ミャンマー軍 “日本人を拘束” コメの販売価格めぐり

3年前のクーデター以降、ミャンマーで実権を握る軍は、コメの販売価格に関連した違反で日本人を拘束したと明らかにしました。現地の日本大使館は、拘束について把握しているとした上で解放に向けて軍に働きかけを行っているとしています。

ミャンマーの国営メディアは30日、軍の統制よりも高い価格でコメを販売したとして貯蔵施設などを運営する業者など11人が拘束されたと伝えました。

このうちの1人は、日本人のカサマツ・ヒロシさんで、現地で展開する流通大手、イオンの関係者だとしています。

現地の日本大使館は、NHKの取材に対し日本人が拘束されたことについて把握しているとした上で、解放に向けて軍に働きかけを行っているということです。

ミャンマーでは3年前のクーデター以降、経済が低迷し、軍は食料品の価格などの統制を強めていますが、コメの市場価格が高騰するなど価格を抑えることはできておらず、過去にも業者の拘束などを行っています。

イオン子会社の商品本部長 拘束と身の安全を確認

ミャンマーで実権を握る軍がコメの販売価格に関連した違反で日本人を拘束したと明らかにしたことについて、流通大手のイオンは、拘束された日本人が現地でスーパー事業を展開する子会社「イオンオレンジ」で商品本部長を務める、笠松洋さん(53)だと明らかにしました。

会社によりますと、笠松さんの身の安全は確認できているということで、拘束の理由や時期などについて調べているということです。

イオンは「在ミャンマー日本大使館の支援のもと、早期解決を目指して当局の捜査に協力していく」とコメントしています。

林官房長官 “早期解放働きかけ 支援含め対応”

林官房長官は午前の記者会見で「現在、当該邦人はヤンゴン市内の警察署で取り調べを受けていると承知している。現地時間6月30日の夜に弁護士が警察署で面会したところ、健康に問題はない旨、在ミャンマー大使館が説明を受けている」と述べました。

その上で「政府としては現地当局に早期解放を働きかけるとともに、邦人保護の観点から所属企業との連絡など必要な支援を含めて引き続き適切に対応していく」と述べました。