【詳細】イスラエル・パレスチナ 中東情勢(6月28日)

イスラエル軍は27日、いったんは制圧を主張したガザ地区北部のガザ市で、地上部隊などによる激しい攻撃を行っているとみられ、地元の救急当局は、多くの死傷者が出ていると伝えています。

また、イスラエルと隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間でも攻撃の応酬が続いています。一部のイスラエルメディアは、レバノンとの国境方面にイスラエル軍が部隊を移動させ始めたと報じていて、戦闘拡大への懸念が高まっています。

※中東情勢に関する日本時間6月28日の動きを随時更新してお伝えします。

“イスラエル軍 レバノン国境方面に部隊の移動開始”

イスラエル軍がパレスチナのガザ地区でイスラム組織ハマスに対する攻撃を続ける中、ハマスに連帯を示すレバノンのヒズボラとの間でも連日、攻撃の応酬が続いていて、27日には、ヒズボラが30発以上のロケット弾をイスラエル側に発射しました。

イスラエル軍はほとんどを迎撃し、けが人はいないとしているほか、ヒズボラの戦闘員2人を空爆で殺害したと主張しました。

こうしたなか、一部のイスラエルメディアはレバノンとの国境方面にイスラエル軍が部隊を移動させ始めたと報じました。

さらに、アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、これまでアメリカがイスラエルへの輸送を停止していた爆弾のうち、一部の供与を再開する見通しだと伝えていて、イスラエルがヒズボラとの戦闘に備えるための動きだとしています。

また、アメリカの政治専門サイト「ポリティコ」は27日、アメリカの分析として、イスラエルとハマスの間の停戦合意が実現しなければ、今後、数週間でヒズボラとの間で大規模な軍事衝突が起きる可能性があるとの見方を伝えていて、戦闘拡大への懸念が高まっています。

イスラエル軍 ガザ地区北部で激しい攻撃 多数の死傷者か

パレスチナの地元メディアは27日、北部ガザ市でイスラエル軍が激しい空爆と砲撃をともなう地上部隊による攻撃を行ったと伝えていて、地元の救急当局は7人が死亡し、多数のけが人が出ているとしています。

イスラエル軍はこの地域の住民に退避通告を出したとしていますが、ロイター通信が配信したガザ市で撮影された映像では、けがをして頭から血を流す子どもや、白煙があがるなか、住民が逃げ惑う様子が確認できます。

ガザ地区の地元当局は27日、過去24時間に47人が死亡し、これまでの死者が3万7765人にのぼったと発表しています。

イスラエル軍 ヒズボラとも攻撃の応酬

イスラエル軍は27日、ヒズボラとの戦闘に備えて、山岳地帯などさまざまな状況を想定して行われた地上部隊による訓練の映像を公開しました。

イスラエルメディアは、レバノン国内での作戦を念頭においた訓練だと伝えていて、事態が悪化することへの懸念が高まっています。