資金洗浄事件 新たに3人の容疑者の顔写真を公開

ペーパーカンパニーの口座を使って、詐欺の被害金などの資金洗浄を行ったとして13人が逮捕された事件で、警察は3日、新たに全国に指名手配されている3人の容疑者の顔写真を公開しました。「リバトングループ」の主要なメンバーとみられ、いずれも海外に出国した疑いがあるということで、警察が行方を捜査するとともに情報の提供を呼びかけています。

川崎市の会社役員ら13人は、詐欺の被害者などから実体のないペーパーカンパニーの口座に振り込まれた金を別の口座に移して、マネーロンダリング=資金洗浄を行ったなどとして、ことし5月と先月、組織犯罪処罰法違反などの疑いで逮捕され、このうち8人は違法なオンラインカジノの賭け金について同じ手口で資金洗浄を行ったとして3日、再逮捕されました。

容疑者らは「リバトングループ」を名乗り、さまざまな犯罪グループから依頼を受けて資金洗浄を繰り返していた疑いがあり、管理する4000以上の口座には少なくとも600億円が入金されていたということです。

大阪府警は、ほかにも30人以上が関わっているとみて捜査していますが3日、新たにこのうち3人の容疑者の顔写真を公開しました。

いずれも住所・職業不詳の
▽石川宗太郎容疑者(35)
▽山田浩輔容疑者(39)
それに
▽池田隆雅容疑者(38)で
組織犯罪処罰法違反などの疑いで逮捕状を取り、全国に指名手配しているということです。

3人はグループの主要なメンバーとみられていますが、いずれもことし1月から4月にかけて海外に出国した疑いがあるということで、警察が行方を捜査するとともに情報の提供を呼びかけています。

情報は大阪府警察本部の生活経済課、06-6943ー1234で受け付けています。

「リバトングループ」の構図

警察によりますと「リバトングループ」は、9つの法人からなり、合わせて40人以上のメンバーがいたとみられています。

それぞれのメンバーが知人に依頼したり、SNS上で「副業として簡単に稼げる」と投稿したりして、いわゆるペーパーカンパニーの「設立者」となる人物を集めていたということです。

そして、実体のある法人を装って金融機関で口座を開設し、これらの口座をグループが管理していました。

そのうえで、さまざまな犯罪グループなどから依頼を受けて報酬と引き換えに資金洗浄を行っていたとみられています。

警察はこれまでにグループのメンバー13人を逮捕したほか、海外に出国した疑いがある数人の逮捕状を取って行方を捜査しています。

警察が主要なメンバーとみているのが、すでに逮捕されている
▽藤井亮平容疑者(41)と
▽大和隆生容疑者(40)
それに3日、顔写真が公開された
▽石川宗太郎容疑者(35)
▽山田浩輔容疑者(39)
▽池田隆雅容疑者(38)です。

この5人はいずれもグループの法人の役員に名を連ねていました。

また、警察によりますと「リバトングループ」という名称は5人のうち、石川容疑者の名前をもとに川の「リバー」と石の「ストーン」を組み合わせたものであることが分かったということです。

具体的な役割分担はまだはっきりしていないということですが、警察は5人が中心となってほかのメンバーにさまざまな指示を出していたとみて、グループの実態解明を進めています。