イスラエル ハマス拠点と主張し拘束のシファ病院院長を解放

イスラム組織ハマスへの攻勢を強めるイスラエル軍は1日もガザ地区の広い範囲で攻撃を続け、北部で戦闘員およそ20人を殺害したと主張しました。一方、イスラエルは、ハマスの重要な拠点があったと主張してきた病院の院長を解放し、拘束の正当性などについて批判が高まりそうです。

イスラエル軍は1日、ガザ地区の広い範囲で攻撃を続け、北部では戦闘員およそ20人を殺害し、武器の製造拠点を破壊したと主張したほか、南部ラファでも戦闘員への攻撃を行ったなどと強調しました。

ラファをめぐってガラント国防相は「ラファ検問所と地下トンネルなどを閉じたことで、ハマスには武器を集める手段も負傷した戦闘員を治療する手段もないことは明らかだ。ハマスは消耗している」などと述べ、ハマスの壊滅に向けた作戦の進展をアピールしています。

ただ、地元メディアは住民の車両が攻撃されて死傷者が出ていると伝えるなど犠牲者は増え続けていて、地元の保健当局はこれまでに3万7900人が死亡したと発表しました。

一方、イスラエル当局は1日、去年11月に拘束したガザ地区最大のシファ病院の院長をほかの数十人のパレスチナ人とともに解放しました。

当時、イスラエル軍は院長の直接的な管理のもと、シファ病院がハマスの重要な拠点として使用されてきたという証拠に基づいて拘束したと主張していました。

解放の理由についてイスラエル当局は「収容施設のスペースを確保するためだ」などとしています。解放されたシファ病院の院長は「激しい拷問を受けた」などと証言していて拘束の正当性などに批判が高まりそうです。