「被爆樹木」弱る 隣のG7広島サミット記念館が影響か 広島

平和の象徴として51年前に広島市の平和公園に移植された「被爆樹木」のアオギリが弱っていて、ことし5月にオープンした「G7広島サミット記念館」の壁に日ざしが反射して生育に影響を与えている可能性があると、樹木医が広島市に報告していたことが分かりました。
市は壁に幕を設置するなどの対策を取る方針です。

このアオギリは、1945年8月、爆心地から1.3キロで原爆の熱線と爆風を受け、幹の半分ほどを失いながら翌年の春も芽吹き、平和の象徴として1973年に平和公園内に移植されました。

今月、広島市の委託を受けて被爆樹木の診断をしている樹木医が2本あるアオギリのうち1本が葉の色が薄くなっていたり、葉が小ぶりになっていたりするなど例年に比べて弱っていると市に報告していたことが分かりました。

樹木医は、アオギリの隣にことし5月にオープンした「G7広島サミット記念館」のアオギリ側の白い壁に日ざしが反射して生育に影響を与えている可能性もあるとしています。

市は報告を受け、今後、記念館の壁と屋根の一部に黒色の幕を設置するなど、アオギリを保護するための対策を取る方針です。

樹木医の堀口力さんは「光の吸収を少なくしようと葉が小さくなったとみられる。枯れまではしないと思うが樹齢100年以上の老木なので何らかの処置が必要だ」と話しています。