欧州議会 EU委員長の続投決定 ウクライナ支援など政策継続へ

ことし秋に任期が終わるEU=ヨーロッパ連合の執行機関のトップ、フォンデアライエン委員長の続投が決まり、気候変動対策やウクライナ支援などの主要な政策が継続されることになります。

EUの議会、ヨーロッパ議会は18日、フランス・ストラスブールで本会議を開き、ことし10月末までの任期となっているEUのフォンデアライエン委員長の続投をめぐり採決を行いました。

その結果、賛成401票、反対284票となり、過半数の賛成で承認しました。

フォンデアライエン氏は65歳。ドイツの国防相などを経たあと、2019年にEUの委員長に女性として初めて就任しました。続投が決まったことで2029年まで務めることになります。

採決に先立ちフォンデアライエン氏は議員を前に演説し、これまで政策の柱に掲げてきた気候変動対策に反発があったことを踏まえ「優先課題は繁栄と競争力だ」と述べて、気候変動対策は進めながらもEU企業の競争力強化に重点をおく姿勢を強調しました。

また、EUは必要なかぎりウクライナを支援すると訴え、ロシアへの強硬な姿勢を維持する方針を示しました。

一方、ヨーロッパ議会では、フォンデアライエン氏を批判してきたハンガリーのオルバン首相が中心となって先月、新たな会派を立ち上げ、EUに懐疑的な右派や極右の政党の多くが参加し、議会で第3の勢力となりました。

この会派に所属する議員らは18日の討論でフォンデアライエン氏の政策を強く批判していて今後、激しい対立も予想されます。