NATO首脳会議 ウクライナ支援強化を打ち出す見通し

NATO=北大西洋条約機構は9日から、アメリカ・ワシントンで首脳会議を開きます。創設75周年を記念し、NATOの存在意義を内外に示すとともにウクライナ支援の強化を打ち出す見通しです。

NATOの首脳会議は9日から11日にかけてワシントンで開かれます。

ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、NATOはことしスウェーデンが加盟して32か国体制となり、この春には創設75周年を迎えました。

首脳会議では9日には記念の式典を行って、NATOの存在意義を内外に示すとともに、今後のウクライナ支援について協議します。

NATOのストルテンベルグ事務総長は、今回の会議で
▽ウクライナへの軍事支援でNATOの役割を強化し、各国の兵器の供与やウクライナ軍兵士の訓練の調整を担うことや
▽軍事支援を続けるための資金面での支援についても合意し、支援の強化を打ち出すという見通しを示しています。

また、今回も日本を含むインド太平洋の4か国が出席し、連携強化を進めるほか、ウクライナのゼレンスキー大統領も出席する予定です。

ヨーロッパでは、ことし秋のアメリカ大統領選挙でNATO加盟国がアメリカに防衛を依存しているなどと批判するトランプ氏が返り咲いた場合に、NATOの結束への影響を懸念する声も上がっています。

ストルテンベルグ事務総長は、アメリカで開催される今回の首脳会議を通じて、アメリカにとってもNATOは重要な存在だという考えを改めて強調するとみられます。

ロシア報道官「どんな交渉行われ 決定なされるか注視」

9日から始まるNATO=北大西洋条約機構の首脳会議について、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、9日、ロシアメディアに対し「NATOがロシアを敵視する同盟であることは明らかであり、ウクライナの側に立って、この紛争に直接関与している同盟でもある」と指摘しました。

その上で、ペスコフ氏は「首脳会議で、どんな交渉が行われ、どんな決定がなされるのか注視していく」と述べ、NATO側をけん制しました。