損保大手4社のカルテル認定 審査継続し処分決定へ 公取委

損害保険大手4社が、企業向けの保険契約などで保険料を事前に調整していた問題をめぐり、公正取引委員会は、契約の一部で独占禁止法が禁じるカルテルが結ばれていたと認定し、4社に通知しました。自治体相手の保険契約での事前調整や、談合の疑いでもさらに審査を継続し、最終的な処分を決定するとみられます。

「東京海上日動火災保険」、「損害保険ジャパン」、「三井住友海上火災保険」、「あいおいニッセイ同和損害保険」の4社は、あわせて500を超える企業や自治体との保険契約で保険料の事前調整を行っていたとして、去年12月、金融庁から業務改善命令を受けました。

公正取引委員会は、これらの保険契約が独占禁止法に違反していないか、立ち入り検査を行うなどして審査を進めています。

関係者によりますと公正取引委員会は、審査対象となったうち、東京の私鉄大手「東急」との保険契約で4社が、「仙台国際空港」との契約で「あいおいニッセイ同和損害保険」を除く3社が独占禁止法が禁じる「カルテル」を結んでいたとこれまでに認定し、4社に対し再発防止などを求める排除措置命令を出す方針を通知したということです。

今回の問題で独占禁止法違反の認定が行われたのは初めてで、公正取引委員会は、ほかの企業や東京都などとの契約をめぐる事前調整や、談合の疑いでもさらに審査を継続し、最終的な処分を決定するものとみられます。

損害保険業界では去年、今回の保険料の事前調整のほか、損害保険ジャパンの経営陣が、ビッグモーターに不正の可能性があることを認識していながら取り引きを再開していたことなど問題の発覚が相次ぎ、金融庁は有識者会議を設置して再発防止策を検討しています。