【詳細】イスラエル・パレスチナ 中東情勢(7月15日)

イスラエル軍は、ガザ地区でイスラム組織ハマスの軍事部門のトップをねらった空爆を行ったあとも、連日、激しい攻撃を続けていて、軍事的圧力を強めています。停戦や人質の解放に向けた交渉は続けられるとの見方が出ていますが、イスラエルとハマスの間の隔たりは大きく、難航が予想されます。

※中東情勢に関する日本時間7月15日の動きを随時更新してお伝えします。

イスラエル軍 ガザ中部で学校を空爆 少なくとも15人死亡

イスラエル軍は、7月13日にガザ地区南部でハマスの軍事部門のトップらを標的にした空爆を行ったあとも、連日、激しい攻撃を続けています。

14日には中部のヌセイラトで多くの住民が避難する学校を空爆し、パレスチナのメディアは女性や子どもなど少なくとも15人が死亡したと伝えています。

ガザ地区の保健当局は、これまでの死者は3万8584人にのぼると発表しています。

イスラエル有力紙 “停戦や人質の解放に向けた交渉は継続”

イスラエル軍が軍事的圧力を強めていることにハマス側は強く反発していますが、イスラエルの有力紙ハーレツは15日、「停戦や人質の解放に向けた交渉は継続している」とのイスラエル当局者の話を伝え、近くイスラエルの交渉団が再び仲介国のカタールを訪れる見通しだとしています。

ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスを壊滅するまで戦闘を継続すると繰り返し発言し、先週にはガザ地区への物資の搬入経路となるエジプトとの境界地帯をイスラエル軍が管理することなどを条件として主張したことで、恒久的な停戦とイスラエル軍の撤退を求めるハマスとの隔たりはさらに広がっているとみられていて、交渉は難航が予想されています。

“ハマス軍事部門トップ標的の空爆”めぐり

イスラエル軍は13日にガザ地区南部のハンユニスで、ハマスの軍事部門のトップ、デイフ司令官らを標的にした空爆を行い、ガザ地区の保健当局は、多くの住民が巻き込まれて少なくとも90人が死亡し、300人がけがをしたと明らかにしました。

イスラエル軍は14日、この空爆でデイフ司令官の側近を殺害したと発表しましたが、司令官本人については殺害したという確証が得られていないとしています。

一方のハマス側は、アラブ系メディアなどに対し「司令官は無事だ」と主張していて、情報戦の様相も見せています。

カタールなど仲介国やアメリカが交渉の立て直し図れるか

ハマスはイスラエルへの反発を強めていますが、停戦などに向けた交渉について一部のメディアがハマス側が中断を示唆していると報じたことに対しては、ハマスの幹部が14日の声明で「事実ではない」と否定し、交渉を継続する立場を示しています。

軍事的圧力を強めるイスラエルにハマスが不信感を募らせる中、カタールなどの仲介国やイスラエルを支援するアメリカが交渉の立て直しを図れるかが焦点となっています。