防衛省・自衛隊不祥事受け自民と立民 衆院閉会中審査で一致

防衛省・自衛隊で不祥事が相次いだことを受けて、自民党と立憲民主党は衆議院で閉会中審査を行うことで一致し、今月中の開催を目指して調整を進めることになりました。

自民党の浜田国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長が、19日、国会内で会談しました。

この中で両氏は、防衛省・自衛隊で不祥事が相次ぎ、200人以上の隊員らが処分されたことを受けて、防衛省側から詳しい説明を聴く必要があるとして衆議院安全保障委員会で閉会中審査を行うことで一致し、今月中の開催を目指して調整を進めることになりました。

一方、堀井学衆議院議員の事務所などが捜索を受けた事件について浜田氏が陳謝したのに対し、安住氏は、堀井議員が衆議院政治倫理審査会に出席して弁明すべきで国会として環境を整える必要があると主張しました。

また、両氏は旧優生保護法について最高裁判所が国に賠償を命じる判決を言い渡したことを受け、秋の召集が見込まれる臨時国会で補償のための法整備を進めるとともに、反省を示す決議を行う方向で調整することを確認しました。

さらに、ことし4月の衆議院の補欠選挙で選挙運動中に妨害行為が行われたり、先の東京都知事選挙で同一の選挙ポスターが複数、掲示板に貼られたりしたことなどを受けて臨時国会で公職選挙法の改正を目指すことも申し合わせました。

自民 御法川国対委員長代理「今月中に開催で調整」

自民党の御法川国会対策委員長代理は記者団に対し「防衛省の一連の事案について、国会としてきちんと審議したいということだったので、今月中に閉会中審査を開催できるように調整したい」と述べました。

立民 安住国対委員長「国民の信頼失う可能性 深刻な事態」

立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「防衛費の増額を打ち出す中、防衛省・自衛隊に金銭的な不祥事が重なり、国民の信頼を一瞬のうちに失う可能性が高い深刻な事態だ。国民に増税を強いる以上、おのれを律していかないと、自衛隊の存続に関わる。閉会中審査でしっかり議論したい。防衛大臣の首をかえて済むような話にしてはならず、岸田総理大臣の責任もある」と述べました。

また、堀井学衆議院議員の事務所などが捜索を受けたことについて「『裏金』がそのまま香典になった可能性があるのではないか。場合によっては堀井議員を国会に招致する必要がある。政治倫理審査会で弁明を求められている議員はみずから説明すべきだ」と述べました。

参院外交防衛委でも閉会中審査開催へ

防衛省・自衛隊の不祥事を受けて自民党の石井参議院国会対策委員長と立憲民主党の斎藤・参議院国会対策委員長が国会内で会談し、参議院外交防衛委員会で閉会中審査を行うことで一致しました。

林官房長官「今後可及的速やかに報告するよう指示」

林官房長官は午後の記者会見で「大臣への報告が昨夜だったという木原大臣の発言は承知している。事柄の重大性に鑑みれば速やかに大臣まで報告されるべきだった。木原大臣から増田事務次官に対し、事実関係や経緯をしっかりと把握したうえで今後の公表のあり方について可及的速やかに報告するよう指示を行った」と述べました。

防衛省 報道官「関係者の処分を含め厳正に対処したい」

防衛省の安居院報道官は記者会見で「海上自衛隊と人事教育局との間で、逮捕や懲戒処分などについて共有されていたが、人事教育局が適切な判断を行わなかったことにより、大臣や他の幹部に報告されていなかった。報告に至らなかった経緯や原因について、事実関係を確認し、判明した事実に基づいて関係者の処分を含め、厳正に対処していきたい」と述べました。