バイデン大統領 党議会指導部などと会談へ 動揺抑えるねらいか

アメリカのバイデン大統領が大統領選挙に向けたテレビ討論会で受け答えに安定さを欠き、一部で撤退を求める声が上がる中、ホワイトハウスはバイデン大統領が与党・民主党の議会指導部などと会談すると発表しました。選挙戦の継続に向けて党内の動揺を抑えるねらいがあるとみられます。

秋の大統領選挙に向けて先月27日に開かれた初めてのテレビ討論会で、バイデン大統領は、ことばに詰まる場面が目立つなど安定さを欠き、アメリカの有力紙が社説で選挙戦からの撤退を求めるなど、波紋が広がっています。

2日には与党・民主党のドゲット下院議員が声明を発表し「バイデン大統領は有権者を安心させるどころか、自身の業績を効果的に擁護することにも、トランプ氏の多くのうそを暴くことにも失敗した」として選挙戦からの撤退を求めました。

アメリカメディアは、民主党の連邦議会議員がバイデン大統領におおやけに撤退を求めたのはこれが初めてだと伝えています。

ホワイトハウスのジャンピエール報道官は2日、記者会見で「われわれは懸念を理解している。バイデン大統領にとって討論会の夜はすばらしいものではなかった」と述べました。

そのうえでバイデン大統領が今週、民主党の議会指導部や知事たちと会談すると発表しました。

バイデン大統領側は、今週後半から2つの激戦州に遊説する日程を発表するなど、選挙戦を継続する考えを変えておらず、選挙戦の継続に向けて党内の動揺を抑えるねらいがあるとみられます。

米メディア “党内で撤退求める議員が増え始めた”

テレビ討論会で安定さを欠いたバイデン大統領についてアメリカの有力紙、ワシントン・ポストは2日「与党・民主党内でそのパフォーマンスに疑問を呈し選挙戦からの撤退を求める議員が増え始めた」と伝えています。

また、ロイター通信は、下院民主党の関係者の話として、今後数日のうちにバイデン大統領が不安定さを見せれば、議員25人が撤退を求める準備をしていると伝えました。

このほかCNNテレビは「20人以上の民主党関係者に話を聞いた所、多くは、バイデン大統領が選挙戦から撤退すべきという考えは変わることはないと話していた」と伝えています。

ただ、議会の指導部からはこれまでのところバイデン大統領に対しておおやけに撤退を求める声は上がっていません。

一方、バイデン大統領は2日、南部バージニア州で選挙集会に参加しました。

同行した記者団によりますとバイデン大統領は会合で「スタッフの言うことを聞かず、討論会の直前に外国訪問を決めてしまった。ステージであやうく眠りそうになった」などと釈明したということです。