日米韓の制服組トップが会談 異例の中国言及 連携深める考え

自衛隊とアメリカ軍、韓国軍の制服組トップが会談し、中国に言及した上で力による一方的な現状変更の試みに反対すると表明しました。3か国の制服組トップが中国に言及するのは極めて異例で、北朝鮮だけでなく、中国への対応についても、連携を深めていく考えを示した形です。

会談は18日東京の防衛省で行われ、自衛隊の吉田統合幕僚長とアメリカ軍のブラウン統合参謀本部議長、韓国軍のキム合同参謀本部議長が出席しました。

冒頭で吉田統合幕僚長は「中国による東シナ海や南シナ海における現状変更の試みなど、安全保障環境は悪化の一途をたどっている。地域の平和と安定を確保するため議論したい」と述べました。

また、ブラウン統合参謀本部議長は「地域の脅威に対するメッセージになると期待している」と述べたほか、キム合同参謀本部議長は「北朝鮮の核脅威などこの地域の情勢は複雑化していて、会議は意義がある」と述べました。

会談後に出された共同声明では、最初に北朝鮮に言及し、挑発行為に対応するためとして3か国の緊密な連携を強化し、完全な非核化に向けた連携を続けることを誓約したとしています。

そして、中国が南シナ海などで不法な海洋権益に関する主張をし攻撃的な行動をしているとした上で、力による一方的な現状変更の試みに反対すると表明しています。

その上で、台湾海峡の平和と安定の維持が重要であることを再確認したとしています。

3か国の制服組トップが中国に言及するのは極めて異例で、北朝鮮だけでなく中国への対応についても連携を深めていく考えを示した形です。

一方、吉田統合幕僚長は17日、6年前の韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題以降、初めてキム合同参謀本部議長と個別に会談し、地域情勢などについて意見を交わしたということです。