“データセンターの電力不足懸念” 企業で省エネ取り組み加速

生成AIの急速な普及で、その処理を行うデータセンターの建設が相次ぎ、電力不足の懸念が高まっています。こうした中、運営する企業の間で省エネや地方都市への分散化などの取り組みが加速しています。

富士通は、データセンターの消費電力を大幅に抑えるシステムの開発を進めています。

AIの処理を行うデータセンターでは、GPUと呼ばれる半導体を数百の規模で同時に稼働することから大量の電力を消費しています。

このシステムは、それぞれのGPUに効率的に計算処理を割り当てることで、すべてのGPUを常に稼働させずに半分程度でも同様の処理ができるということです。

富士通の笠置明彦リサーチディレクターは、「GPUを削減することで必要な電力を抑えることができる。この技術は将来を見据えた解決策になるのではないか」と話していました。

国内の電力需要は、人口の減少や省エネの浸透などを背景に2007年度をピークに減少傾向にありましたが、データセンターの建設の増加が影響し、今年度・2024年度からは増加に転じるという予測もあります。

このほかにもNECのほか、オーストラリアの企業と提携した大和ハウス工業は、サーバーを冷やすための空調設備の効率化や、再生可能エネルギーの活用などによる省エネ型のデータセンターの建設を進めています。

またソフトバンクのほか、データセンターの運営を手がける新興企業のハイレゾは、北海道や九州などに分散化して建設するなど、各社の間で取り組みが加速しています。