西日本中心に雨続く 九州北部や中国地方 土砂災害など警戒を

前線の影響で、西日本を中心に雨が続き、九州北部や中国地方では雨雲が発達しています。これまでの雨で地盤が緩んでいるところがあり、引き続き土砂災害などに警戒してください。

気象庁によりますと、本州にのびる前線の影響で西日本から東日本は大気の状態が不安定になり、この時間は九州北部や中国地方で局地的に雨雲が発達しています。

午前11時までの1時間にはいずれも福岡県が設置した雨量計で
▽苅田町で55ミリの非常に激しい雨を観測したほか、
▽北九州市で32ミリの激しい雨を観測しました。

九州では、ところによって先月26日の降り始めから2日午前11時までの雨量が300ミリから400ミリを超える大雨となっています。

これまでに降った雨で、福岡県と山口県では土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

前線の影響で西日本と東日本は2日も大気の不安定な状態が続き、局地的に雷を伴って激しい雨が降り、特に九州北部では非常に激しい雨が降るおそれがあります。

3日昼までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、
▽九州北部で80ミリ、
▽北陸で70ミリ、
▽中国地方と近畿で60ミリ、
▽四国で50ミリと予想されています。

気象庁は土砂災害や川の増水、低い土地の浸水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風、それに、ひょうにも注意するよう呼びかけています。

一方、西から次第に晴れて気温が上がり、厳しい暑さが予想されていて、熱中症にも十分注意してください。

《各地の被害・避難状況》

1日土石流が発生し、「緊急安全確保」が出されている滋賀県米原市の地区では、2日も住民が市の避難所で避難を続けています。

米原市によりますと、伊吹地区では、1日午前10時ごろ、県道沿いにある山の斜面が崩れ、土砂や石が一気に下流へ押し流される土石流が発生し、少なくとも住宅1棟に土砂が流れこみました。けがをした人はいないということです。

市は、1日午前11時から伊吹地区の127世帯、313人に引き続き「緊急安全確保」を出しています。1日市が設置した避難所には30人余りが宿泊し、体調不良などを訴える人はいなかったということです。

避難している80代の女性は、「熟睡はできませんでしたが横になっていたので体は楽でした。家でもんもんとしているより安心できるので早めに来てよかったです」と話していました。

また、別の80代の女性は、「1時間ほどは寝ましたが気が張っているので、眠たいともしんどいとも思いません。後から疲れが出ると思います」と不安な様子で話していました。

米原市によりますと、2日夜も雨が降る予報となっていることなどから今のところ「緊急安全確保」を解除する見通しはたっていないということです。

京都 与謝野町弓木でのり面崩れる

京都府与謝野町弓木では2日朝、片側1車線の町道で道路沿いののり面が高さ15メートル、幅10メートルほどの範囲で崩れ、道路の中央線付近まで土砂が流れ込んでいるのが見つかりました。

与謝野町では断続的に雨が降っていたということで、隣接する宮津市では、先月30日の降り始めから2日5時までに降った雨の量は98.5ミリとなっていました。

町によりますと、車や人が巻き込まれるなどの被害はありませんでしたが、土砂を撤去するまで、当面は現場で片側通行の規制を行うということです。