愛知 犬山 女児死亡 体の広範囲にあざ 長期間暴行受けたか

愛知県犬山市のアパートで、小学1年生の女の子に暴行を加え死亡させたなどとして、母親と内縁の夫が逮捕された事件で、女の子の体の広範囲に、長期間にわたって暴行を受けたとみられるあざがあったことが捜査関係者への取材でわかりました。警察は、日常的な虐待がなかったか捜査を進めています。

ことし5月、愛知県犬山市内のアパートで、小学1年生の島崎奈桜さん(7)に暴行を加え死亡させたなどとして、アパートに住む、会社員の倉田凱容疑者(32)が傷害致死の疑いで、内縁の妻で、奈桜さんの母親の島崎みなみ容疑者(33)が保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕され、19日に検察庁に送られました。

これまでの調べで、奈桜さんは意識不明の状態で病院に搬送されましたが、その後、敗血症性ショックで死亡したということです。

捜査関係者によりますと、体には広範囲にあざがあり、あざの状態から、長期間にわたって暴行を受けたとみられるということです。

母親の実家近くに住む人は

捜査関係者によりますと、母親の島崎容疑者は暴行を受けたとされる奈桜さんを医師などに診せることなく岐阜県内の実家に連れて行ったとみられています。

近くに住む女性は、容体が急変した奈桜さんが救急車で運ばれる様子を見ていました。

女性は「朝8時半ごろに救急車が来て、奈桜さんが救急隊員に抱き抱えられて乗せられていました。奈桜さんは手足がだらんとした状況で運ばれていました」と話していました。

奈桜さんは愛知県犬山市に引っ越すまでは母親の島崎容疑者と一緒に岐阜県内の実家に住んでいたということで、女性は奈桜さんについて「幼稚園に通う姿をよく見かけました。私が畑仕事をしていると『何しているの?』と尋ねてきたので、育てていたキャベツを見せてあげると『おいしそう!』と喜んでくれました。とてもよい子だったので、かわいそうでなりません」と話しました。

愛知県によりますと、奈桜さんは、これまで2回にわたって一宮児童相談センターに「一時保護」されましたが、保護が解除されたあとも、けがが見つかっていて、警察は日常的な虐待がなかったか捜査を進めています。

愛知県 第三者委設置 センターの対応など検証へ

島崎奈桜さんは、これまで2回にわたって一宮児童相談センターに「一時保護」されていて、センターを設置している愛知県は当時の対応などに問題がなかったかを検証するため19日付けで、学識経験者や医師、弁護士など5人の委員からなる第三者委員会を設置しました。

県は、警察の捜査状況を見ながら委員会を開催し、事実関係を把握したうえで、当時のセンターの対応を検証し再発防止策を講じたいとしています。

大村知事は記者会見で「本来守られるべき立場である子どもに虐待が行われることは決してあってはならず、大変残念であり痛恨の極みだ。大切な命が失われたことを重く受け止めなければならない。検証結果を踏まえ、改善が必要なところは改善していかなければならない」と述べました。