今さら聞けないTPP

TPP11 新協定の規模と通商戦略

最終更新日:2017年12月28日

今回、大筋合意したTPP協定の参加11か国の人口は合わせて約5億人(世界の約6%)。
GDP=国内総生産の合計は、日本円にして約1100兆円(世界全体の13%)になる経済連携協定です。

しかし、アメリカが離脱する前のTPPは、人口が約8億2000万人(世界の約11%)。GDPは約3200兆円(世界全体の約37%)だったため、規模は大幅に縮小しています。

一方で、日本はことし7月にEU=ヨーロッパ連合のEPA=経済連携協定で大枠合意しています。日本とEUのEPAの規模は、世界全体のGDPのおよそ28%と、大型の経済連携協定となっています。

さらにこのほかにも大型の経済連携協定の交渉が進められています。 12日からフィリピンのマニラで閣僚会合と首脳会議が開かれるRCEP=東アジア地域包括的経済連携です。

RCEPには、中国やインド、オーストラリアのほか、ASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国など合わせて16か国が参加。 実現すると人口では世界の約半数にあたる34億人、GDPの合計は世界の約26%という(約2200兆円)大規模な経済連携協定になります。

日本は、こうした経済連携協定を相次いで実現することで自由貿易を柱とした経済成長につなげる方針です。

GDP8兆円押し上げ 米離脱で4割減少 政府試算

TPP=環太平洋パートナーシップ協定の参加11か国が協定の発効で大筋合意したことを受け、政府は、TPPの発効に伴う経済効果の新たな試算をまとめ、12月21日、茂木経済再生担当大臣が記者会見して公表しました。

それによりますと、貿易や投資が拡大し、日本経済の生産性が向上することにより、新たにおよそ46万人の雇用が生まれ、GDP=国内総生産をおよそ8兆円、率にして1.5%押し上げる効果があるとしています。

ただ、圧倒的な経済規模を誇るアメリカsが参加していた12か国の枠組みでのTPPと比較すると、経済効果は4割程度減少する内容になっています。

また試算は、日本とEU=ヨーロッパ連合のEPA=経済連携協定が発効すると、GDPをおよそ5兆円、率にして1%押し上げるとしていて、TPPと日EU・EPAがともに発効した場合は、GDPをおよそ13兆円、率にして2.5%押し上げることが期待されるとしています。

一方、国内の農林水産業への影響については、TPPの発効により、主要33品目の生産額が最大でおよそ1500億円、日EU・EPAの発効により、主要28品目の生産額が最大でおよそ1100億円それぞれ減少するとしています。

試算を行った農林水産省は、価格の低下の影響で農林水産業の生産額は減少するものの、政府の対策によって生産量は維持され、農家の所得も確保されると説明しています。

政府 TPP署名式を3月上旬までに

政府は協定の早期発効に向けて、来年3月上旬までに署名式を行いたい考えで、交渉を主導してきた日本か、自国開催に意欲を示すチリで開催する方向で各国と調整を進めています。ただ11か国のうちカナダは、自国の文化を保護するための例外措置が認められていないことなどから、正式合意に難色を示しています。

これに対し日本政府は、アメリカの将来的なTPPへの復帰を促すためにも、協定の早期発効は欠かせないとしてカナダの説得を続けていますが、不調に終わった場合には、カナダを除く10か国で署名に踏み切ることも視野に各国と調整を進める方針です。