イスラエル軍の空爆で死者90人に ハマス「交渉妨げ」と反発

イスラエル軍によるイスラム組織ハマスの軍事部門のトップを狙った空爆で地元の保健当局は少なくとも90人が死亡し、300人がけがをしたと発表しました。ハマスの最高幹部は「イスラエルの姿勢は交渉を妨げている」と強く反発していて、停戦をめぐる交渉の行方はいっそう不透明となっています。

ガザ地区への攻撃を続けるイスラエル軍は13日、南部ハンユニスでハマスの軍事部門のトップ、デイフ司令官らを標的にした空爆を行いました。

ガザ地区の保健当局はこの空爆で少なくとも90人が死亡し、300人がけがをしたと発表しました。

イスラエルのネタニヤフ首相は会見で司令官の殺害について確証は得られていないとしながらも「われわれはハマスのすべての指導者にたどりつくだろう」と述べ、軍事的な圧力を強める姿勢を示しました。

イスラエルの有力紙ハーレツは、軍関係者の話としてデイフ司令官が死亡した場合、ハマスの戦意をそぎ、残る幹部への圧力になるとして、停戦と人質の解放に向けた交渉でイスラエル側にとって有利に働く可能性があるとの見方を伝えています。

一方、ハマスは空爆は8万人以上の住民が避難生活を送る地域で行われたとして非難していて、ハニーヤ最高幹部は「イスラエルの姿勢は交渉を妨げている」と強く反発しています。

また、ハマスの幹部はAFP通信の取材に対し、交渉の中断も示唆していて、停戦をめぐる交渉の行方はいっそう不透明となっています。