物流用パレットに統一規格 積み替え手間省くねらい 有識者会議

物流業界で使われているパレットという荷物を載せる台に標準的なサイズを示す統一規格が設けられました。人手不足が課題となる中、サイズが異なることで生じていた荷物の積み替えの手間を省くねらいです。

パレットは物流業界で普及している荷物を載せるための台で、フォークリフトで積み降ろしをすることができ、荷物をまとめて運搬したり倉庫で保管したりする際に使われています。

しかし、商品や会社によってさまざまなサイズのパレットが使われているため、物流業者は届け先で荷物を積み替える手間がかかっていました。

このため、国土交通省などが設けた有識者会議は、パレットについてサイズを1.1メートル四方、高さを14.4センチから15センチなどとする統一の規格を新たに設けました。

物流業界の人手不足が課題となる中、積み替えの手間が省けるほか、規格が統一されればパレットをレンタルして現場で使い回す機会が増え、自社のパレットを届け先で回収して持ち帰るコストも減らせます。

民間のシンクタンク「NX総合研究所」は、統一規格のパレットが普及すれば荷物の積み替えにかかる時間が最大32%、費用も最大16%削減できると試算しています。

シンクタンクの室賀利一シニアコンサルタントは「国が標準的なサイズを示す意義は大きい。生産性が高い物流を確保していくためにも、標準のパレットを使っていくべきではないか」と話しています。