【詳細】イスラエル・パレスチナ 中東情勢(7月16日)

イスラエルとイスラム組織ハマスとの停戦などに向けた交渉が難航する中、ガザ地区ではこの数日のイスラエル軍の攻撃で住民の犠牲が急増していてアメリカ政府は深刻な懸念を示し、イスラエル側に一刻も早い停戦の実現を働きかけています。

※中東情勢に関する日本時間7月16日の動きを随時更新してお伝えします。

イスラエル軍 空爆や地上戦続け 多くの死傷者

イスラエルとハマスとの停戦や人質の解放に向けた交渉は、ハマスの壊滅を目指すイスラエルと、恒久的な停戦やイスラエル軍のガザ地区からの撤退を求めるハマスとの隔たりが依然として大きく、難航しています。

こうした中、イスラエル軍は16日もガザ地区の各地で空爆や地上部隊による作戦を続け、パレスチナのメディアは、南部のラファで住宅地が爆撃され4人が死亡するなど多くの死傷者が出ていると伝えています。

ガザ地区の保健当局は、今月13日のハマスの軍事部門のトップを狙ったとするイスラエル軍の空爆で少なくとも90人が死亡したと発表しているほか、翌日にも多くの住民が避難する学校が空爆され22人が死亡したとしていて、ここ数日の攻撃で住民の犠牲が急増しています。

米国務省報道官 “住民の死傷者に深刻な懸念”

アメリカ国務省のミラー報道官は15日「最近の住民の死傷者について深刻な懸念を伝えた」と述べ、イスラエル側に一刻も早く停戦を実現するよう働きかけたとしています。

ガザ地区の多くの住民が避難する地域では、浄水設備を動かす燃料が切れ飲み水が手に入らなくなったとも伝えられ、停戦の見通しが立たない中で住民は爆撃の脅威にさらされながら厳しい生活を強いられています。

“イスラエル側は交渉中でもハマス幹部標的”レバノン報道

イスラエルとハマスの間では停戦と人質の解放に向けた交渉が続いていますが、レバノンメディアによりますと、イスラエル側の交渉団は仲介国のエジプトに対し「合意に達しないかぎり、軍事作戦は停止しない。交渉中でもハマス幹部を標的にし続ける」と伝えたということで、軍事的な圧力を強めていく姿勢を示しています。

イスラエルメディアは、イスラエルの交渉団が近く仲介国のカタールを訪れて協議を続けるとの見通しを伝えているものの、恒久的な停戦の保証やガザ地区からのイスラエル軍の撤退の範囲などをめぐり双方の立場の隔たりは大きく、交渉が進展するかは依然として不透明な情勢です。