国連会議にタリバン初出席“米の制裁解除へ国際社会と対話を”

イスラム主義勢力タリバンが統治するアフガニスタンの情勢について話し合う国連の会議が中東のカタールで行われ、初めて出席したタリバンの代表はアメリカによる制裁の解除などに向けて作業部会の設置を提案し、国際社会と対話を進めたい考えを示しました。

国連は1日までの2日間、アフガニスタンの情勢について話し合う会議をカタールの首都ドーハで開催して欧米や日本など20か国以上の担当者が集まり、タリバンからも報道担当の幹部のムジャヒド氏ら代表団が初めて出席しました。

タリバンの暫定政権によりますと、ムジャヒド氏は会議の中で、アメリカによるアフガニスタン中央銀行の国外資産の凍結措置や、そのほかの制裁により、国内の経済活動に影響が出ているとして、解除に向けて、作業部会の設置を提案し、今後、国際社会と対話を進めたい考えを示しました。

一方、タリバンが3年前に復権して以降、国内では女性が小学校しか通えない状況が続くなど女性の権利が制限されているとして、参加した各国の代表からは、人権状況の改善を訴える声も上がったということです。

ムジャヒド氏は30日、記者団に対して、女性の権利の問題について「国内問題だ」としたうえで、「われわれは国際社会に『解決する方法を見つけようとしている』と言い続けている」と述べ、改善に向けた取り組みは進めていると強調しましたが、先行きは不透明な状況が続いています。