バングラデシュで衝突続く 外務省 不要不急の渡航自粛求める

バングラデシュでは、公務員採用の特別枠に反対する学生たちと治安部隊の衝突が続き、病院などの関係者は、21日までに110人が死亡したとしています。緊迫した情勢が続くなか、日本の外務省などが現地の危険情報のレベルを引き上げました。

バングラデシュでは、1971年の独立戦争で戦った兵士の家族のために割り当てていた公務員の特別枠について、その後、政府が廃止する決定をしたものの、6月、高等裁判所が政府の決定は違憲だとする判断を示しました。

これに対し、学生たちが激しく反発し、大規模なデモが広がり、7月16日以降は首都ダッカなどでデモ隊と治安部隊が衝突を繰り返しています。

病院の関係者などは、一連の衝突でこれまでに110人が死亡したとしていますが、現地ではインターネットが遮断され、通信状態が極めて不安定となっていて、被害の実態を把握することが難しくなっています。

これに対して、最高裁判所は21日、公務員の特別枠を縮小する決定を行いましたが、学生からは抗議活動を続けるという声も出ているということです。

緊迫した情勢が続くなか、日本の外務省はバングラデシュの危険情報を不要不急の渡航自粛を求めるレベル2に、アメリカ国務省も最も厳しい「渡航中止の勧告」にそれぞれ引き上げました。

治安が一段と悪化することが懸念される事態となっています。