ロシア軍が激しい攻撃 キーウで小児科病院被害 全土で28人死亡

ウクライナで8日、ロシア軍による激しい攻撃があり、首都キーウで小児科の病院が大きな被害を受けるなど、全土で少なくとも合わせて28人が死亡しました。ロシアはエネルギー関連施設などに損害を与えられたことへの報復だと強調している一方、ゼレンスキー大統領は、ロシアを改めて強く非難しました。

ウクライナでは8日午前、首都キーウや東部のドニプロペトロウシク州、それにドネツク州などに激しい攻撃があり、地元の当局や知事などによりますと、全土で少なくともあわせて28人が死亡したということです。

このうち、首都キーウの当局によりますと、市内中心部の7つの地区で、火災が起きるなどして、少なくとも15人の死亡が確認されたということです。

けが人も複数いるとしています。

被害を受けた建物の中には、小児科の病院も含まれていて、キーウ市のクリチコ市長によりますと、子どもを含む複数の人が被害を受けているということです。

保安当局は、ロシア軍が巡航ミサイルを使って病院を攻撃したと強く非難しました。

一方、ロシア国防省は8日、SNSで声明を出し、今回の攻撃は、ウクライナ側がロシアのエネルギー関連施設などに損害を与えたことへの報復だったとして「ロシア軍はウクライナの軍需産業施設や空軍基地に対して、長距離の精密誘導兵器による攻撃を行った」と強調しています。

そのうえで「ロシアが意図的に民間施設をミサイルで攻撃したとされているが、ウクライナ側が述べていることは、全くの事実無根だ」として、キーウ市内で相次いだ被害は、ウクライナ側の防空ミサイルの落下によるものだと主張しています。

ゼレンスキー大統領は8日、自身のSNSで「全世界があらゆる決意を持って、ロシアの攻撃に終止符を打たなければならない」と、ロシアのプーチン大統領を改めて強く非難しました。