【詳細】イスラエル・パレスチナ 中東情勢(6月27日)

イスラエル軍と隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間で攻撃の応酬が続く中、イスラエルのガラント国防相は、外交的な解決を望んでいることを強調しながらも「ヒズボラとの戦闘でレバノンを『石器時代』に戻すことができる」として、強くけん制しました。
関係国などからは紛争拡大への懸念が広がっています。

※中東情勢に関する日本時間6月27日の動きを随時更新してお伝えします。

イスラエル国防相 外交的解決を強調もヒズボラけん制

イスラエル軍とレバノンのヒズボラとの間では連日攻撃の応酬が続いていて、ロイター通信は27日、レバノン南部にイスラエル軍の攻撃があり、少なくとも5人がけがをしたと伝えました。

ロイター通信によりますと、イスラエルのガラント国防相は訪問先のアメリカで26日、記者団に対し、外交的な解決を望んでいることを強調しながらも「ヒズボラとの戦闘でレバノンを『石器時代』に戻すことができる」として、ヒズボラを強くけん制しました。

イスラエルのネタニヤフ首相は、ガザ地区での激しい戦闘が近く収束するとの認識を示し、軍の部隊をヒズボラとの戦闘に充てる可能性を示唆しています。

関係国などからは紛争拡大への懸念が広がっていて、トルコのエルドアン大統領は26日「戦争を拡大しようとするネタニヤフ氏の計画は大惨事につながる」と述べ、ネタニヤフ首相を強く非難しました。

OCHA=国連人道問題調整事務所のトップを務めるグリフィス事務次長も、26日の会見で「さらなる悲劇の可能性を懸念している」と述べ、緊張の緩和を訴えています。

紛争拡大への懸念の声が広がる

今週、イスラエルとレバノンを訪れたドイツのベアボック外相も26日ドイツメディアのインタビューで攻撃の応酬に懸念を示したうえで「いま最も重要なことはあらゆる外交手段を用いることだ」と述べ、アメリカなどと連携して緊張の緩和に取り組む考えを強調していて、関係国から紛争拡大への懸念の声が広がっています。

こうした中、イスラエルの首相府は26日、ネタニヤフ首相がレバノンに近い地域で行われた軍の訓練を視察したと発表してヒズボラをけん制していて、イスラエルとヒズボラ双方の今後の出方が焦点となっています。

イスラエル軍 ガザ地区での攻撃も継続

イスラエル軍はガザ地区での攻撃も続けていて、地元メディアによりますと、26日、ガザ地区北部のジャバリア難民キャンプに攻撃があり、少なくとも8人が死亡し、複数のけが人が出ているということです。

ガザ地区の保健当局は26日、過去24時間に60人が死亡し、これまでの死者は3万7718人に上っているとしています。