安倍元首相 死去から2年 安倍派の議員らが銃撃現場で黙とう

安倍元総理大臣が銃撃されて亡くなってから2年となるのに合わせ、自民党安倍派の参議院議員らが現場を訪れて黙とうをささげました。

安倍元総理大臣が奈良市で参議院選挙の応援演説中に銃撃されて亡くなってから、7月8日で2年となります。

自民党の山本順三 元国家公安委員長ら、安倍派の参議院議員や派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で処分を受けて離党した世耕 元経済産業大臣らおよそ30人が現場を訪れました。

そして、事件が起きた午前11時半ごろに花を手向けて黙とうをささげました。

このあと、山本氏は記者団に対し「黙とうをささげて一安心し、新しい時に向かって頑張ろうという思いをお互い固められた。大変お世話になった安倍元総理大臣に、心からの思いを込めたお参りであり、自然発生的にこのような形になった」と述べました。

林官房長官「改めて敬意を表し 哀悼の誠をささげる」

林官房長官は午前の記者会見で「安倍元総理大臣がさまざまな分野で多大な功績を残されたことに対し、改めて敬意を表するとともに哀悼の誠をささげる」と述べました。

そのうえで「自由で公正な選挙は民主主義の根幹をなすもので、卑劣な暴力行為は断じて許されるものではない。引き続き、安全の確保と選挙活動の両立に努めていくことが重要だ」と述べました。

また、旧統一教会をめぐる問題について「引き続き政府一丸となって、関係法令に基づいた万全かつ厳正な対応と被害者救済に最大限、取り組んでいく」と述べました。

立民 野田元首相 地元有権者への文書で哀悼の意

おととし、衆議院本会議で安倍元総理大臣の追悼演説を行った立憲民主党の野田元総理大臣は、8日、地元の有権者に配布した文書で改めて、哀悼の意を表しました。

この中で「私も安倍氏が亡くなった67歳になり、改めて非業の死を悼みたい。追悼演説はわが政治人生で最も難しいもので、悶絶しながら草稿を練り、激しい論戦をした政敵への敬意を示した」としています。

そのうえで、安倍派の政治資金パーティーをめぐる事件に触れ「安倍氏はパーティー収入のキックバックを中止するよう指示したが、逝去のあと幹部が還付の再開を決定したと会計責任者が法廷で証言している。国会の政治倫理審査会で、幹部たちはキックバックの再開について『知らない』とか『関係していない』と弁明した。安倍氏は自らが手塩にかけて育て、目をかけて登用した後輩に裏切られ、天上で心を痛めているだろう」とつづっています。

安倍派の中堅 若手衆院議員ら20人余が墓参り

自民党安倍派の中堅・若手の衆議院議員ら20人余りが山口県長門市にある安倍氏の墓を訪れました。

一行は墓前で順番に焼香し、手を合わせていました。

このあと福田達夫元総務会長は、記者団に対し「安倍晋三という政治家がいなくなった穴は、この2年間開きっぱなしで、埋めきれていないのが今の政治状況だ。われわれの世代がどう穴を埋めるのか考えなければならない」と述べました。

救命処置にあたった医師「事件を思い出さない日は一日もない」

事件が起きた直後、現場に駆けつけて安倍元総理大臣の救命処置にあたった医師がNHKの取材に応じ「命を救えず申し訳なかったという思いがあり、事件を思い出さない日は一日もない」と心境を語りました。

奈良市の近鉄・大和西大寺駅前で内科のクリニックを開業している中岡伸悟医師(66)はおととしの7月8日、診察中に「安倍さんを助けて」などという声を聞き、クリニックが入るビルからおよそ10メートルの現場に駆けつけました。

到着した時、安倍元総理大臣は路上に倒れていて、周囲は騒然としていたということです。

その様子を見た中岡さんは救急車が来るまでの間、現場で心臓マッサージなどの救命処置を行いました。

中岡さんは「危険な状態であることはすぐに分かりました。まもなく救急車が到着すると思ったので、短時間でできる処置を考えながら行った」と話しています。

しかし、元総理大臣はその後、搬送先の病院で亡くなりました。

中岡さんは事件から2年がたった今も「命を救えず申し訳なかったという思いがあり、事件を思い出さない日は一日もない」と話します。

また、事件の後の報道で山上被告が旧統一教会に恨みを募らせた末、事件を起こしたなどと供述していたことを知った中岡さんは、人の命を奪うことは許されないとしたうえで、悩みを抱えている人とどう向き合うべきか考えるようになったといいます。

クリニックでの診察の際には、患者の話にこれまで以上に耳を傾けるようになったということです。

中岡さんは「被告の家庭はかなり悲惨な状況に追い込まれていたとも聞きました。だからといって決して今回のような手段をとってはならない。深い悩みやストレスを感じている時に誰かが真剣に話を聞いていれば状況は大きく変わっていたかもしれません。現場で救命処置にあたった立場として、これからも患者としっかり向き合っていくことが大事だと考えています」と話していました。