与党敗北のフランス 首相の辞表受理も後任見通し立たず

フランスでは、議会下院の選挙での与党の敗北を受けて、マクロン大統領がアタル首相の辞表を受理しました。ただ、選挙で最大勢力となった左派の連合は、次期首相の候補の人選をめぐり意見が割れていて、後任の首相が決まるまでアタル氏が暫定的に実務を続けるとしています。

フランスでは、7月7日に決選投票が行われた議会下院にあたる国民議会の選挙の結果、当初、躍進が予想されていた極右政党に代わって左派の連合が最大勢力となった一方、マクロン大統領率いる中道の与党の連合は議席を大幅に減らしました。

これを受けてアタル首相は8日、マクロン大統領に辞表を提出し、フランス大統領府によりますと、16日、辞表は受理され、アタル内閣は総辞職することになりました。

一方、選挙の結果最大勢力となった左派の連合は、後任の首相候補の人選をめぐり政党間で意見が割れていて、合意には至っていません。

このため後任の人事が決まるまではアタル氏らが暫定的に実務を続けることになり、16日、地元のテレビに出演したアタル氏はマクロン大統領から後任の首相が決まるまでに数週間かかる可能性があると、説明を受けたことを明らかにしました。

フランスでは来週、パリオリンピックが開幕しますが、国民議会の選挙のあと不安定な政治状況に陥っています。