旧大口病院 入院患者3人を殺害 元看護師の無期懲役が確定

横浜市の病院で入院患者3人の点滴に消毒液を混入して殺害した罪などに問われた元看護師の裁判で、6月の東京高等裁判所の判決について、検察、弁護側の双方が上告せず、無期懲役が確定しました。

横浜市神奈川区の旧「大口病院」の元看護師、久保木愛弓被告(37)は、8年前の2016年9月に70代から80代の入院患者3人の点滴に消毒液を混入し殺害した罪などに問われ、検察は死刑を求刑していました。

2審の東京高等裁判所は6月19日に「1審で裁判員を含めて慎重な議論が行われ、死刑という判断に至らなかったのであれば、死刑を科すことは許されない。生涯をかけて自身が犯した罪の重さと向き合わせ、立ち直らせるのが相当だ」として、1審に続いて無期懲役を言い渡しました。

これについて、期限の7月3日までに双方から上告はなく、久保木元看護師を無期懲役とする判決が確定しました。

東京高等検察庁の伊藤栄二次席検事は「判決内容を十分に精査したが、適法な上告理由が見いだせなかった」としています。