大リーグ 菊池雄星 6回途中4失点で8敗目 痛恨の1球悔やむ

大リーグ、ブルージェイズの菊池雄星投手は28日、ヤンキース戦に先発登板し、6回途中4失点で今シーズン8敗目を喫しました。

前回の登板では3回途中で雨のため降板し4失点で負け投手となった菊池投手は28日、本拠地のトロントで行われたヤンキース戦に中4日で先発しました。

立ち上がりの1回は、今シーズンここまでホームラン30本の3番・ジャッジ選手から155.9キロのストレートで空振り三振を奪うなど、三者凡退に抑えました。

チームが1点を先制したあとの2回以降は、緩急をうまく投げ分けたピッチングで強打のヤンキース打線に的を絞らせず、3回まで無失点に抑えました。

しかし4回、1アウトからフォアボールでこの試合初めてのランナーを許し、続くジャッジ選手にはバットを折りながらもライト前に運ばれて一塁二塁のピンチを招きました。

続く4番バッターはセカンドゴロに打ち取りましたが、ダブルプレーを取れずに野手がランナーを追いかけている間に二塁ランナーの生還を許し、不運な形で同点とされました。

5回にチームが2点を勝ち越したため、菊池投手は勝ち投手の権利を持って6回のマウンドにあがりましたが、ノーアウト一塁二塁からヤンキースの2番・ソト選手にスリーボールノーストライクから甘く入ったストレートをライトスタンドに運ばれ、痛恨のスリーランホームランを打たれて3対4と逆転を許しました。

菊池投手はここでマウンドを降りて6回途中を4失点、打たれたヒット4本、与えたフォアボールは1つ、7奪三振で、防御率は4.18となりました。

試合はブルージェイズが5対16で大敗し、菊池投手が負け投手となって自身3連敗で、今シーズンの成績は4勝8敗となりました。

菊池 痛恨の1球を悔やむ

菊池投手は前回と前々回の登板で「調子はよかった」としながらも、いずれも序盤から打ち込まれていて、配球や投げるコースなどを見直してこの試合に臨みました。

高めのストレートなどを意識的に使ったということで「ストレートの勢いとコントロールがよく、三振も取れたし変化球も効果的に使えた。組み立てとしては理想的な組み立てだった」と、強打のヤンキース打線を5回まで1点に抑えた手応えを話しました。

一方で、6回にソト選手に甘いストレートを捉えられたスリーランホームランについては、「6回の1球だけだ。収穫もありながら負けてしまい、悔しい気持ちの方が強い」と痛恨の1球を悔やみました。

また、この試合で大リーグ通算724奪三振となり、松坂大輔さんを抜いて日本選手の歴代6位となったことには「三振はピッチャーにとって能力を表す大きな数字の1つなので、自分の中で大事にしているスタッツだ。これからも積み重ねていきたいし、プロ野球の西武時代から尊敬する松坂さんの記録を抜くことができて光栄だ」と喜びを語りました。

トレードについて「どうなのかなと」

33歳の菊池投手は、今シーズンがブルージェイズと3年契約の3年目で、チームがアメリカンリーグ東部地区の最下位に沈んでいることから、地元メディアなどからは、来月30日に期限を迎えるトレードの候補に名前があげられています。

菊池投手は試合後の取材で「もちろん自分の置かれている状況、契約も含めてわかっている。そこを考えないようにしても、どうしても『どうなのかな』と思う気持ちは正直ある。ただ考えても自分でコントロールできないことなので、今は次の試合に向けてということだけを毎試合考えて、このチームのためにできることはなんだろうと考えている」と、率直な心境を明かしました。