ロシア駐在のルーマニア外交官 “北方領土を観光目的で訪問”

ロシアに駐在するルーマニアの外交官が観光目的で北方領土を訪れたことをロシアの国営メディアが伝えました。欧米諸国の外交官が北方領土を訪れるのは異例で、サハリンの日本総領事館は「事実関係を確認中だ」としています。

国営のロシア通信は今月12日、ロシアに駐在するルーマニアのリリアナ・ブルダ公使が北方領土の国後島と色丹島を観光目的で訪問したと伝えました。

ツアーを企画したサハリン州の観光会社のSNSには、ブルダ公使とみられる人物が水の中に入って楽しむ写真などが投稿されています。

北方領土をめぐってはロシア当局が訪問の際に許可を取得することを義務づけています。

ロシア通信はブルダ公使は「ロシアの法律に基づいて、必要な許可をすべて取得した」などと伝えています。

欧米諸国の外交官が北方領土を訪問するのは異例で、サハリンの日本総領事館は「事実関係を確認中だ」としています。

林官房長官「事実であれば受け入れられない」

林官房長官は午後の記者会見で「ルーマニア側に連絡を取り事実関係を確認しているが、現時点で説明は得られていない。仮に訪問が事実であれば、北方四島に関するわが国の立場から受け入れられないという点は伝達している。いずれにしてもロシアとの関係も含め、北方四島に関するわが国の立場を踏まえて適切に対応する」と述べました。