“82年前 日本本土への初の空襲” 体験者が高校生へ証言 東京

82年前、アメリカ軍による日本本土への初めての空襲で被害を受けた東京 荒川区で高校生が実際に空襲を体験した男性から話を聞く授業が行われました。

昭和17年4月、アメリカ軍が日本の本土に対して初めてとなる空襲を荒川区の尾久地区に行い、およそ10人が亡くなったとされています。

8日は区内の北豊島高校で地元であった空襲について学ぶ授業が行われ、空襲体験者の堀川喜四雄さん(91)が当時の状況などを証言しました。

堀川さんは自分で描いた絵を見せながら、1人で自宅にいたときに焼い弾が落ちてきて自分はなんとか逃げて無事だった一方で、隣に住む友達が爆弾が直撃した家の下敷きになって亡くなったと説明しました。

そして、この友達への思いをしたためた手紙を紹介し「苦しかったでしょうね。悔しかったでしょうね。無念だったでしょうね。私は助かってごめんね。私は今、戦争の悲惨さや不条理を学校などで訴えています。それが生き残った私の役割で、義務だと思っています」と語りかけていました。

このあと、生徒たちはグループに分かれて話し合ってそれぞれ出た意見を発表し、「戦争のリアルな話を聞いて戦争に対する見方が変わりました」などと述べていました。

堀川さんは「世界各地で戦争が起きているため、今、空襲の話をすることは意味のあることだと思います。戦争は民間人も犠牲になるので絶対に反対です」と話していました。