羽田空港衝突事故 消防医療検証 休暇中で職員など十分集まらず

羽田空港で起きた航空機どうしの衝突事故で、国土交通省は当時の消防や医療に関する活動について検証した結果を公表しました。それによりますと、休暇中で空港職員や関係社員が十分に集まらず、緊急車両の誘導に遅れが生じたなどとしています。

ことし1月、羽田空港で起きた事故では、海上保安官5人が死亡、1人が大けがをしたほか、日本航空機に乗っていた乗客乗員379人全員が緊急脱出し、乗客17人が医療機関を受診しました。

また、双方の機体はいずれも全焼しました。

この事故について、国土交通省は現場で対応にあたった東京空港事務所や東京消防庁、医療関係者などと当時の活動について検証を行い、28日、結果を公表しました。

それによりますと、国の業務要領では休日や夜間でも空港職員や関係会社の社員が最大80人集まることが想定されていましたが、今回、正月休み中で集まったのはおよそ40人だったということです。

そのため、救急車や消防車の誘導に遅れが生じ、のべ、およそ100台が制限区域の出入りで待機することなったとしています。

およそ30分間待機した救急車と消防車もあったということです。

また、消火活動の現場では多数の関係者がいたため、責任者がわからず混乱を招いたとしたほか、それぞれの機関が別の無線を使っていたため情報伝達に時間がかかったとしています。

そのうえで、今後の対策として休日や夜間に緊急対応を行う空港職員を増やすほか、関係会社に対しても対応できる人数を増やすよう要請するということです。

さらに、消火活動の現場で責任者がビブスを付けるほか、羽田空港で使っている無線を消防や医療関係者に配布する対応も行うということです。