空海が拠点とした神護寺に伝わる名品の特別展 あすから 上野

真言宗を開いた空海が拠点とした京都の神護寺に伝わる彫刻や絵画などを集めた特別展が、17日から東京 上野の東京国立博物館で始まるのを前に、16日、内覧会が開かれました。

この展覧会は、当時の中国・唐で密教を学び帰国後に真言宗を開いた空海が拠点とした京都の神護寺がことし創建1200年になるのにあわせ開かれるもので、会場には寺に伝わる彫刻や絵画など17件の国宝を含む、密教美術の名品などおよそ100件が展示されています。

このうち、寺の外では今回が初公開となる国宝の「薬師如来立像」(やくしにょらいりゅうぞう)は、ほぼ1本の木から彫り出された重量感のある造形と威厳に満ちた表情が特徴で、平安初期の彫刻の最高傑作とされています。

また、4メートル四方の大きさに密教の世界を表現した国宝の「高雄曼荼羅(たかおまんだら)」は「紫根」と呼ばれる染料を使って高貴な紫色に染め上げた絹地に金色や銀色の線でたくさんの仏が描かれています。

このほか、鎌倉幕府を開いた源頼朝の姿として伝わる有名な肖像画も展示されています。

東京国立博物館の研究員、古川攝一さんは「歴史の荒波を乗り越えてきた迫力やオーラを感じてもらうとともに、次の時代につないできた人たちの思いも感じてほしい」と話していました。

特別展は、東京国立博物館で17日から9月8日まで開かれています。