パリ パラ陸上日本代表に土田和歌子 道下美里ら新たに24人内定

8月に開幕するパリパラリンピック、陸上の日本代表に夏と冬合わせて9回目のパラリンピック出場となる土田和歌子選手や、女子マラソン、視覚障害のクラスの金メダリスト、道下美里選手など、新たに24人が内定しました。

日本パラ陸上競技連盟と日本ブラインドマラソン協会は、国際大会の成績などを考慮して男女合わせて24人の選手を新たにパリパラリンピックの代表に内定したと発表しました。

このうち女子は、日本選手として初めて夏と冬の両方のパラリンピックで金メダルを獲得し、8回目のパラリンピックとなった東京大会では、トライアスロンと車いすマラソンの2つの競技に出場するなど、数々の挑戦を続けてきた「レジェンド」の土田和歌子選手が内定しました。土田選手は、これで夏と冬合わせて9回目のパラリンピック出場です。

このほか
▽東京大会の女子マラソン、視覚障害のクラスで金メダルを獲得した世界記録保持者の道下美里選手
▽リオデジャネイロ大会の女子400メートル、腕に障害のあるクラスで銅メダルを獲得し、3大会連続出場となる辻沙絵選手
▽ことしの世界選手権の女子100メートルと走り幅跳びの義足のクラスで2つの銅メダルを獲得した前川楓選手など、12人が内定しました。

道下美里は3大会連続の出場

女子マラソン視覚障害のクラスの道下美里選手は、山口県下関市出身の47歳。小学4年生の時に目の病気にかかり、中学生で右目の視力を失い、左目の視力もわずかです。

「絆」と呼ばれるロープで結ばれた伴走者のガイドで走り、身長1メートル44センチの小柄な体格を生かしたピッチ走法が持ち味です。

女子マラソンで視覚障害のクラスが初めて採用されたリオデジャネイロパラリンピックで銀メダルを獲得しました。2017年、当時の世界記録を更新し、2020年にはその記録をさらに2分以上縮める2分54分13秒の世界新記録をマークしました。

そして、44歳で出場した東京パラリンピックでは、2位と3分以上の差をつけ、初めての金メダルを獲得しました。

その後はけがに苦しめられましたが、コンディションの調整を最優先に大きく練習を見直し、ことし4月に茨城県で行われた大会で優勝を果たすなどして、パラリンピック代表に内定し、3大会連続の出場を決めました。

男子は伊藤智也など12人が内定

一方、男子は、60歳のベテラン、伊藤智也選手など12人が内定しました。

車いすのクラスの伊藤選手は2008年の北京パラリンピックの400メートルと800メートルの2種目で金メダルを獲得しましたが、東京大会では、大会直前に行われたクラス分けで従来と異なるクラスと判定され、メダルが有力視されていたクラスの3つの種目に出場できなくなりました。

パリ大会では、これまでメダルを獲得した従来のクラスで400メートルに出場する予定です。

これでパリパラリンピックに臨む陸上の日本代表は合わせて40人が内定しました。