北陸新幹線 延伸の建設費 従来想定の2倍近くに膨らむ可能性

北陸新幹線の新大阪までの延伸をめぐり、予定されている「小浜・京都ルート」の建設費を国土交通省が精査したところ、従来の想定の2倍近くに膨らむ可能性があることが分かり、今後、財源や費用対効果についての議論が進められる見通しです。

北陸新幹線の新大阪までの延伸をめぐっては、与党のプロジェクトチームが福井県小浜市を通って京都駅に南下する「小浜・京都ルート」で建設する方針を決め、2025年度中の着工を目指しています。

関係者によりますと、国土交通省はこの建設費について精査を進めていますが、資材や人件費の高騰などからこれまで見込んでいた2兆1000億円程度の2倍近くに膨らむ可能性があるということです。

北陸新幹線の新大阪への延伸は、京都府内での環境影響評価が遅れていることなどから、早期の延伸を求めて滋賀県の米原駅を経由するルートへの見直しを求める声もあり、この場合も同様の理由で従来の5900億円程度から大きく増える可能性があるということです。

建設費が増えると費用対効果が低下することになりますが、これについても訪日外国人の急増といった最近の情勢を踏まえて経済効果をどう見込むかなどを検討するということです。

今後、与党や国交省などで財源や費用対効果についての議論が進められる見通しです。

林官房長官「国土交通省で検討を進める」

林官房長官は午後の記者会見で「建設費や開業に向けたスケジュールは詳細な駅の位置やルートが前提となるため、現段階で確定的なことを申し上げるのは困難だ。まずは詳細な駅の位置やルートの案をできるかぎり早く示せるよう国土交通省で検討を進める」と述べました。