イスラエル軍 ハンユニス東側の住民に退避通告 攻撃で死傷者も

イスラエル軍はことし4月に部隊を撤収させたガザ地区南部ハンユニスの一部に退避を通告し、多くの住民がさらなる避難を強いられています。ハンユニスではイスラエル軍による攻撃で死傷者が出ているとされ、イスラム組織ハマスに対する掃討作戦が再び行われることで人道状況のさらなる悪化が懸念されます。

ガザ地区でハマスへの攻勢を強めるイスラエル軍は1日、ガザ地区南部のハンユニスの東側を対象に、住民に直ちに退避するよう通告を出しました。

地元メディアはハンユニスの東側ではイスラエル軍による激しい攻撃があり、多数の死傷者が出ていると伝えています。

NHKガザ事務所が退避先となったハンユニスの西側で撮影した映像には、住民が着の身着のままで避難する様子が写っています。

住民のほとんどが徒歩での避難を強いられ、家財道具を両手で抱えて避難する幼い子どもたちの姿が見られたほか、病院にけがをした人や子どもの遺体が運ばれてくる様子も確認できます。

避難した住民の1人は「どこに行けばよいのかわからず、今夜は路上で過ごすことになるでしょう。私たち民間人が何をしたというのでしょうか」と話していました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ことし4月にイスラエル軍が部隊を撤収させたハンユニスでハマスが再結集する動きを指摘していて、掃討作戦が再び行われることで人道状況のさらなる悪化が懸念されます。