中国 政権転覆謀った罪で服役の元人権派弁護士 出所も監視下か

中国で政権転覆を謀った罪で実刑判決を受けた元人権派弁護士が刑期を終えて出所し、関係者によりますと、政治的な権利を剥奪され、出国も制限されているということです。出所後も当局の監視下に置かれているとみられます。

元人権派弁護士の常イ※平氏は、4年前に中国当局に拘束され、弁護士資格を剥奪されたあと、政権転覆を謀った罪で懲役3年6か月の実刑判決を受けました。

常氏は長年、人権活動家などの弁護を担当し、市民の政治参加などを訴える「新公民運動」のメンバーたちの会合にも参加したことで、当局にたびたび拘束されました。

常氏の友人によりますと、常氏は刑期を終えて、8日に内陸部の陝西省の刑務所から出所し、その後、戸籍のある南部の海南島に移送されたということです。

常氏は「実家がある陝西省に戻る予定だが、仕事など今後について考えることができていない」と話していたということです。

常氏の妻は、不当な拘束だと訴え続けていましたが、当局の嫌がらせが激しくなったとして、子どもとともに、おととしアメリカに亡命しています。

常氏は政治的な権利を剥奪されているうえに、2年間は出国できず、妻子との再会は難しいということです。

中国当局はこれまでも出所した元人権派弁護士を監視し、問題があるとみなせば再び身柄を拘束していて、常氏は出所後も当局の監視下に置かれているとみられます。

※「イ」は王へんに偉のつくり

常氏の妻 “監視された状態にあり憤り感じる”

出所した常氏の妻の陳紫娟さんはNHKの取材に対し、亡命先のアメリカから音声メッセージを寄せました。

それによりますと陳さんは常氏が出所した8日、常氏の父親の携帯電話を通じてビデオ通話で話すことができたということです。

夫の様子について陳さんは「とてもやつれていて、少し老けたようにも感じた。刑務所での生活が身体に一定の影響を与えていると思う」と話し、特に心理的なストレスの影響を懸念しています。

また、陳さんによりますと常氏は出所後も警察当局の監視下にあるということです。

陳さんは「完全に解放されたわけではなく監視された状態にあり、出国も制限されていて非常に憤りを感じる。私たち家族には彼が必要だ」と話し、中国当局に対し、夫の出国を認めるよう求めています。

その上で、陳さんは「これまでにも、出所した元人権派弁護士やその家族が、当局からひどい嫌がらせを受け、通常の生活ができていない」と訴え、中国当局の対応を非難しました。