イギリス 総選挙前最後の党首討論会 経済政策などめぐり論戦

イギリスで7月4日の総選挙で政権を争う与党・保守党のスナク首相と、最大野党・労働党のスターマー党首が選挙前の最後の討論会に臨み、経済政策などをめぐって激しい論戦を繰り広げました。

スナク首相とスターマー党首の討論会は26日、公共放送BBCの主催で行われました。

選挙戦では世論調査の支持率で労働党が大きくリードし、14年ぶりの政権交代が現実味を帯びています。

討論会では、巻き返しを図るスナク首相がこれまでにインフレ率を下げたとアピールするとともに、不法入国者をアフリカのルワンダに移送する政策を実行に移すと強調しました。

そのうえで、労働党は政権についたら増税に踏み切り、不法入国者が増えると主張し「労働党に確信が持てないなら屈してはならない。保守党に投票を」と有権者に呼びかけました。

これに対してスターマー党首は、スナク首相が国民の苦しい生活を理解していないとして、「全国の人たちの話にもっと耳を傾ければ、そこまで浮世離れしないかもしれない」と述べその姿勢を批判しました。

そして、増税を否定するとともに、公約の中心に経済成長を据えているとし「14年間の混乱に終止符を打ちこの国を再建したいなら、労働党による変革に投票してほしい」と訴えました。

討論会はイギリス全土に中継され、大手調査会社による視聴者を対象にした調査では、勝ったのはスナク首相と答えた人が50%、スターマー党首とした人も50%で、互角の結果となりました。