていました。

ペンシルベニアで取材した内容については、4日(木)の夜9時から、総合テレビ「ニュースウオッチ9」と、夜10時からBS1「国際報道2018」でお伝えする予定です。

10月02日 14時55分

“忘れられた人々”はいま

西河篤俊

写真は、ビリー・ジョエルの名曲、「アレンタウン」でも歌われたペンシルベニア州・ベスレヘムにある製鉄所の跡地です。

国連総会の取材を終えた翌日、東部ペンシルベニア州に入りました。かつて鉄鋼業などの重工業が栄え、その後、衰退した町が多くある地域いわゆる、ラストベルト(rust belt =錆びた帯)の一角です。ここに住む白人労働者などがおととしの大統領選挙でのトランプ氏の勝利を後押ししたと言われています。トランプ大統領は、こうした人たちを「忘れられた人々」と呼んで、「2度と忘れられることがないようにする」と訴えコアな支持層としていきました。

熱狂の大統領選から2年、そこに暮らす人たちはいま何を思うのか、このブログに書いていきたいと思います。

10月01日 14時35分

青波がトランプ大統領を飲み込む? ~台頭するプログレッシブ~

特集

トランプ大統領の審判となるアメリカの中間選挙まで1か月。野党・民主党が連邦議会の上院、下院で多数派を奪還できるかどうかが最大の焦点です。その民主党の中で、存在感を増しているのが「プログレッシブ=進歩派」と呼ばれる左派の勢力です。都市部の若者たちを中心に支持を広げていて台風の目となるのか注目されています。

10月01日 3時20分

「オバマの再来」と呼ばれる男

神津全孝

ワイシャツにしみわたる汗をものともせず、手を挙げてさわやかに微笑むこの男性こそ、「オバマの再来」と呼ばれるテキサス州の上院議員選挙の民主党候補、ベト・オルーク氏。ちなみに、隣で肩を組む男性は、アメリカ・カントリーミュージックの重鎮、ウィリー・ネルソンさん(あの有名な「We are the World」にも参加しています)。
テキサス州で開かれたオルーク氏のイベントにネルソンさんが駆けつけ、会場は、ほとんど身動きがとれないほど、大勢の人たちで盛り上がりました。

ベト・オルーク氏

46歳の 現職の下院議員
細身の長身で爽やか
演説が上手
テキサス州の国境の街出身でスペイン語が流暢
元バンドマンでスケートボードも好き

アメリカメディアでは、無名だったオバマ前大統領が誕生したときの勢いに似ていると「オバマの再来」、「次の大統領選挙でトランプ大統領を倒して新大統領になり得る新星」とさえ書いているメディアもあります。取材班は、激戦となっているテキサス州、そしてこのオルーク氏に密着しています。

10月01日 1時00分

忍び寄る米中貿易戦争の影

泥沼化する米中貿易戦争。
アメリカ国民にとってこれまでは、まだ実感はなく、縁遠いものでした。
しかし9月24日に発動された第3弾の制裁措置は、中国からの2000億ドルの輸入品に10%の関税上乗せと、これまでで最大規模。しかも、対象は、電器製品や食料品など生活に身近な日用品まで広がり、中国からの輸入品の値上がりが心配されています。

メリーランド州の家電販売店の店主からは、「中国製品の仕入れ値が上がれば、利益が出ない」と嘆きの声。
また、イリノイ州の水産加工会社では、「値上がりで、中国産の白身魚の注文はなくなるだろう」と不安を募らせていました。

アメリカ国民の生活にも忍び寄る米中貿易戦争の影が、景気の先行き、そして中間選挙にも、どう影響するか、注目です。

09月30日 6時15分

「イランには持ち帰れない」

西河篤俊

「無法者の政権」と題された冊子。
ニューヨークで、ポンペイオ国務長官とボルトン大統領補佐官の演説が行われた会場に多く置かれていました。

製作したのはアメリカ国務省。最初のページには、トランプ大統領がイラン核合意からの離脱を発表した時の写真が大きく掲載されています。
50ページ近くにのぼる冊子では、イランが中東だけでなく、ヨーロッパ、アメリカ、アジアなど世界中のテロ活動に関与してきたと主張。イラン国内の人権問題や環境問題も強く批判しています。中間選挙を前に、国内の支持者を意識して、トランプ政権としてイランへの対決姿勢を強めていることがうかがえます。

取材を終えて、NHKのオフィスに戻ると、国連総会の取材のため、ニューヨーク出張中のテヘラン支局の薮英季支局長の姿が。薮支局長に冊子を見せると、「イランでこの冊子がみつかれば、当局を必要以上に刺激してしまうので、イランには持ち帰れません」と話していました。

09月30日 6時00分

「私、優秀です」

神津全孝

テキサス州の民主党候補たちが集まった討論会。
日本でも立候補者の討論会は何度も取材してきましたが、明確に違いを感じる場面がありました。

司会者:なぜ立候補しようと思ったんですか?
候補者たち:
「私は子どもの頃から優秀なリーダーだったんです。例えば…」
「私には、議員にならないという選択肢はないんです」
「なぜ議員になるか、ではなくて、議員になって何をやるかを考えています」

日本だったら「謙虚さがない!」と批判されそうな発言でも、
アメリカでは、いかに自分が優秀かを隠さず主張するのが有権者の心を掴む鍵のようです。

09月30日 0時30分

トランプ演説のその日、NYの高級ホテルでは…

西河篤俊

ニューヨークの高級ホテル。トランプ大統領の国連演説が行われた同じ日。「イランサミット2018」というイベントが行われていました。登壇したのは、トランプ政権の外交・安全保障の2枚看板、ポンペイオ国務長官とボルトン大統領補佐官。口にしたのは、イランへの厳しい非難でした。

ポンペイオ長官の講演中、イランへの厳しい姿勢に反対する女性らが「イランに平和を」などと声をあげて席を立ち、退席させられる場面も。これに対し、ポンペイオ長官は「イランでもこのように公然とイラン指導部に抗議できればいいのに」と皮肉っていました。

一方のボルトン補佐官が「残忍な政権が行動を改めない限り、深刻な結果に直面する」と強い口調で警告すると、会場からは大きな拍手があがっていました。

中間選挙を見すえ、トランプ政権はイランに対する厳しい態度をアピールしていくことになりそうです。

09月29日 15時06分

きょうだいは敵だらけ!悩める議員

油井秀樹

アリゾナ州で流れている選挙のテレビコマーシャルが大きな話題となっています。テレビCMに出演している男女6人は、いずれも現職の共和党ポール・ゴサ下院議員を批判。「ポールは、あなたたちのためには働かない」と相次いで呼びかけます。単なるネガティブキャンペーンかと思いきや・・・、CMの最後に「私はジェニファー・ゴサ」「私はデービッド・ゴサ」などと次から次へと名乗る6人。なんと、この6人は、ゴサ下院議員の弟と妹! 対立する民主党候補を応援するCMに出ているのです。
これに対して、ゴサ議員は・・・。
ツイッターに「6人のきょうだい達は、トランプ大統領を嫌っているリベラルな民主党員だ」と投稿。そして「6人の怒れるゴサ家の民主党員たちよ。パパとママの家で会おう!」と呼びかけました。
一方、85歳の母親は、この事態を知らず・・・。アメリカメディアの取材を受けてビックリ!! 「ショックで打ちひしがれた」と話し、批判されたゴサ議員をかばっていたということです。

09月29日 5時45分

税制改革2.0 ①

アメリカ議会下院の議場前です。この日、共和党が提出した、第2弾となる税制改革関連法案の採決が行われました。
トランプ大統領が歴史的な税制改革と胸を張った大規模な減税策。ところが各種世論調査では、「支持しない」が上回っています。「大企業や富裕層向けだ!」という批判が定着しているのです。これに危機感を募らせた与党・共和党。下院で、「税制改革2.0」と称して、個人の所得税減税を強化した法案を賛成多数で可決させました。ただ上院では可決の見通しがたたず、中間選挙向けのアピールにすぎないという指摘も。

09月29日 5時43分

税制改革2.0 ②

ちょっとコワモテのこの男性。その「税制改革2.0」をまとめた、共和党下院の重鎮、ブレイディ歳入委員長です。
NHKの単独取材に応じました。
「経済成長を持続させるとともに、アメリカの一般家庭のために、引き続き税の仕組みを改善していく!!」と目を見開きながら、力強く法案をアピール。
苦戦が伝えられる共和党の戦略は吉と出るか、有権者の審判はいかに?

09月29日 5時30分

1万人の女子高生パワー

飯田香織

中間選挙を前に、ロサンゼルスで投票を呼び掛けるイベントが行われました。参加したのは、公立高校の女子1万人!司会者の音頭で「中間選挙で投票する!」と声をそろえると、会場の体育館が揺れました。アメリカでは18歳から有権者です。

あなたにとって争点は何?
「兄がメキシコ生まれで国外退去させられるかもしれないので、移民政策が大事」
「高校であまりに銃撃事件が多く、銃規制が大事」
「産むか産まないかを決めるのは女性で、人工中絶の権利が大事」

自分が都立高校の3年生のとき、こんなしっかりした考えを持っていなかったなぁ。圧倒されました。
党派色はないと説明を受けましたが、冒頭、オバマ前大統領の夫人のミシェルさんがビデオメッセージで登場し、民主党の色が濃いのは明らか。

で、男子は?と聞いたら、男子は高校に残って授業を受けていたそうです。

09月28日 5時43分

トランプ大統領が使い分ける「we」と「they」

西河篤俊

「ロケットマンは自滅の道を歩んでいる」
トランプ大統領が去年の国連演説で多くの時間を割いた北朝鮮。
今年は、北朝鮮への非難は影を潜め、言及そのものも減りました。
打って変わって、今年、北朝鮮よりも長く時間を割いたのはイラン。
「腐敗した独裁国家」、「カオスと死と破壊の種をまいている」とやり玉にあげました。

トランプ大統領の発言を分析している言語学者は
「大統領は、We(われわれ)とThey(彼ら)という言葉を
巧みに使って、敵と味方を区別するのが特徴だ」と話しています。

さて、来年は、どの国が、「敵」としてやり玉にあげられるのでしょうか…

09月27日 7時55分

「国境」と「ショッピングセンター」

神津全孝

「メキシコ」や「ショッピングセンター」などと書かれたこの看板。
カリフォルニア州とメキシコとの国境近くに設置されています。
アメリカ側の国境近くには、地元サンディエゴでも最大規模のアウトレットモールがあります。
中間選挙の争点の一つにもなっている、トランプ大統領が進める移民政策。
取り締まりが強化されている最前線とも言える国境には、ショッピングセンターという日常も広がっています。

09月26日 13時06分

事務総長の観劇

栗原岳史

アメリカの建国の父が主人公のブロードウェイのロングラン・ミュージカル「HAMILTON」。
おととし、ペンス副大統領が就任する直前に観劇した際に、出演者が舞台上から「アメリカの価値観を守ってください」というメッセージを読み上げたことでも有名になりました。

同じニューヨークで行われた各国の首脳が集う国連の昼食会。グテーレス事務総長は乾杯の音頭で、「数日前にこのミュージカルを観劇し、自国の歴史に誇りを持つアメリカ人を目の当たりにした」という話を披露しました。その後、グテーレス氏はアメリカの大統領に目を向け、「トランプ大統領、あなたも誇り高いアメリカ人だ。ただ、われわれは、同時に世界の市民でもあり、人々の幸福を追求する国際人(Cosmopolitan)として力を合わせている」と発言。
「多国間主義」という言葉を好んで使うグテーレス事務総長。国際協調の場である国連でも、自国第一主義を掲げ続ける大統領への、遠回しの皮肉にも聞こえました。

09月24日 16時00分

フィラデルフィアの郷土料理

栗原岳史

ワシントンDCが首都になるまで、アメリカの首都だった「古都」フィラデルフィア。ここの名物は、パンにたっぷりのチーズと肉をはさんだ、「Cheese steak」。

さて、アメリカの独立を象徴する「自由の鐘」から車で10分ほど離れたところに、Cheese steakの2つの名店が通りを挟んで向かい合っています。片方が民主党員が、そしてもう片方は共和党員が好む味だという噂を聞いて、両方食べ比べてみましたが、、、両方とも伝統のフィラデルフィアで育まれた保守的な味でした。

09月24日 12時00分

Vote, Vote, Vote!

栗原岳史

中間選挙に向けて9月から全国周遊の演説を始めたオバマ前大統領。この日、東部ペンシルベニア州・フィラデルフィアでの演説会に登壇するや、観客は総立ちです。オバマ氏が2008年の大統領選挙で訴え続けたのは「Change, Change, Change」ですが、今回繰り返し強調しているのは、「Vote, Vote, Vote!(投票して!)」。中間選挙は大統領選挙と比べて投票率が低いだけに、できるだけ多くの人に投票を呼びかけ、“眠れる票”を掘り起こす作戦です。

09月24日 9時38分

ピンクの波乗り

飯田香織

民主党の下院奪還はカリフォルニア25区を取らずしてあり得ない。ケーティ・ヒル候補(31歳)はボランテイアを前に強調しました。民主党王国のカリフォルニアの中でも保守的な25区は共和党の牙城ですが、現職の男性議員との接戦が伝えられています。

ボランティアは彼女と同世代の女性のほか、ベテランらしき女性も多い様子。トランプ大統領の女性蔑視や多様性に対する不寛容な姿勢に危機感を持ったと言います。

今回の中間選挙には過去最多の女性が立候補し、Pink waveと呼ばれています。振り落とされず、最後までピンクの波に乗り続けられるか注目しています。
 

09月23日 13時20分

移民が支える!ニューヨーク屋台グルメ

世界各国からの移民が、出身地の料理を提供するイベント。

ニューヨークで土曜日の昼時に開かれ、お腹をすかせて参加しました。

路上で食べ物を売る屋台の多くは、移民が営んでいます。

ニューヨークでは、およそ2万人が屋台で働いているとされ、なかには不法に入国し、無許可で屋台を営業する人もいます。

このイベントを主催したNPOの担当者は、「トランプ政権の厳しい移民政策のもと、祖国に強制送還されるのではないかと心配する声も聞かれる」と話していました。

イベントに並んだ19か国の料理は、アメリカという国の多様性を象徴しているように感じました。

09月23日 1時54分

不在者投票始まる

油井秀樹

南部バージニア州で不在者投票が始まりました!

アーリントンの投票所では初日、朝から4時間の間におよそ50人が投票。

当局の担当者は「過去の中間選挙に比べて投票に訪れる人が多い。共和・民主の対立が激しく、有権者の関心は非常に高い」と指摘します。

投票を終えた女性は「トランプ大統領を止めなければならない」と熱弁。民主党の躍進に期待していました。

 

09月22日 5時47分

「投票しよう!」選挙カー

「アメリカのために祈り、投票し、立ち上がる。11月6日に投票しよう」と書いてあります。

キリスト教保守派の政治集会で見つけました。

アメリカの選挙カー、デザインはかっこよくないですか?

09月22日 5時34分

トランプ外交のひとつの側面

キリスト教保守派の政治集会に登場したポンペイオ国務長官。

イランや中国が、それぞれの国内の宗教マイノリティを抑圧していると批判しました。そして、トルコで拘束されたアメリカ人牧師の解放に努めると述べると、数百人の聴衆がスタンディングオベーション。驚くほどの盛り上がりを見せました。

トランプ外交のひとつの側面を映し出しています。

09月22日 4時50分

乗車料金は半額!さぁ投票へ!!

タクシーよりも安いので、取材先への移動に重宝しているのが、自家用車などで客を運ぶ「ライドシェア」。

先日、ライドシェアの1つを利用したところ、利用明細書に「11月6日に、投票所へ行く場合は、乗車料金は半額」の案内がありました。

アメリカでは、投票に行かない、投票に行けない理由として、交通の便の悪さもあげられるので、こうした取り組みが行われているんです。

はたして、中間選挙当日の投票率は…。

09月21日 9時38分

フェイスブックも選挙モード!

「フェイクのコンテンツを除去しています!」

そう熱弁したのはフェイスブックの担当者。「ソーシャルメディアと中間選挙」をテーマに、ワシントンで行われたシンポジウムの一幕です。

2年前の大統領選で「うそのニュースが掲載されて結果に影響を与えた」と批判されたフェイスブック。中間選挙を前に「昨年秋からの半年で、13億アカウントをブロックした」と対策強化を強調していました。ソーシャルメディアの世界でも「選挙モード」が本格化しています。

09月21日 5時41分

それでも、アメリカ経済は絶好調!

9月20日、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は、史上最高値をつけました!

2万6656ドル98セント! ことし1月につけた最高値を、この日、あっさりと更新。

米中貿易戦争、どこ吹く風…。「アメリカ経済は強い」「中国ができる対抗策はもうない」「まだまだ上がる」強気の発言がよく聞かれます。

どちらが先かは、わかりませんが、「株価好調だからトランプ政権は強気」「トランプ政権が強気だから(わかりやすいから)株価も上がる」

来年7月には「戦後最長の景気拡大期」となるアメリカ経済。経済が良い時は、与党が強い、というのが常ですが…。

 

09月20日 11時58分

ゾウもロバも大歓迎 みんなをおもてなし

油井秀樹

ホワイトハウス近くのウィラードホテル。1860年に、江戸幕府の遣米使節団の侍たちが宿泊したことでも知られる歴史あるホテルです。そのホテル前に、去年秋から登場したのが「ゾウ」と「ロバ」の置物。

「ゾウ」は共和党、「ロバ」は民主党のマスコットです。

中間選挙に向けて、首都の雰囲気を盛り上げるため…と思っていましたが、「実は、選挙には直接関係ありません。ことしで開業200周年になるのを記念して、『われわれは、常に超党派のホテル。共和・民主どちらも大歓迎します』というアピールなのです」とホテルの広報担当者。

共和・民主の対立が激化し、分断深まる政治の街ワシントンですが、双方が一緒に楽しく過ごせる場所を提供したいという思いが込められているそうです。

09月20日 5時30分

名前って大事!特に政治家にとって

飯田香織

テキサス州ヒューストンの住宅街で数多く見かけた、庭先に立てられた「Beto」と「Ted Cruz」の看板。上院議員選挙の候補者の名前です。日本の選挙と言えばポスターですが、アメリカでは看板を庭の地面に突き刺すのが一般的です。

民主党のBeto氏。アイリッシュ系で、本当の名前はRobert Francis O’Rouke。子どものころから、スペイン語風にロバートの愛称「Beto」があだ名でした。

現職で共和党のTed Cruz氏。父親がキューバ系で、本当の名前はRafael Edward Cruz。ラテンを彷彿させないエドワードの愛称「Ted」と呼んで、ということです。

メキシコと接するテキサス州はヒスパニック系が多い地域。

なぜBetoなの?なぜRafaelじゃないの?

一時は、共和党の大統領候補でもあったTed Cruzの劣勢が伝えられる中、21日には2人の討論会が行われます。

09月19日 10時00分

共和党の主流派議員が相次いで引退!

油井秀樹

このほど、旭日大綬章を受章した与党・共和党の重鎮、ボブ・コーカー上院議員が、ワシントンの日本大使館で開かれた式典に出席しました。コーカー氏は、与党議員ながら、トランプ大統領との間で批判合戦を繰り広げたことで有名で、11月の中間選挙には立候補しないと表明。その際、トランプ大統領は「コーカー氏から再選への支援を懇願されたが、断った。だから彼は引退する」と嫌みなツイートをしました。

今回の中間選挙では、コーカー氏のような共和党の主流派議員が相次いで引退します。議会下院では、40人以上の現職議員が立候補しないため、野党・民主党に多数派を奪われる可能性が高まっています。コーカー氏は、この日、TPPなど自由貿易の重要性を強調。トランプ氏の名前こそ出さなかったものの、保護主義的な貿易政策に苦言を呈していました。

09月18日 14時00分

トランプ称賛CMが増加

油井秀樹

候補者が支援を求めて流すテレビコマーシャル。ことしは、その内容に異変が起きています。これは、共和党候補者が流しているテレビCMの一コマ。共和党候補者たちによる「トランプ大統領を称賛するCM」が多いのです。トランプ大統領が肯定的に紹介されたCMは13.4%。歴代大統領が中間選挙のCMで肯定的に紹介された数は少なく、オバマ氏は全体の1%以下。ブッシュ氏は、人気が高かった2002年でも7.7%でした。共和党内で、高い支持率を誇るトランプ氏の状況が反映された形です。

専門家は、「中間選挙で与党の候補者たちが自分たちのテレビCMで現職大統領をここまで称えたのは例がない。共和党の候補者たちは、トランプ大統領との連携をアピールすることで、トランプ支持者を投票へと促す戦略だ」と話していました。

09月18日 8時34分

リーバイス、パタゴニアも選挙モード

飯田香織

週末、ロサンゼルスの商店街を歩いていたら、リーバイスの店頭で、11月6日の投票を呼びかける看板を発見。「意思を表示せよ」、という内容です。

近くのパタゴニアでは、「11月6日は社員が投票できるよう休業する」というお知らせが、目立つところに張ってありました。特定の政党名は書いてありませんが、民主党支持者を意識していそうです。

リーバイス・ストラウス社は、今月、銃規制を求める立場を明確にしました。西部開拓時代の1853年に創業した老舗ジーンズメーカーの発表は意外でした。NRA(全米ライフル協会)はもちろん反発。一方のパタゴニアは、国定公園を縮小するトランプ大統領を相手取って訴訟を起こすなど、対決姿勢を鮮明にしています。

銃規制や環境政策は賛否が分かれるだけに、消費者離れを引き起こす恐れもあります。それでも、ミレニアル世代が、こうした争点でブランド企業に立場を明確にするよう求めているのです。海外売り上げが伸びていることも後押しになっているはず。今回の中間選挙では、企業の対応にも注目しています。

09月15日 16時40分

Make America Sweet Again!(アメリカを再び甘~くする?)②

油井秀樹

ホワイトハウス近くのアイスクリーム屋。

では一番人気は、何なのか?

現職の強みでトランプ大統領……と思ったら、

実は「リンカーンのキャラメルプレッツェル」だそうです。

店員は「リンカーン大統領が好きというより、この味に人気があるのではないか」
と指摘します。そして、気になるトランプ味の人気は「今のところ、そこそこ」とのことでした。

この店のキャッチフレーズは、「Make America Sweet Again !」です。

大のアイスクリーム好きだと言われるトランプ大統領としては、

この秋の中間選挙にも勝利してSweetな味を堪能したいところでしょうが、

選挙の結果次第ではその味はBitterに変わるかもしれません。

09月15日 16時36分

Make America Sweet Again!(アメリカを再び甘~くする?)①

油井秀樹

ホワイトハウス近くに7月にオープンしたばかりのアイスクリーム屋。

その名も「Presidential Scoops」(大統領のアイスクリーム)です。

この店の売りは、それぞれの味に歴代の大統領の名前がついていること。

その数16種類です。

「ブッシュのバターピーカン」「オバマのストロベリージュビリー」、

そして「トランプのチョコレートチップクッキードー」などなど。

店員曰く「それぞれの大統領が好きな味」ということで名前をつけたと言います。

 

私が試したのは、やはり「トランプ味」。

濃厚で美味しかったのですが、

トランプ大統領と同じようにアイス2段重ねにしたのは、

ややくどく、失敗だったかもしれません。

09月14日 20時05分

86歳ジャーナリストの危機感

飯田香織

全米のジャーナリストやテック企業の代表ら2500人がテキサス州オースティンに集結しています。話題は、ポジティブな方では、技術を使っていかに読者とつながるか(インターネットの動画は基本的に縦向きにして親しみやすい内容で)。ネガティブな方ではフェイクニュース対策などです。

当然、中間選挙も。インタビューした、長年CBSのキャスターを務めたダン・ラザー氏は、トランプ大統領を「独裁者」と呼び、メディアが置かれている状況について、「私の記者人生で最も危機的だ」と言っていました。86歳の彼の記者人生は50年以上。そんな危機感が漂うオースティンの会議は9月15日までです。

09月14日 2時32分

ニューヨークの予備選投票日 投票はあちこちで②

長男が通う公立の小学校からは、投票を呼びかける文書が送られてきました。 私は、アメリカでは”外国人”なので、投票権がないのですが…。

自由の女神の形に並ぶ人々の絵とともに、“DEMOCRACY STARTS WITH YOU”(民主主義はあなたから)というキャッチコピーが書かれています。

「あなたが作る未来の日本」的なニュアンスですが、アメリカで民主主義が揺れている今、その意味を噛みしめました。

09月14日 2時30分

ニューヨークの予備選投票日 投票はあちこちで①

11月の中間選挙に向けて、共和・民主、両党の候補者を決める予備選挙が13日、ニューヨークでも行われました。

投票は朝6時から。

連邦議会の議員から、州知事、州議会議員、州の司法長官、場所によっては地域の警察のトップにあたる保安官まで、それぞれの候補者を選びます。

一般的な投票所は学校ですが、普通のビルの中にも投票所が設けられました。

多様性を誇るニューヨークらしく、投票所の案内は、英語・スペイン語に加え、中国語でも!

09月14日 1時00分

MAKE OUR FARMERS GREAT AGAIN!

トランプ大統領のキャンペーングッズに加わりました。

そう、「ディア」でおなじみの緑と黄色のデザインです。

トランプ大統領も、「ディアの色だ。すてきだろ?」と会見で宣伝していました。

農家の間では、「もともとGREATなアメリカの農業界を危機に陥れているのは、誰なんだ?」という恨み節も聞かれます。

09月14日 0時58分

農家の支持の行方は?

アメリカの農村地帯ではよく見かける、緑と黄色のデザインで知られる農業機械、アメリカの農機大手「ディア」の製品です。

先月、この企業が発表した決算では、純利益が前年同期比で42%増。

アメリカの農家は、米中貿易戦争に伴う、中国による報復措置で打撃を受けていますが、今のところ、農業機械の販売は好調だそうです。

ただ貿易戦争が長期化すれば、設備の更新はためらってしまうという声も聞きます。

中間選挙に向けて、共和党の支持基盤だった農家の間では、トランプ大統領への支持が揺らぎ始めています。

09月13日 7時14分

ある外交官の孤独な戦い③

西河篤俊

今月10日、トランプ政権は代表部の閉鎖を決定しました。

圧力の結果、仮にパレスチナがテーブルについたとして、それは交渉と言えるのか。

 

イスラエルとパレスチナの和平交渉の礎となった1993年の暫定自治合意、いわゆる「オスロ合意」が結ばれてから、13日でちょうど25年です。

09月13日 7時12分

ある外交官の孤独な戦い②

西河篤俊

 

「天井のない監獄」と言われるガザ。

その難民キャンプで生まれたというゾムロット氏。

今年4月、アメリカの学生たちを相手に講演した際にはこう語りかけていました。

 

「若い世代の皆さんに1つだけお願いです。インターネットやソーシャルメディアでパレスチナについて調べてみてください。正しい情報もそうでないものもあるでしょう。ただ、少なくともパレスチナにも『人』が住んでいることを知ってください」。

 

09月13日 7時10分

ある外交官の孤独な戦い①

西河篤俊

ワシントンにあるパレスチナ代表部のゾムロット駐米代表。

トランプ政権が誕生した後、アメリカに来た彼は、パレスチナを代表する外交官として孤独な戦いを続けてきました。

 

議会への働きかけをしたり、イスラエルを支持する団体にも足を運んで、パレスチナへの理解を訴えたり…。しかし、それとは裏腹に、トランプ政権はパレスチナへの圧力を強めていきました。

 

われわれの取材に対して、「ノーカメラ」と言うことも少なくありませんでした。

ただでさえパレスチナが厳しい立場に置かれているなか、情報発信には神経をとがらせていたのだと思います。

 

09月12日 8時52分

追悼 同時多発テロから17年 ②

崩壊した世界貿易センタービルの跡地に立った「ワン・ワールド・トレードセンター」。この日の朝は、霧に包まれていました。
同時多発テロ事件をきっかけに始まり、「アメリカ史上、最も長い戦争」とも言われるアフガニスタンでの軍事作戦。トランプ政権は、去年からおよそ3000人を増派し、およそ1万4000人の兵士を駐留させています。しかし、アフガニスタンではテロが後を絶たず、終わりの見えない戦いが続いています。

09月12日 8時50分

追悼 同時多発テロから17年 ①

アメリカを襲った同時多発テロから9月11日で17年。
ニューヨークの世界貿易センタービルの跡地では、犠牲者を追悼する式典が開かれました。
事件では、日本人24人を含む3000人近くが犠牲となりました。
しかし、遺体の損傷が激しく、いまだに全体の4割近くにのぼる、1111人の身元が特定されていません。

09月12日 8時00分

同時多発テロから17年 ~テロ前、そして、いま~

アメリカの同時多発テロから17年。
アメリカ総局にあるアーカイブの中から、同時多発テロ前の2001年2月に撮影した世界貿易センタービルの映像をもとに、ことし、ほぼ同じ場所から撮影した映像と重ねました。
17年の年月を経て、崩壊した世界貿易センタービルだけでなく、ニューヨークのスカイラインも大きく変わった様子がうかがえます。

09月12日 3時49分

9.11前日、突然の発表③

西河篤俊

さらに、こう続けました。仮に捜査すれば、「ICCの判事や検察官のアメリカへの入国を禁止する。資産凍結の制裁を科す。アメリカの刑事制度で訴追する」と。

講演を聴いていて思いました。
この日は、17年前、同時多発テロが起きた9.11の前日。
アメリカ人の愛国心が高まるこのタイミングで、兵士たちを国際的な捜査から守る姿勢を国内向けにアピールしようとしたのではないかと。
もうひとつ。ICCにはパレスチナが、イスラエル兵士による攻撃についても捜査を求めています。イスラエルもICCを非難しています。

「トランプ政権はあらゆる決定をする際には 常にアメリカ国民の利益を最優先に考えています」。
ボルトン氏がこう講演を締めくくると、会場からはこの日一番の拍手が起こっていました。

09月12日 3時47分

9.11前日、突然の発表②

西河篤俊

突然、壇上に長袖のTシャツというカジュアルな服装の女性が立ったのです。
手にしたプラカードには「イランは平和を欲している」の文字。そして、「ボルトンはイランと戦争をしたがっている。危険な男だ」と叫びました。
それに対し、会場にいた聴衆の1人、保守派とおぼしきスーツの男性は、「ボルトンは素晴らしい男だ」と切り返しました。

女性は、屈強な警備の男性たちによって会場からあっという間に排除されました。

そうした中で、壇上に立ったボルトン氏。
口にしたのは、ICC=国際刑事裁判所への強い非難の言葉でした。
ICCは、戦争犯罪や大量虐殺を裁く国際法廷。日本を含む120か国以上が加盟していますが、アメリカは加盟していません。アフガニスタンの戦争に参加し、拷問などの疑いをもたれているアメリカ人の兵士らをICCが捜査しないようけん制しました。

09月12日 3時45分

9.11前日、突然の発表①

西河篤俊

9月10日、ワシントン市内の高級ホテル。
会場は異様な雰囲気に包まれていました。

トランプ大統領の側近、ボルトン大統領補佐官が講演し、新たな外交政策を発表する予定とあって、会場は報道陣であふれていました。

講演開始までまもなくというそのとき。

09月11日 8時55分

視聴率が悪いのは誰のせい?

栗原岳史

これからの季節、アメリカのバーで楽しむ娯楽の定番と言えば、なんといってもアメリカの国民的スポーツ・フットボールの中継。
9月から新しいシーズンが始まったNFL=アメリカプロフットボールリーグ。日曜日の夜とあって、客の数にはさみしいものがありましたが、中西部のネブラスカ州とアイオワ州の州境の街で入ったこの酒場でも、一杯飲みながら観戦していました。

かつてテレビ局にとっては「キラーコンテンツ」で、「ドル箱」だったフットボール中継ですが、最近、その視聴率の下落傾向は顕著です。その原因は、各チームのスター選手が奇しくも相次いで故障したからとも、テレビがそもそも見られなくなっているからとも(テレビ局員としては悲しいですが)、言われています。言われてみれば、バーで出会った写真の男性も、テレビ画面とスマートフォンを交互に見比べながら観戦していました。

そして、ツイッターで「NFLの視聴率は、この10年で最低だ」とNFLを揶揄しているのは、NFLと激しく対立してきたトランプ大統領。視聴率の下落傾向は、トランプ大統領が就任する以前から続いているわけですが、トランプ大統領は、「選手たちが国旗や国歌に誇りを持たないからだ」と主張しています。

09月09日 13時38分

conspiracy theorist

西河篤俊

アメリカを襲った同時多発テロからまもなく17年。
当時私は駆け出しの記者でしたが、
その前の年までニューヨークで暮らしていただけに
大きな衝撃を受けました。

その911を政府による陰謀だと主張する人物がいます。
アレックス・ジョーンズ氏。
コネティカット州のサンディフック小学校で起きた凄惨な銃の乱射事件を「でっちあげだ」と主張。
アメリカの主要メディアは彼のことを陰謀論者(conspiracy theorist)と呼んでいます。

今でも、ウェブサイトやラジオ番組を通じて、さまざまな「陰謀論」の発信を続けていますが、
その言動は「論客」というより、コメディアンのよう。
特定のことに怒り出すと大声でわめき散らし、最後に「取り乱しました」と大人しくなる。
どこかで見たような芸風です。

しかしその影響力は無視できません。

ユーチューブの彼のチャンネルには一時、200万以上が登録していたのです。
SNS各社は相次いでジョーンズ氏のアカウントの利用を禁止したり、動画を削除する措置をとりました。

こうした各社の対策の動きをトランプ大統領は「検閲だ」「非常に危険だ」と批判。
ジョーンズ氏はトランプ支持者であることでも知られています。

「陰謀論」が影響力を持つようになったら、社会はどうなってしまうのか…
日本にとっても対岸の火事では済まされないかもしれません。

09月08日 11時54分

民主党若手のホープはまるでスター③

オカシオコルテス候補は、支持者に囲まれると見えなくなるくらいの小柄な女性ですが、中間選挙の台風の目になりそうです。

09月08日 11時52分

民主党若手のホープはまるでスター②

彼女は新人候補ながら、応援にも引っ張りだこです。
ニューヨーク近郊の大学で開かれた別の候補の集会に突如、登場。その瞬間、会場は総立ちに。

「自分たち若い世代が全てを変えていく。私たちこそが未来だ!」
こう訴えると、会場はますますヒートアップ。
床に座り込んで、スマートフォンで動画を撮影する人たちもいて、いまどきの世代らしくSNSを通じても支持が広がっています。

09月08日 11時50分

民主党若手のホープはまるでスター①

トランプ大統領に対抗して、民主党の候補者の中には、よりリベラルな主張を掲げる人たちがいて、勢いを増しています。その象徴とも言えるのが、ニューヨークで下院議員選挙の予備選に番狂わせで勝った、28歳の女性、アレクサンドリア・オカシオコルテス候補です。

主張している内容はというと、移民に寛容な社会、全国民をカバーする公的健康保険制度の導入、経済格差の解消など、社会民主主義的なものばかり。

09月08日 11時40分

「Q」

栗原岳史

中西部で入った場末の飲み屋。
ここでの政治談義には、放送できない単語が10秒に1度、登場します。

「俺が考えていることを●●のようにストレートに言うトランプは●●よりも好きだ」
「お前の●●みたいな頭じゃぁ、難しい話がわかんねぇだけだろう、この●●野郎」という具合に。

日本でも一緒ですが、酔っ払いが3人集まると始まる話題は、陰謀論。
いま、全米のバーを席けんしているテーマは、「ロシア疑惑の真実」や「大物政治家の動向」などといった話。

ただ、これまでと違うのは、噂話の源泉が、SNSやユーチューブで出回っている「Q」と名乗る、匿名の投稿が多いということ。学校を出たての若者から初老の客まで、高い関心を寄せる「Q」の話題。

いつでもどこでも簡単にインターネットへアクセスができるいま、こうした陰謀論は驚異的な速度で拡散し、政治をも動かす可能性を秘める怖さを実感しました。

09月08日 11時30分

“犯人捜し”の秘密兵器?!

西河篤俊

“犯人”は誰なのか。
有力紙に寄稿された政権の高官による匿名の寄稿。

トランプ大統領は7日、「司法省は、誰が記事を書いたか調べるべきだ」と発言。
しかし、専門家の間では、機密情報の漏えいにはあたらず、犯罪にはあたらないという意見が多いようです。そして、政権の幹部の多くは相次いで「自分ではない」と否定。

そんななか、「高官をみな、うそ発見器にかければいい」という意見まで出てきました。

連日、アメリカの主要メディアは朝から晩までこのニュースばかり。

アメリカメディアといえば、日本でも見られるCNNなど、海外のニュースをふんだんにとりあげている印象がもたれがちですが、実は、あれは海外向けの放送。国内向けの放送は、アメリカメディアも、とことんドメスティックなのです。

09月07日 3時47分

ハーレーファンの集いでは…

栗原岳史

そして、この国の存在感は、どこに行っても感じます。

09月07日 3時45分

ハーレーファン、集結 

栗原岳史

アメリカの名車、ハーレー・ダビッドソンが誕生した中西部ウィスコンシン州ミルウォーキー。
8月から9月にかけて行われるハーレー・ダビッドソンの祭に参加するため、毎年、世界各地から数万人のハーレーファンがこの街に結集し、創業を祝います。
おかげで、街中は大型バイクで大渋滞。

創業から115年のことしも、多くのライダーが集まりましたが、複雑な思いを胸にしている参加者も多くいました。
会社がヨーロッパ向けのバイクの生産を国外に移すことに明らかにしたためです。
国外移転のきっかけとなったのは、トランプ大統領がEU=ヨーロッパ連合からの鉄鋼製品に25%の関税を課したことでした。
中間選挙では、トランプ大統領の通商政策にも大きな関心が集まっています。

09月07日 3時40分

寄稿者さがしの「道しるべ」

栗原岳史

トランプ政権の高官が、「トランプ大統領は道徳観念に欠けている」と批判する匿名の論説記事を、有力紙に寄稿したことを受けて、アメリカでは、メディアでも、SNSでも、寄稿者さがしが過熱しています。
政権の高官は相次いで「自分ではない」と否定するコメントを出していますが、こうした中で、寄稿文の中にある”lodestar”という英単語が、にわかに注目を浴びています。
「道しるべとなる星」という意味で、日常生活ではめったに使わない単語ですが、ある高官は、スピーチで過去に何度もこの言葉を使っていたそうです。

09月06日 12時33分

「私はトランプ政権内部の抵抗勢力だ」②

西河篤俊

09月06日 12時30分

「私はトランプ政権内部の抵抗勢力だ」

西河篤俊

「ニューヨーク・タイムズ」に突然、掲載された匿名のコラム。そのタイトルが、「私はトランプ政権内部の抵抗勢力だ」です。
アメリカは、きょうはこのニュースで持ちきりです。

トランプ大統領の問題の根本は「道徳観の欠如」にあると指摘。ほかの高官たちも、会議でわめくなど、衝動的なトランプ大統領に日常的に不信感を抱いていると記しています。

ニューヨーク・タイムズは、この高官が誰かを把握していますが、「職を追われるおそれがある」として匿名で伝え、「匿名の論説記事を掲載するのは異例だが、これが読者に重要な観点を伝えるための唯一の方法だ」と主張しています。

これにかみついたのがトランプ大統領。ツイッターに「情報源はでっちあげではないのか。本当にいるなら、政府に引き渡すべきだ」と、脅しともとれるような書き込みをしました。

前日には、かつて、ニクソン大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」をスクープした著名な記者ボブ・ウッドワード氏が、政権の幹部に取材し、内幕を描いた本の内容が明らかになったばかりです。
中間選挙まで2か月。トランプ大統領とメディアとの攻防はますます激しくなりそうです。

09月05日 12時58分

政治献金をめぐってハンバーガー不買運動!?

飯田香織

日本に進出するアメリカのバーガー店が相次いでいますが、未進出で西海岸で人気なのがIn-N-Out。具材が新鮮で270円くらいとお得です。このハンバーガーチェーンが共和党に270万円あまりを献金したことを知ったカリフォルニア州の民主党本部のトップがツイッターで、In-N-Outの不買運動を呼びかけました。

いくら民主党が圧倒的に強いカリフォルニア州でも、これは行き過ぎだと批判され、今週に入って撤回。しかも、このバーガーチェーンは民主党にも献金していました。中間選挙まで2か月。ハンバーガーまで政争の具となってしまうくらい、すでにヒートアップしています。

09月01日 3時43分

忍び寄る選挙干渉

おととしの大統領選挙にロシアがサイバー攻撃を通じて干渉したとされる「ロシア疑惑」。
アメリカでは今回の中間選挙でも、大規模なサイバー攻撃が仕掛けられるのではないかとの懸念が高まっています。

インターネット上で監視を行う南部バージニア州の情報セキュリティー会社は、
ロシアに加え、イランが関与しているとみられる工作活動を発見。

サイバー空間での攻防はすでに始まっています。

08月31日 10時17分

マケイン上院議員 追悼

栗原岳史

25日に亡くなった与党・共和党の重鎮、マケイン上院議員。

ワシントン郊外にある母校・海軍士官学校に埋葬されるため、30日、地元アリゾナ州から遺体が運ばれてきました。

ワシントンにある日本大使館では、マケイン氏を追悼するため、日の丸も半旗になっていました。
どういうときに半旗にするのか、大使館に聞きました。今回は「国葬、又は国葬に準ずる葬儀が行われる場合」にあたるため、半旗にしたということです。このほかにも大災害で人的被害が出た場合などに、日本政府としての弔意を示すために、半旗を掲揚することがあるそうです。

08月31日 10時16分

「選挙戦本格化を前にトランプ大統領は…」②

西河篤俊

中間選挙を意識してか、最近、メディアへの批判を強めているトランプ大統領。きょうは、質問には一切答えませんでした。
そして、マリーンワンの中に姿が消えると、近くにいたアメリカメディアの記者からは不満の声も。
ただ、こういう“空振り”はよくあります。

08月31日 10時15分

「選挙戦本格化を前にトランプ大統領は…」①

西河篤俊

毎日ツイッターで一方的に情報発信を続けるトランプ大統領。
ホワイトハウス担当の記者は、大統領がホワイトハウスの建物を出て、専用ヘリコプター「マリーンワン」に乗り込むまで歩く数十メートルを狙って大声で質問を投げかけます。

08月30日 23時35分

ミニトランプ増殖中?

栗原岳史

アリゾナ州で行われた共和党側の予備選挙で、上院議員の候補として指名されたのは、女性初の元空軍パイロット、マーサ・マクサリー氏。
当初は、移民政策や女性の権利に関するトランプ大統領の発言を厳しく批判してきましたが、予備選挙の投票日に行った勝利宣言でも、「私はトランプ大統領と近い」、「トランプ大統領の『壁』を作ろう」などと、トランプ大統領との近さをアピールしました。
共和党の候補として指名を獲得するためにトランプ大統領に急接近するという現象は、どうも全米に広がっているようです。

08月30日 10時45分

「代理戦争 トランプVSサンダース」

油井秀樹

知事選挙に向けた予備選挙が行われたフロリダ州の地元紙の一面です。

共和党はミニ・トランプとも言われるデサンティス候補(左)が勝利。
一方の民主党は、2年前の大統領選挙で旋風を巻き起こした社会民主主義を掲げるサンダース氏が推したギラム候補(右)に決定。
「トランプVSサンダース」の代理戦争の構図になります。

ギラム候補の勝利は予想外で、アメリカメディアは「upset win(逆転勝利)」と伝えています。
共和党のデサンティス候補と民主党のギラム候補は、共に、党内の穏健派の有力者を破っての本選挙進出となり、
分断が深まり二極化が広がる現状を反映した結果となりました。
11月6日の中間選挙では、知事選挙も行われます。

08月30日 10時30分

「トランプが触れるものはすべて死す」

油井秀樹

“トランプが触れるものはすべて死す”(英:Everything Trump Touches Dies)は、今月出版された本の題名です。

著者は共和党のコンサルタントながらも、反トランプで有名なリック・ウィルソン氏。
首都ワシントンの書店で、著者を招いて開かれた講演会には300人近くが集まりました。著者がトランプ批判を展開すると、会場からは拍手や歓声も。
会場からは「共和党内でなぜトランプは支持率が高いのか?」「共和党はトランプに乗っ取られてしまったのではないか?」などといった共和党のトランプ化を憂う声も聞かれました。

08月29日 11時00分

中間選挙の勝敗は?

油井秀樹

バージニア大学と世論調査会社が、中間選挙の当確予測サイトを立ち上げました。

現時点の予測では、上院は、与党・共和党が多数派を維持する可能性が高い一方、下院は、野党・民主党が多数派を奪還する見通しと説明しました。

選挙に向けて最も重要な項目は、共和党が移民政策なのに対して、民主党は打倒トランプと医療保険制度。

08月28日 17時05分

トランプ大統領に最期の苦言か

油井秀樹

マケイン上院議員の事務所は、マケイン氏が生前に残したお別れの声明を公表。

「世界に怒りや憎悪、暴力をまき散らしてきた敵対心と愛国主義を混同すれば、われわれの偉大さは損なわれる」

排他的な言動が目立つトランプ大統領への最期の苦言とアメリカメディアは伝えています。

08月28日 17時00分

マケイン上院議員 追悼

栗原岳史

25日に亡くなったアメリカ議会の与党・共和党の重鎮、ジョン・マケイン上院議員。

地元アリゾナ州では公共施設だけでなく、民間のオフィスビルやショッピングモールでも、国旗や州旗を半旗にして死を悼んでいます。

亡くなってもなお、大物政治家の存在感を感じさせます。

08月28日 13時00分

アリゾナで会ったのは…

栗原岳史

私がいるのは、灼熱の西部アリゾナ州。ここで会ったのは、不法移民に対する厳しい取り締まりから「全米一タフな保安官」と呼ばれるジョー・アルパイオ氏。

アリゾナ州選出の上院議員選挙で、共和党候補の指命争いに名乗りを上げています。

予備選挙は8月28日。アリゾナ州の有権者の判断は、全米の関心の的です。

 

08月27日 12時02分

分断深まるアメリカ、「生の声」にこだわります②

油井秀樹

私たちは、今回、全米各地に足を運んでさまざまな人たちに接触し、トランプ政権をどう受け止めているのか、「生の声」にこだわって取材を進めています。

記者・ディレクターが肌で感じたアメリカの変化、新たな発見をこのサイトで随時、アップし、日本にも大きな影響を与える同盟国アメリカの一面を紹介していきます。

08月27日 12時00分

分断深まるアメリカ、「生の声」にこだわります①

油井秀樹

11月の中間選挙の主役は、トランプ大統領です。投票用紙に「トランプ大統領」の名前はありませんが、2年間の成果が問われることになります。異端の大統領をめぐる国民の評価は、分かれています。「分断深まるアメリカ」と言われて久しいですが、その評価はアメリカの分断を象徴しているかのようです。

私が前回、ワシントンに赴任したのは、2002年。同時多発テロ事件の翌年で、アメリカはかつてなく結束していました。ところが、今や、その結束は見られません。テロとの戦い、イラク戦争、リーマンショックを経て疲弊したアメリカは、立ち直りを見せてはいるものの、共和党と民主党の対立は激化し、経済格差は深刻さを増し、亀裂はいっそう深まっています。

08月13日 12時20分

“トランプ大統領を生んだ地”は…

特集

中西部から大西洋につらなる帯状の地帯、ラストベルト。かつて鉄鋼や重工業で栄えたが、今や“さびた”という意味の“ラスト=RUST”という言葉で表現されるとおり、衰退してしまっている。トランプ大統領の支持基盤の1つとされる白人の労働者も多く、おととしの大統領選挙では“トランプ大統領誕生の原動力”ともなった。そこで暮らす人たちは今のアメリカをどう感じ、どう受け止めているのか。

08月06日 15時00分

トランプ大統領 Xデーへのカウントダウン

特集

伝統的に共和党が強いテネシー州。最近、その共和党のトランプ政権が打ち出している保護主義的な貿易政策の影響が、選挙戦に出はじめていると聞き、訪ねました。

08月01日 12時00分

飯田香織

飯田香織

ロサンゼルス支局長。
2004年から2008年はワシントン支局。出張先で地元ならではのハンバーガーやサンドウィッチなどを開拓するのが楽しみ。

08月01日 12時00分

西河篤俊

西河篤俊

2001年入局。担当は、ホワイトハウス。最近、ハマっていることは「トランプ」。
といっても、大統領ではなく、カードゲームのトランプ。正確に言うと、ハマっているのは子どもで、休みの日につきあわされていますが、家でも「トランプ」と言われると、ドキッとします。

3年前まで中東に駐在し、アラブの春の混乱、紛争、過激派組織ISの台頭などを現地で取材していました。アメリカでの取材はそれとは全く異なりますが、「日々、予測ができない」という点では、今のトランプ政権を巡る取材は似ているところもあるかもしれないと感じる日々です。
趣味は、立ち飲み屋のはしごをすること。

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