ネタニヤフ首相 恒久的停戦に反対の立場示し懸念の声が広がる

イスラエルのネタニヤフ首相がイスラム組織ハマスとの恒久的な停戦に反対する強硬な立場を示したことで、現在も続いている停戦に向けた交渉に悪影響が及ばないか、懸念の声が広がっています。

イスラエルとハマスの間では停戦と人質解放に向けた交渉がエジプトやカタールの仲介で続いていて、第1段階で6週間停戦し、その後、恒久的な停戦を目指す案が協議されています。

アメリカのニュースサイトアクシオスは8日、CIA=中央情報局のバーンズ長官らがイスラエルの治安機関などによる交渉団と協議するため、仲介国のエジプトの首都カイロに到着したと報じました。

一方、イスラエルのネタニヤフ首相は停戦交渉について7日の声明で「いかなる合意でも戦争の目標が達成されるまでは戦闘を再開できる」として、ハマスの壊滅が実現しないかぎり恒久的な停戦に反対する強硬な立場を改めて示しました。

ハマスが交渉で譲歩する姿勢を示したと伝えられるなかで、ネタニヤフ首相による強硬な姿勢に対して国内からも批判的な声も上がっています。

最大野党のラピド党首は「ネタニヤフの発言は有害であり何よりも不必要だ」と述べました。

さらにハマスもネタニヤフ首相の発言について「停戦実現のため、ハマスが柔軟で肯定的な姿勢を示すさなか、ネタニヤフが交渉を妨害している」と批判しました。

交渉がとん挫すれば人質の解放も遠のくことになり、イスラエル国内からさらなる批判が広がる可能性も出ています。