袴田巌さん再審 姉 ひで子さん 検察の死刑求刑に心境明かす

58年前に静岡県で一家4人が殺害された事件で、再審=やり直しの裁判が行われている袴田巌さんの姉のひで子さんが、3日に東京都内で会見し、再審で検察が改めて死刑を求刑したことについて、「検事はそう言わないとおさまらないのだと思う。私は平気でした」と心境を明かしました。

日本外国特派員協会が開いた会見には、袴田さんの姉のひで子さんと弁護団の小川秀世弁護士が出席しました。

ひで子さんは、ことし5月のやり直しの裁判で検察が袴田さんに改めて死刑を求刑したことについて、「検事は、いまさら参ったとは言えないからそう言わないとおさまらないのだと思っている。私は何も思わなかったし、平気でした」と話しました。

また、ことし9月に予定されている判決で、無罪となった場合の検察の対応について問われた小川弁護士は「検察はこれ以上できることもなく、ひで子さんも袴田さんも高齢という状況で、控訴することは考えにくいし許されない」と訴えました。

最後に死刑制度について質問されたひで子さんは「昔からある制度だから当たり前だと思っていたが、巌の件が起きてからは、これは大変だと思って、今は反対です」と話しました。

小川弁護士は「妄想の中でしか生きられない袴田さんの状態を見ていると、死刑制度がある中での誤った裁判は、本当に許されないと強く感じている」と話していました。