米共和党大会 ヘイリー氏が強い支持表明 トランプ氏 結束図る

アメリカ・共和党の全国党大会は16日、トランプ前大統領と党の指名争いを繰り広げたヘイリー元国連大使が演説し、トランプ氏への強い支持を表明しました。トランプ氏は、かつてのライバルからも強い支持を受けていることを示すことで党の結束を図り、政権奪還に向けて、今後の選挙戦に臨む構えです。

選挙演説中に銃撃されけがをしたトランプ前大統領は、党大会初日に続いて2日目の16日も会場に姿を見せ、党の候補者選びで指名を争ったヘイリー元国連大使やデサンティス・フロリダ州知事の演説を見守りました。

このうちヘイリー氏はトランプ氏から団結の名のもと演説を依頼されたと明らかにしたうえで、「トランプ氏は私の強い支持を得ている」と述べ、トランプ氏も立ち上がって拍手を送りました。

ヘイリー氏は「トランプ氏に100%同意しなくてもいい。われわれには救わなければならない国があり、そのためには共和党の結束が不可欠だ」と述べて、意見の違いを乗り越えてトランプ氏のもとで団結するよう呼びかけました。

ヘイリー氏には候補者選びから撤退したあとも、トランプ氏と距離を置く一部の共和党員からの支持があるほか、無党派層からも一定の支持を集めていると言われています。

また、デサンティス知事も「トランプ氏をホワイトハウスに戻そう」と訴えました。

激戦州ではわずかな得票差で勝敗が決するとみられ、トランプ氏は、かつてのライバルからも強い支持を受けていることを内外に示すことで党の結束と支持の拡大を図り、政権奪還に向けて、今後の選挙戦に臨む構えです。

代議員 “ヘイリー氏の演説 期待以上”

ヘイリー氏の演説について、西部ワシントン州の代議員の女性は「期待以上だった。過去のすべての分断を乗り越え、団結する準備が整った」と評価しました。

また南部フロリダ州の代議員の男性は「ヘイリー氏のメッセージは、トランプ氏の選挙戦に役立つ。ヘイリー氏の支持者たちは必ずしもトランプ氏に共感してはいなかったが、彼女が団結の重要性を語ったことで、こちらに引き入れることになるだろう」と話していました。

一方、南部テキサス州の代議員の男性は「ヘイリー氏は正しいことをした。トランプ氏を支持するというなすべきことをした。そうしなければ、彼女はブーイングを浴びてステージを下ろされただろう。彼女がトランプ氏を支持したことをうれしく思うし党の団結のためにもよかった」と話していました。

大勢の支持者がトランプ氏とバンス氏のグッズを買い求める

全国党大会の会場には党の大統領候補のトランプ前大統領と副大統領候補に指名されたばかりのバンス氏の名前が書かれたTシャツが早速販売され大勢の支持者たちが次々と買い求めています。

また会場近くの露店には、銃撃されたトランプ氏が立ち上がって拳を突き上げる様子が描かれたTシャツやバッジなども売り出されていました。

トランプ氏とバンス氏のTシャツを購入した、ミシガン州から訪れた男性は「事件を乗り越えて闘うトランプ氏の姿を見ることができたのはすばらしいことだった。バンス氏は海兵隊員から副大統領候補に選ばれたサクセスストーリーそのものだ」と話していました。

20日に大規模な選挙集会を開催へ

トランプ陣営は、共和党の全国党大会が閉幕したあと、20日に中西部ミシガン州で大規模な選挙集会を開くと発表しました。

13日の銃撃事件後、初めての選挙集会になるとみられ、党大会で副大統領候補に指名されたバンス上院議員も参加するとしています。

トランプ氏の側近「銃所持の権利を支持」

トランプ氏に対する銃撃事件が起きたことで、アメリカで銃規制の在り方に改めて関心が集まる中、共和党の全国党大会が開かれている会場近くで16日、銃規制に反対する人たちのイベントが開かれました。

このなかでトランプ氏の側近で陣営幹部のラシビータ氏が講演し、トランプ氏が再選した場合の銃規制へのスタンスについて「銃所持の権利を認める憲法修正2条を支持し、守り続けることになる」と述べ、事件を経ても銃規制に反対する姿勢は変わらないとの見方を示しました。

また、集会に参加した男性は銃撃事件について「とても悲劇的だ」とする一方、「憲法修正2条を支持することに変わりはない。銃は手段であって、良いようにも悪いようにも使うことができる」と述べ、事件のあとも、銃を所持する権利は認められるべきだとする考えに変わりはないとしていました。

大統領選挙でトランプ氏は、有力なロビー団体で、銃規制に反対するNRA=全米ライフル協会の支持を得ていて、これまで規制に反対する姿勢を強調してきました。

ただ、銃撃事件のあとは、銃規制をめぐる問題について言及していません。