台湾TSMC 4~6月決算 売り上げ過去最高に 市場は米に警戒感も

半導体の受託生産で世界最大手、台湾のTSMCが、先月までの3か月間の決算を発表し、3か月間としては過去最高の売り上げとなりました。AI=人工知能向けなどが好調だったためですが、市場では、アメリカでの半導体業界への規制強化の動きなどに警戒感が広がっています。

TSMCが18日発表したことし4月から先月までの3か月間の決算によりますと、売り上げは去年の同じ時期と比べて40.1%増えて6735億台湾元、日本円で3兆2300億円余りと、3か月間としては過去最高となりました。

また、最終的な利益は36.3%増えて2478億台湾元、日本円で1兆1800億円余りとなり2四半期連続で増収増益となりました。

これは、AI向けなどの最先端の半導体の需要が拡大したためです。

その一方で、アメリカのバイデン政権が半導体業界への規制強化を検討していると伝えられたほか、トランプ前大統領が、台湾がアメリカの半導体技術を奪ったなどと発言したとも伝えられたことで、市場では、警戒感が広がっています。

これについて、魏哲家CEOは記者会見で、アメリカのアリゾナ州や日本の熊本県など、海外での生産を拡大する戦略に変更はないとしたうえで、「スマートフォンやAI関連の強い需要に支えられることを期待している」と述べ、堅調な業績が続くという見通しを示しました。