“北朝鮮で韓国映画などに触れ公開処刑” 韓国政府が報告書

韓国政府は、北朝鮮で韓国映画などに触れた住民が公開処刑されたとする脱北者の証言を盛り込んだ「北朝鮮人権報告書」を公表し、思想統制が強化されていると指摘しています。

報告書は、脱北者600人余りの証言をもとに作成され、韓国統一省が27日に会見で内容を説明しました。

報告書では、北朝鮮で4年前に「反動思想文化排撃法」という法律が制定され、韓国文化に北朝鮮の住民が触れないように徹底的な取締りが行われているとしています。

2022年には、法律を根拠に北朝鮮南西部のファンヘ(黄海)南道で、22歳の住民が公開処刑されたという脱北者の目撃証言も報告書に記載されました。

証言では、公開処刑の現場で裁判官とみられる人物が、住民について、韓国の音楽70曲、映画3本を見聞きして、それらを周囲に広めたという話をしていたとしています。

このほか、結婚式で、新婦が白いドレスを着ることや新郎が新婦を背負うこと、サングラスの着用、それに、ワイングラスを使ってワインを飲むことも、「反動思想行為」とみなされるということです。

韓国ドラマなどに住民が影響されることに当局が神経をとがらせているとみられ、統一省は、北朝鮮当局による住民の思想統制が一段と強まっていると指摘しています。