イラン ロシアから大量の天然ガス受け入れる契約合意

イラン政府は、ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアから大量の天然ガスを受け入れる契約で合意したと発表しました。欧米からの反発が予想され、今月大統領に就任するペゼシュキアン氏にとってはみずから掲げる欧米との関係改善に向けて難しいかじ取りを迫られそうです。

イランの国営通信によりますと、オジ石油相は17日、「イラン国営ガス会社」がロシアの政府系ガス会社、「ガスプロム」と契約を結び、天然ガスの供給を受け入れることで合意したと発表しました。

天然ガスはイランを経由して周辺国に送られるほか、イラン国内でも消費されるということです。

イランは天然ガスの埋蔵量で世界有数の規模を誇りますが、アメリカによる経済制裁の影響などで、施設の維持や新たな掘削に充てる資金が不足し、夏や冬のピーク時には発電などに使うガスが足りなくなる事態も起きています。

今回の契約で年間に輸送される天然ガスはイランの年間生産量の3分の1にあたり日本円にして最大1兆8000億円余りにのぼる見込みだということです。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けてヨーロッパはロシア産天然ガスへの依存を大幅に減らしていて、今回の合意に反発も予想されます。

今月28日にイランの大統領に就任する改革派のペゼシュキアン氏は、ロシアとの親密な関係を維持する姿勢を示す一方、欧米との関係改善を掲げていますが、難しいかじ取りを迫られそうです。