イスラエル軍 ガザ地区広範囲で攻撃継続 住民に多数の死傷者か

ガザ地区でイスラム組織ハマスへの攻勢を強めるイスラエル軍は、30日にかけても広い範囲で攻撃を続け、住民に多数の死傷者が出ている模様です。一方、パレスチナ赤新月社は、南部の臨時拠点が攻撃にさらされスタッフの命を守れないとして退避を決め、人道状況もいっそう深刻化しています。

イスラエル軍は30日、制圧したと主張していたガザ地区の北部に加え、中部や南部でも軍事作戦を続け、このうち南部ラファでは、情報に基づいて標的を絞った攻撃を行い、戦闘員を殺害したうえ、地下トンネルを破壊したなどと主張しました。

また、地元メディアは30日、ラファではイスラエル軍の空爆で子どもを含む6人が死亡したほか砲撃などの激しい攻撃が続いていて、ほかにも住民に死傷者が出ていると伝えています。

イスラエル軍が攻勢を強める中、パレスチナ赤新月社は29日、南部ハンユニスに設けていた臨時の拠点が攻撃を受け、スタッフの命が危険にさらされているとして退避したと発表し、現地の人道状況もいっそう深刻化しています。

一方、アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、停戦と人質解放をめぐる交渉で、アメリカが提案に新たな文言を提示したと報じましたが、ハマスの幹部は29日会見で「交渉に新しいものは何もない」と述べ、交渉が停滞しているとの認識を示しました。

そのうえで、恒久的な停戦とイスラエル軍のガザ地区からの完全撤退を保証すれば、前向きに交渉に応じるとの立場を改めて強調しました。